突然ですが、あなたは「精神的な病かも」と思ったことはありますか?
こんにちは。きはたちです。
5巻以内の漫画や短編漫画を中心に読んでいます。
今回はマンガ『うつヌケ』と私がわずらった不安障害についてまとめてみました。
漫画「うつヌケ」を読んでも うつ病は治らない理由!?
この記事を読むとこんなことがわかります。
・マンガ「うつヌケ」の概要
・「うつヌケ」を読んでも精神的な病は治らない理由
・私が不安障害が寛解しているたった2つの理由
①自分は何かをわずらっているということに自信を持つ
②自分を理解する
・精神的な病があっても仕事をして生活できることを教えてくれる
・田中圭一さんについて
・「うつヌケ」が社会に与えた影響
マンガ「うつヌケ」の概要
『うつヌケ〜うつトンネルを抜けた人たち〜』は田中圭一さんのマンガです。
作者の田中圭一さんは長年うつ病を患ってきました。
「うつヌケ」は田中さんご自身をはじめとして色々な方の精神病に関する体験談を短編形式で描いています。
文芸カドカワで連載され、2017年に書籍化されました。
同年、ユーキャン新語・流行語大賞に「うつヌケ」がノミネートされ、
2018年には第22回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」の最終候補作に選ばれました。
「うつヌケ」を読んでも精神的な病は治らない理由
あなたはもしかして今、「自分が何らかの精神的な病をわずらっているじゃないか」と思って、
『うつヌケ』を手にしようとしていませんか?
「うつヌケ」を心理テスト感覚で読んではいけません。
私が『うつヌケ』を手に取った理由は、まさにそんな理由でした。
2017年の春ごろ、私は仕事中に過呼吸を起こしました。
精神科を受診したところ、不安障害と診断されました。
仕事の多さと人間関係が原因だったみたいです。
結果としては、『うつヌケ』で紹介されている人の中に私と同じ症状の人はいませんでした。
「自分はうつとか双極性障害とかではない。じゃあ何なんだ」
と逆に不安になってしまいました。
私が寛解しているたった2つの理由
①自分は何かをわずらっているということに自信を持つ
精神病をわずらっている人の中に、全く同じ症状や人生経験の人がいるでしょうか?
私はどこか『うつヌケ』に自分に似た症状の人がいるんじゃないかと思っていました。
『うつヌケ』に該当していなかったからといって、
精神的な疾患を抱えていないということにはなりません。
「自分は本当はただの怠け者で休みたいだけなんじゃないか」
とカウンセラーさんに打ち明けたことがあります。
しかし、
「そんなことないですよ。現に過呼吸や吐き気があるじゃないですか」
と言われました。
自分がどう感じようとまわりに何を言われようと症状があるのは事実。あたりまえのことです。
②自分を理解する
あなたは自分自身の考え方のクセを知っていますか?
うつや抑うつ状態になりやすい人には特有の考え方の「クセ」があるそうです。
よく言われるのは、
「几帳面でまじめな人」
ですよね。
私の場合は、すぐ依存しがちな考え方です。
たとえば『うつヌケ』を読んだら何か答えがあるんじゃないかと依存します。
そして、「うつヌケ」の中に自分にあてはまるような人がいないとわかったら、
「自分は精神病じゃないんだ」
と思ってしまいます。
何かにすがりたくて過度な期待をして、はずれるとやけに落ち込みます。
田中さんも「この本を読めばどんな精神病でも治る」とまでは思っていないだろうし、そんな本は存在しないでしょう。
『うつヌケ』の登場人物たちは、
「自分の場合はこうだからこうしました」
と自分の性格や病の症状と特徴、性格が作られた背景まで理解して対処しています。
だから、自分の経験や病気の症状と向き合うことはとても大事なことなんです。
「うつヌケ」は精神的な病があっても仕事をして生活できることを教えてくれる
では、『うつヌケ』を読んでも意味がないのでしょうか?
そんなことはないですよ。
『うつヌケ』は精神的な病を持ちながらも、社会で生きていける希望を描いています。
これまでもうつを題材にしたマンガはありましたが、
『うつヌケ』は、「精神病と仕事」をテーマにしています。
『うつヌケ』で紹介されている人たちは、みんなそれぞれ仕事を持っていて
会社をやめてしまった人もいれば、同じ会社でそのまま続けている人もいます。
会社をやめた私が言うのもおかしいですが、
一度心の不調が起こっても安定してきたら仕事をやめないほうがいいでしょう。
生活の安定と心の安定は両天秤ですからね。
もし、仕事中に具合が悪くなったら休んじゃっていいし、
具合が悪くなりそうなら早く帰っちゃっていいくらいに考えたほうが得です。
精神的な病になったらといって会社をやめなくてもいいんです。
田中圭一さんについて
田中圭一さんといえば、手塚治虫をはじめとする数々の有名漫画家の絵柄をコピーして下ネタ作品を世に送り出してきたことで有名です。
私が田中さんのマンガと出会ったのは中学か高校のころ、コミックキューというマンガ雑誌でした。
はじめて目にした田中さんのマンガは、絵柄のコピーどころか手塚治虫作品の登場人物がそのまま出てきて下ネタで遊んでいるような内容でした。
絵柄は真面目なんだけど言ってることと合ってないのがおもしろかったです。
「うつヌケ」が社会に与えた影響
しかし、この『うつヌケ』では絵柄こそ手塚治虫や藤子・F・不二雄風ではあるものの、内容は完全にまじめなノンフィクションです。
2018年にはHuluで実写ドラマ化されました。
『うつヌケ』はうつ病やその他の精神病に対する理解を広く知らしめ、社会的貢献を果たしたといっても過言ではありません。
まとめ
『うつヌケ』を読んだだけでは、精神病は治りません。
でも、『うつヌケ』の登場人物たちは、精神病という問題をかかえながら、
ある人は寛解し、ある人はつきあいながら生活しています。
「自分がこの人たちにあてはまるか」
と考えるのではなくて、
「自分の場合はどうだろう」
と考えてください。
自分の性格を理解していれば、たとえば感情が沸き上がってきたときに、
「こういう時にうれしいんだ」
「こういう時に怒るんだ」
と客観的に理解できて自分の感情をマネジメントできるかもしれません。
そしてもし、精神的な病になったとしても、
極端なことは考えなくて大丈夫です。まずは休んでください。
そのあとどうするかは自分次第です。あいまいなままでもいいんです。
「うつヌケ」はみんなツラいんだなというのを理解する意味で価値ある一冊です。
ぜひ読んでみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
『うつヌケ』ドラマ版はHuluでご覧ください。
電子書籍も検索してみてください。
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