マンガ描きたいなー
と思ったことありませんか?
香魚子さんの描くキャラクターは本当に美しいです。
短編集「もう卵を殺さない」は色んな意味で漫画を描く人におすすめしたい一冊ですね。
こんにちは。きはたちです。
5巻以内の漫画や短編漫画を中心に読んでいます。
私も「マンガ家になりたい!」と思うことありますが、なかなか描けないんですよね。
『もう卵は殺さない』は、集英社・マーガレットコミックスより2012年に発行された香魚子さんのマンガです。
全4話の短編集です。
香魚子さんは現在、別冊マーガレットにて『霜月先生の甘くない恋愛講座』を連載中です。
『もう卵は殺さない』を漫画家志望が読むべき理由3選
マンガ家を目指す人に『もう卵は殺さない』を読んでほしい理由は3つです。
・キャラクターが抜群にかわいくて抜群にイケメン
・心情の演出がすごい
・コマ割りが自由!
・少女っぽくもすこしドロッとしたストーリー
キャラクターが抜群にかわいくて抜群にイケメン
香魚子さんの描くキャラクターは抜群にかわいくて抜群にイケメンなんですよね。
香魚子さんの絵は繊細な線で正確なデッサンです。
頭の形、指の一本一本、鎖骨など、骨格が意識されていて美しいです。
澄んだ瞳もきれいですね。
瞳の光や透明感が細かい線でうまく表現されています。
少女マンガというとキラキラした目の印象がありますが、香魚子さんの描く瞳は控えめながら透明感があるんですよね。
全ての登場人物がイケメンで美人なので、設定上かわいくないとされている子さえ、
「いや、かわいいじゃん」
と思えるほどです。
イケメンとか美人がでてくるともう国宝級です。
「こんな子いたら毎日告白するわ」って感じです。
きれいな絵の漫画が好きな人にはおすすめですね。
心情の演出がすごい
香魚子さんは気持ちの変化や揺らぎを絵で表現するのがうまいんですよ。
少女マンガは少年マンガのように体のアクションはあまりなく心の動きがドラマを生みます。
だから少女マンガでは心の動きを絵であらわすテクニックがたくさんあるんですよね。
たとえば、しあわせだとふわふわした模様が出てくるし、
ショッキングなシーンにはイナズマが走ります。
『もう卵は殺さない』ではそういった絵柄あらわす感情表現のセンスがいいんですよね。
ハッとしたり、寂しそうになったりするときには突然色が失われていくし、
コミカルになると線がマジックみたいな太い線になったりします。
ドラマチックだし、登場人物の心情もより伝わってきます。
コマ割りが自由!
香魚子さんのマンガはコマ割りも自由です。
ドラマが動き出すと、コマが斜めになったり、
コマの枠線からキャラクターがはみ出ていたり、
枠すら描かれていないコマもあります。
「マンガのコマは四角い」と決めてかかったらダメですね。
少女っぽくもすこしドロッとしたストーリー
『もう卵は殺さない』という謎めきながらも少しショッキングなタイトルですが、4話のうち、3話は恋や友情をテーマにしたストーリーです。
表題作の「もう卵は殺さない」だけがちょっと違うんですよね。
いずれのお話も少し心が引っ掻かれるような感じです。
ドロドロじゃないですドロッとくらいです。
収録作品をちょっとだけ紹介しますね。
『茉莉花まりかにくちなし』
かわいくて成績優秀だったのに17才の若さで死んでしまった茉莉花が、
いじめられっ子でイケてない支子に取り憑こうとする話です。
ちょっとこわそうですが、恋や友情がテーマになっていて、
かわいらしいお話です。
『もう卵は殺さない』
4つある中で異質なのが表題作の『もう卵は殺さない』です。
主人公は「どのお話でも主人公になれなかった」笹木綾子という少女です。
個性も特徴もないし、あまりおもしろいといえるストーリーも持っていない彼女ですが、
いつか理解してくれる人があらわれて、きっと自分は主人公になれると信じています。
でも「ふつうの人には私のよさがわからない」とすこし意固地になっています。
個性も華もある・そまりと出会い、綾子は自分をつくった作者に思いをはせます。
やがて、綾子の「作者」があらわれます。
あらすじからもわかるとおり、メタ的な話です。
作者の香魚子さんが自分に向けて描いているようにも思うし、未来の作家さん、マンガ家さんに向けて描いてるような感じがするんですよね。
まとめ
この世の中にいったいどれだけ『もう卵は殺さない』の綾子のような、物語になれなかった主人公がいるんでしょうか。
私もマンガを少し描いたことがありますが、きっと今からじゃ無理かなと思います。
私のような人がいるから、世界から物語が少なくなっていっちゃうんですよね。
『もう卵は殺さない』を読むと、創作すること、物語を生み出すことの尊さを感じられますよ。
美麗な絵を楽しみたい人にもおすすめですね。
ぜひ読んでみてくださいね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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