こんにちは。きたはちです。
5巻以内完結のマンガや短編集をよく読んでいます。
平庫ワカさんの「マイ・ブロークン・マリコ」を読みました。「マイ・ブロークン・マリコ」は10月にTV Bros.(東京ニュース通信社)のマンガ賞「ブロスコミックアワード2020」で大賞を受賞した作品です。
つまらないわけではないですが、想像とは違うマンガでした。長めの話やオシャレな感じを期待している人には合わないかもしれませんね。
「マイ・ブロークン・マリコ」のあらすじや魅力を紹介しますね。想像とどう違ったのかも紹介します。
マイ・ブロークン・マリコ あらすじ
柄の悪いOLのシイノは、彼女の死を知りある行動を決意した。女同士の魂の結びつきを描く鮮烈なロマンシスストーリー!
マイ・ブロークン・マリコ Amazon商品ページより引用
表紙はタバコをくわえながら遺骨を抱いている女性、主人公のシイノです。
骨壺の中はマリコの骨。「マイ・ブロークン・マリコ」はシイノがマリコの骨を抱きながら、昔訪れたいと話した「まりがおか海岸」を目指すロードムービーになっています。
主な登場人物
シイちゃん
シイノトモヨ。26才。マリコの昔からの友人。学生時代からタバコを吸っている。
マリコ
イカガワマリコ。睡眠薬を大量に服用し、自宅マンションから飛び降りて自殺した。
マキオ
まりがおか海岸近くのナリタ商店で働いていると思われる青年。
魅力①とんでもなく不幸なのに少し笑える
この話はマリコの境遇があまりにも不幸で壮絶すぎるんですが、シイノの無様さカッコ悪さに救われます。
マリコは涙ぼくろがあって本当にかわいい女の子です。それだけに、「なんでこの子がここまで不幸な目にあわなきゃいけないんだろう」と感じるはずです。
シイノもシイノなりに不幸なのですが、弱いながらにマリコを助けようとします。そんなシイノがカッコ悪いんですけどカッコイイんですよね。泥だらけになって鼻水たらしても一生懸命生きている、そのシイノの一生懸命さが少し笑えて、物語の救いになっています。
魅力②高い画力!
この本でまず目につくのは表紙のイラストですよね。ブルーの背景に髪をなびかせたシイノがカッコいいです。
マンガの本編はというと、表紙よりはデフォルメされた絵柄です。特にシイノはアニメ「フリクリ」のハルハラハル子によく似た感じです。絵柄もちょうどフリクリのような感じです。
魚眼パースも多用されていて、効果的に画面を演出しています。落ちていくタバコの影のピントのぼかしとか、携帯の画面の感じとか細かいエフェクトもこだわっています。デビュー作でこれだけ描けるのはすごいですね。
魅力③印象的なシーンが満載!
構図やセリフが秀逸で、印象的なシーンも多いです。
特に印象的なのはシイノがマリコの遺骨を抱きながらバスに揺られているシーンですね。本当にいい演出です。
2話のはじめもいいですね。夕暮れをバックに走るシイノが描かれているのですが、縦長で90度傾けた構図はマンガだからこそ映えますよね。マキオも出番こそ少ないもののいい味を出しています。
「マイ・ブロークン・マリコ」は描きたいシーンを最初に考えてそれをつなげていったんだと思います。そうでないとあんなにいいシーンが次々と出てくるわけがないです。それくらいいいシーンが多いですね。
思ったより短くて泥臭い…
「マイ・ブロークン・マリコ」だけで1巻完結だと思っていたのでちょっと物足りなかったですね。勝手にそう思い込んでいただけなんですが。
この本には、表題作の「マイ・ブロークン・マリコ」と「イーサカ」という短編が収録されています。「マイ・ブロークン・マリコ」は152ページで「イーサカ」は35ページです。気持ちとしては「マイ・ブロークン・マリコ」だけで一冊で読みたかったですね。途中のエピソードを増やしたり、エンディングをもうちょっとつけ足したりしてもうちょっと長くしてほしかったです。とはいえ、どちらもいい作品だとは思います。
表紙のビジュアルもオシャレなので、そういうのを想像していると、中身の泥臭い感じに驚いてしまうかもしれません。しかし、要所要所ではさまれる美しいシーンはセンスの高さをうかがわせます。
まとめ
「マイ・ブロークン・マリコ」は魅力はたくさんありますが、読む前に勝手に期待しすぎると想像とは違ってしまうかもしれません。この記事で収録内容やざっくりした情報を入れてから読むのをおすすめします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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