10月24日に冬房承さんの「アクトアウト」上下巻が同時に発売されました!おめでとうございます!
こんにちは。きたはちです。
5巻以内完結のマンガや短編集をよく読んでいます。
この記事では、「アクトアウト」をあえて辛口評価したいと思います。
「アクトアウト」を万人におすすめできるかというと正直難しいですね。
美しい男性が好きな人とかフィギュアスケートファンなら刺さるかもしれません。
しかし、物語もいよいよここからというところで終わっているので、中途半端な感じはします。
「アクトアウト」あらすじ
世界レベルの技術を持ちながらも大技では必ず失敗してしまう、無冠のフィギュアスケーター名雪いばら。腑抜けた演技を繰り返しスケートファンからも見放されつつあるいばらの元に、かつて『神童』と謳われたバレエダンサー ヴァシリー・ミハイロヴィチがやって来る。「芸術も闘争も楽しめないクセにどうしてリンクにいるの?」芸術(バレエ)に身を捧げたヴァシリーからの問いかけに返す言葉もないいばらだが、次の国際大会はもう目前まで迫ってきており…。
アクトアウト(上) Amazon商品ページより引用
いばらとヴァシリーは、羽生結弦選手とプルシェンコ選手を彷彿とさせます。
羽生選手のような線の細さとプルシェンコ選手のような強さが物語にありありと表現されているような気がします。
リアルなフィギュアスケートの世界も見どころです。
登場人物
名雪いばら
世界で戦う日本のフィギュアスケート選手。テクニックはあるが、大技をミスしがちで伸び悩んでいる。愛想笑いが多く、すぐ謝る。
ヴァシリー・ミハイロヴィチ
「神童」の異名を持つロシアの天才バレエダンサー。オフシーズン中の傷害事件をきっかけに引退したが、名雪いばらの振付師としてフィギュアスケート界に突如参入した。
オルガ・マハーリナ
名雪いばらのコーチ。ヴァシリーとは旧知の中。
アドリアン・レネ
元フランス代表のフィギュアスケート選手。振付師としてアイスショーでも活躍している。いばらのプログラムを作っている。
魅力①男性が美しい!
この漫画の魅力はなんといってもいばらとヴァシリーの美しさですね。
いばらは線が細いながらもフィギュアスケート選手なので首が太く、手足の筋肉もほどよくあります。
ヴァシリーはバレエダンサーなので筋肉にもメリハリがある感じですね。
体格の違いがあらわすように性格もまるで違います。しかし、物語が進むにつれてだんだんと似通った面がわかり、お互いの理解が深まっていきます。
冬房さんは画力が高くて、構図が美しく迫力がありますね。
魅力②フィギュアスケートなどの知識がリアル!
「アクトアウト」はフィギュアスケートの知識が詳細に描かれています。
技の名前だけでなく体の使い方まで描かれているのは綿密な取材を物語っていますね。
登場するスケート大会の会場も実際のものと同じなんでしょうね。シカゴのスケート練習場まで出てきて、世界で戦うトップ選手の日常をちょっと垣間見ているようで楽しいです。
他にも、バレエからロシア文化まで色々調べられていて、物語に臨場感があります。
魅力③えぐるような内面描写!
物語が進むにつれて、いばらの過去とヴァシリーの過去が明らかになっていきます。
そこでいばらにとって感情を揺さぶられるカタルシスが起きて、二人の距離より縮まっていくのが見どころですね。
結構壮絶だったりドロドロしていたりするので、そういうドロドロが好きな人にはたまらないかもしれません。
スポーツものとしてもBLとしても中途半端…
「アクトアウト」はフィギュアスケーターとしてこれからというところで物語は終わってしまいます。
いばらとヴァシリーとの間の明確な好意が描かれていないのも中途半端な気がします。なんとなく惹かれ合っているBLという感じなので、それ以上の関係を求めている人にとっては物足りないかもしれません。
スポーツとBL、どっちかをやるならやりきってほしかったですね。
わかりにくい…
表現が抽象的でわかりにくい部分がありました。
私の読解力がないだけかもしれませんが、ちょっと置いてきぼりになってしまいました。
まとめ
「アクトアウト」は正直スポーツものとしてもBLとしても中途半端感は否めません。
しかし、フィギュアスケート選手の臨場感や、男性キャラの美しさは楽しめるかと思います。フィギュアスケートファンでBL好きっていう人にはハマるかもしれませんね。
冬房承さんの「アクトアウト」は上下巻完結で祥伝社から発売されています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
コメント