2~5巻以内完結

「魔女をまもる。」がタイムリーな件。3巻完結マンガレビュー!

こんにちは、きたはちです。

5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。

槇えびしさんのマンガ「魔女をまもる」が11月20日に上中下巻の3巻完結で同時発売されました。おめでとうございます!

ダークファンタジーと思いきや、医療の話なんですよね。コロナ禍の今の状況にも似ていて、タイムリーでおもしろかったです。おすすめです。

あらすじやみどころを紹介していきますね。

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魔女をまもる。 あらすじ

16世紀、数万人が迫害を受けて死んだ”魔女狩り”。その狂気の時代に魔女と断罪された人々に寄り添い、医療の力で救おうとしたひとりの医師がいた──。精神医学の先駆者でもある実在した医師、ヨーハン・ヴァイヤーを描いた歴史ドラマがついに書籍化!

魔女をまもる。(上) Amazon商品詳細ページより引用

槇えびしさんは「天地明察」のコミカライズや「朱黒の仁」、「みずのいろ。」などの作品を描いている漫画家さんです。小説の装画なども手掛けています。絵柄は「蟲師」の漆原友紀さんに似ていますが、線がシンプルで洗練されている印象を受けます。

「魔女をまもる。」はNemuki+で2017年から連載されていた作品です。ダークファンタジーではないですが、魔女裁判や疫病の話が出てきて、ダークファンタジーっぽさはある作品だと思います。決して暗いだけではなくて、正しい知識を広めるための熱い思いやミステリー要素もあって読みごたえがありますね。

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登場人物

ヨーハン・ヴァイヤー

医師。領主のヴィルヘルム5世に信頼を置かれている。大魔術師といわれたアグリッパの弟子だった。

魔女裁判に反対した最初期の人物とされている。

ゲルハルト

騎士。ヴァイヤーの護衛として人狼があらわれたという村に同行する。

ヴィルヘルム5世

ユーリヒ・クレーフェ・ベルク公領の領主。

ハインリヒ・コルネリアス・アグリッパ

優秀な医師だが、魔術や錬金術に詳しいとされ、教会からの評判は悪い。魔女を火あぶりの刑から救い出したことがある。

みどころ①人狼が怖い!

16世紀の神聖ローマ帝国、今のドイツ。ある村で「人狼」が出たという騒ぎが起こります。

医師のヨーハン・ヴァイヤーは領主の命で人狼に襲われた少女・マルテの治療という名目でその村に向かいます。

ヴァイヤーはマルテの傷を診察しますが、人狼の仕業と呼ぶには不可解な点を見つけます。

本当に人狼はいるのか、それとも別の真相があるのか、ミステリー要素もあってワクワクする展開ですね。

みどころ②疫病が怖い!

物語は途中で回想シーンに移ります。ヴァイヤーがまだ若い頃、大魔術師アグリッパの弟子として医学を学んでいたころの話です。

ある日、謎の病に冒された患者の診察を行ったアグリッパは、その病が恐ろしい疫病だと突き止めます。しかし、疫病は瞬く間に街全体に広がっています。

新型コロナが流行する今の状況とも重なって恐ろしいですね。医学の発達していなかった中世なので、ますますその恐ろしさが伝わってきます。苦しい状況の中でも懸命に治療にあたる姿がアグリッパがかっこいいですね。

みどころ③一番怖いのは…人間。

ヴァイヤーは精神医学の先駆者で、魔女裁判に反対した最初期の人物とされています。

物語の中では、ヴァイヤーの運命を決定づけた過去のトラウマが描かれています。これが結構辛いトラウマなんですよね。

このマンガはファンタジーではないので、人狼も魔女も出てきません。すべては人間の作り出した幻なのです。しかし、中世の人々は人狼や魔女のいる世界が常識でした。その常識をどうやって打ち砕くのかというのが、物語の最大の焦点になっています。

魔女ではなく、それを恐れている人間が一番怖いんですよね。

アグリッパからつないできた思いをヴァイヤーが引き継いでいく展開に胸が熱くなります。

ファンタジーじゃないので注意!

何度も紹介しましたが、ファンタジーではないので注意してください。ヨーハン・ヴァイヤーもヴィルヘルム5世もアグリッパも実在の人物なんですよね。あとがきから槇さんの取材力のすごさが垣間見えます。

ただ、難しさはないので大丈夫ですし、話の中では魔女や人狼が出てきてファンタジーっぽさがあるのでファンタジーファンも読みやすいですよ。綿密な取材の上で、フィクションとしておもしろくなっています。

まとめ

「魔女をまもる。」は実在の人物に基づいた話ですが、ファンタジーっぽさもあったり、コロナ禍の状況も重なっていたりして、タイムリーな物語になっているのでおすすめですよ。

「魔女をまもる。」上中下巻はNemuki+コミックス(朝日新聞出版)から発売されています。ぜひ読んでみてくださいね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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