1巻完結,短編集

豊田徹也「珈琲時間」甘くて苦い漫画連作短編集とは!?

シブい短編集が読みたい!

という人には豊田徹也さんの「珈琲時間」がおすすめですよ。

こんにちは。きたはちです。

5巻以内完結のマンガや漫画短編集をよく読んでいます。

「珈琲時間」はホントにカッコよくて笑えて心にしみる漫画ですね。

短編集ですが、共通したテーマで描かれているので全体として一つの作品として楽しめますよ。

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豊田徹也「珈琲時間」甘さと苦さのおりなす漫画連作短編集とは!?

「珈琲時間」は豊田徹也さんの漫画で、コーヒーという共通のテーマで描かれた連作短編集です。

全17編収録されていてすべて12ページずつの話になっています。

物語に必ず出てくるコーヒーと、同じ長さの話は様式美さえ感じさせます。

講談社から発売されていて、全211ページです。

Amazonだと紙の本はほぼ中古しかないみたいですが、電子書籍もありますよ。

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豊田徹也さんってどんな漫画家?

豊田徹也さんは村上春樹さんの短編集「一人称単数」の装画を手掛けたことで話題になりましたね。

非常に寡作で、これまでに書籍化されたのは3冊です。

豊田徹也書籍化作品

・アンダーカレント

・珈琲時間

・ゴーグル

「アンダーカレント」は1巻完結の話で、「珈琲時間」には「アンダーカレント」に登場した山崎という人物が少しだけ出ていますよ。

漫画「アンダーカレント」豊田徹也 心に刺さる人間ドラマ!
豊田徹也さんの「アンダーカレント」の紹介です。全1巻完結です。登場人物の抱えた謎、巧妙なストーリー、なにげないけど心に響く出来事。まさに「大人の人間ドラマ」という感じです!ちゃんと笑えるところもあるのがいいですね。

コメディからハードボイルドまで盛りだくさん!

「珈琲時間」に収録されている物語はコメディが多いですが、中には苦いハードボイルドがあったり、甘いハートウォーミングがあったりと盛りだくさんです。

短編ドラマを見ているような感じですね。

「探偵物語」「傷だらけの天使」を彷彿とさせる雰囲気があります。

滑稽でありながらも、渋さとカッコよさを感じるような珠玉の短編集ですね。

全17編の収録作品の中からちょっとだけあらすじと感想を紹介しますね。

第1話 Whatever I want

チェリストの夏美が喫茶店に入りコーヒーを飲んでいると、見知らぬ外国人から声をかけられた。

彼は流暢な日本語で話すが、自分はイタリア人でオーケストラのステージ・マネージャーだと言ったり、建築家だと言ったりどうも的を射ない。

彼は手持ちの金がないというので夏美は仕方なくコーヒーをおごってやったが、次の日、彼の意外な正体が明らかになる。

このイタリア人のキャラがなんとも味があっていいんですよね。

うさん臭くてコミカルなんですが、何となく奥深さを感じさせる人物です。

ちなみに、夏美とこのイタリア人は他の話でもまた登場します。

第3話 すぐり

高校生のはるみ叔母さんの家を訪ねた。

叔母さんは狭い部屋にコーヒー豆を広げていた。

これからコーヒー豆を炒るのだという。

なにげない会話の中で、叔母さんははるみの成長を感じていた。

この話に出てくる叔母さんは若くてカッコイイ女性です。

コーヒー豆を炒りながら、はるみは叔母さんにいろいろな質問をします。

なにげない会話の途中で、はるみが「生きてるってどういうこと?」と聞くシーンが好きですね。

それに対する叔母さんの答えも素敵です。

叔母さんの人生経験とはるみの成長が交差する味わい深い物語です。

第6話 Hate to See You Go

山奥にある廃屋で二人の男がお互いに銃を突き付けて向かいあっている。

二人はヤクザで、どうやら一方の男が組の金を持ち逃げしたらしい。

ふいに、持ち逃げした男の方がコーヒーを飲もうと持ち掛ける。

こちらは打って変わってハードボイルドな物語です。

いやー、めちゃめちゃカッコいいです。

ちょっと笑いどころも入れてくるのがニクイですね。

他の作品もそうですが、ラストの展開や登場人物の背景を読者にゆだねている感じなんですよね。

多くを語らないのがカッコいいし、想像力を掻き立ててくれるような漫画です。

まとめ

「珈琲時間」は作者の豊田さん自身の知識と経験にもとづくユーモアがあって、渋さとカッコよさが光る、まさにコーヒーのような短編集ですね。

毎回同じ長さで、きれいなオチがあって美しいです。

登場人物の味わっているコーヒーの味を想像しながら読むと、さらに理解が深まりますね。

コーヒーを飲みながら読んで、こぼさないように気をつけてくださいね。

「珈琲時間」、ぜひ読んでみてください。

新品はAmazonでプレミア価格がついちゃっていますが、電子書籍なら手軽に手に入りますよ。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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