1巻完結,短編集

漫画「アンダーカレント」豊田徹也 心に刺さる人間ドラマ!

極上の人間ドラマが読みたい!

と思ったら豊田徹也さんの「アンダーカレント」を読んでみてください。

「アンダーカレント」は講談社・月刊アフタヌーンで連載されていたマンガで、2005年に発売されました。1巻完結です。

作者の豊田徹也さんは村上春樹さんの短編集「一人称単数」の装画を手掛けたことで話題になりました。

謎に満ちた登場人物と巧妙で丁寧なストーリーは、正に「大人の人間ドラマ」って感じです!

映画一本よりなお深い、至福の漫画体験を約束します。

講談社コミックプラス「アンダーカレント」ページより引用

というキャッチコピーに偽りはありません。

あなたの心に残るマンガになることは間違いないですよ?

「アンダーカレント」あらすじ

明るい性格のかなえは実家の銭湯を夫のと切り盛りしていた。

しかし、2カ月前に悟が失踪。

銭湯組合から紹介してもらったを一時的に雇い、夫の調査は探偵に頼むことにした。

明るくふるまいながらも夫を失った空虚な気持ちがかなえに去来するが、

やがて、かなえの心の底流(=アンダーカレント)が明かされていく。

登場人物

関口かなえ

ショートカットで明るくはつらつな女性。30才くらい。

母のことは語られておらず、父はかなえの結婚後に他界。

学生時代に知り合った悟に婿入りしてもらい、実家の銭湯を営んでいる。

しかし、2カ月前に夫が失踪。

気丈にふるまいながらも、ふとした瞬間にむなしさや悲しみが去来する。

関口悟

かなえの夫。2カ月前に失踪した。いつも笑顔で柔和な印象。

物語が進むにつれて、悟の謎が明らかになっていく。

銭湯組合から紹介された男性。35才くらい。

夫が見つかるまでかなえの銭湯を手伝うことになった。

ボイラー技師や危険物などの資格も所有。

いつも無表情で淡々と仕事をこなしている謎の多い人物。

サブじい

田島三郎。スキンヘッドに丸目のサングラスという怪しいいでたち。

行く先々でトラブルを起こすが、どこか憎めないおじいさん。

かなえにいつも怒られている。

山崎

かなえの大学時代の友人・菅野に紹介してもらった探偵。

悟の身辺調査を請け負う。

ひょうひょうとした人物。

「人をわかるってどういうことですか」

あなたは自分の一番親しい人がどういう人なのかわかりますか?

夫のことをうまく説明できなかったかなえは、山崎から言われた「人をわかるってどういうことですか?」という言葉がずっとひっかかり続けます。

「アンダーカレント」では夫が失踪した後に起こるなにげない出来事が多く描かれています。

ひとつひとつの出来事は関連がなさそうですが、ちょっとしたことがかなえの心にくさびのように刺さっていきます。

かなえの心のヒビは重なり、やがてクライマックスといえる大きな事件とリンクしていきます。

夫の失踪の謎を追いつつ、ひとつひとつ刺さっていく人間ドラマが心に響きますよ。

渋いながらも嫌味のないセリフもいいです。

まわりの人の大事さがわかる

「アンダーカレント」で救われるのはまわりの人が明るいことですね。

「夫の失踪」という重いテーマですが、コメディパートがあることで読む気持ちも軽くなります。

かなえの営む銭湯には近所のお年寄りや子どもがたくさん訪れていつもにぎやかです。

なかでもサブじいの役割は大きいですね。

トラブルメーカーとはいえ、パッと明るくなるようなキャラクターです。

「悲しいことがあっても笑わせてくれるまわりの人って大事だな」としみじみ感じますね。

かなえと堀の距離感がムズムズする

銭湯を手伝うことになったはアパートが見つかる間、住み込みで働くことになります。

若い2人がひとつ屋根の下に暮らしていることを知り、銭湯の客の間でうわさが立たないワケがありません。

かなえも徐々に堀を意識しだしてしまいます。

しかし、堀は何を考えているのかわからない様子。

2人の微妙な距離感がムズムズしてきます。

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まとめ

「アンダーカレント」は正に大人の人間ドラマを描いたマンガです。

関係なさそうな出来事がやがて一つのテーマに集約していくストーリー構成が巧妙ですね。

登場人物に隠された謎も気になります。

1巻完結なのに重厚で満足感のある展開です。

ぜひ読んでみてください。

「アンダーカレント」は電子書籍化されていないし、たぶん書店にも置いてないんですよね。

今のところネット通販などで中古で手に入れるしかないですね。

「アンダーカレント」は電子書籍化されていなかったのですが、2023年3月になって電子書籍化されたようです!書籍も重版されています!実写映画化に合わせたのは間違いないでしょう。

豊田徹也さんの作品「珈琲時間」もおもしろいですよ!

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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