1巻完結,短編集

「ゲゲゲ家族の肖像」水木しげるイズムが愉快な漫画短編集

水木しげるさんの愉快な短編を読んでみませんか?

こんにちは。きはたちです。

5巻以内の漫画や短編漫画を中心に読んでいます。

「ゲゲゲ家族の肖像」は2010年に徳間書店から発売されました。

水木しげるさんが描いてきた作品の中で家族が登場する作品を集めています。

娘さん2人のインタビュー、エッセイからの抜粋なども収録されています。

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「ゲゲゲ家族の肖像」水木しげるイズムが愉快な漫画短編集

「ゲゲゲ家族の肖像」は水木家のおもしろおかしい様子が楽しめると同時に、困難があっても負けない水木さんの矜持を学ぶことができます。

「朧車」「夢先案内猫」「姥捨株式会社」では、水木家が妖怪にかどわかされる愉快な物語です。

姉妹対談もおならで返事をするエピソードなど水木家の独自ルールがおもしろいです。

「突撃!悪魔くん」では貧乏時代の踏んだり蹴ったりのエピソードを描いています。

エッセイやコラムの中では、苦しくても腹が立っても根っから楽天的な水木さんの考え方にたくましさを感じます。

「ゲゲゲ家族の肖像」は現在、あまり出回っていないようですが、マンガは大全集や電子書籍であれば手に入ります。

文末で紹介しますね。

・収録作品等

タイトル内容初出
朧車調布の水木家周辺が妖怪にのっとられてしまう話1968年
ゲゲゲ姉妹が明かす水木家のヒミツ水木家娘姉妹の対談。水木家の思い出やルールを話す。2008年
夢先案内猫水木家に突然現れた謎の猫と水木さんのラバウルでの思い出について描いた作品。1993年
姥捨株式会社水木さんの母・琴江さんのお世話についておもしろおかしく描いた作品。1993年
突撃!悪魔くん長女出産前の水木家の極貧時代を描いた作品。1973年
借金やら、倒産で……水木しげるさんエッセイ「ほんまにオレはアホやろか」から抜粋。1978年
人生と努力月刊「在家仏教」に掲載された水木しげるさんコラム。1979年

水木しげるさんの家族

水木しげるさんの家族はしげるさん妻の布枝さん、娘の尚子さん悦子さんの4人家族です。

水木さんが漫画家としてデビューした37才ごろから晩年まで調布市に住んでいました。

「ゲゲゲ家族の肖像」背景

2010年には妻の布枝さんの自伝エッセイ「ゲゲゲの女房」がNHKの朝の連続テレビ小説としてドラマ化されました。

その後、長編映画の「ゲゲゲの女房」が上映されたり、「ゲゲゲの~」が流行語大賞に選ばれたりするなど、大きな話題になりました。

水木しげるさん一家が社会的にも注目されていた中で、本作「ゲゲゲ家族の肖像」は発売されました。

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名言「けんかはするな腹が減る」で有名な短編「朧車おぼろぐるま」

水木しげる漫画大全集 ゲゲゲの鬼太郎(4)(「朧車」収録)

「朧車」は1968年に「週刊少年マガジン」に掲載された短編です。

名言「けんかはするな 腹が減る」が出てくる作品です。

「ゲゲゲの鬼太郎」のエピソードの一つとして描かれています。

「朧車」のあらすじ

調布の水木家の周りだけに突如黒い雲が現れて、街が妖怪に占拠されてしまいます。

最初はおっかなびっくりの水木家も、妖怪が会社をやるようになった世界で、

ガス屋を「人だまプロパン」にしてみたり、新聞を「妖怪朝日」にしたりするなど、

あきらめて妖怪の世界に溶け込もうとする姿が愉快です。

水木作品のユーモア

「ゲゲゲ家族の肖像」にはユーモラスな作品が特に多いです。

水木さんの作品のユーモアはテンポのはやさにあると思います。

おばけが出てきて

「ギョ ギョーッ。」

とか

街が妖怪に占拠されたら

「ミサイルをうちこみましょう」

とか

無駄がないけど無駄がなさ過ぎておもしろいです。

「ゲゲゲ家族の肖像」では唐突すぎる展開に思わず笑ってしまいます。

水木さんと親交があった荒俣弘さんもいいキャラで出てきます。

姥捨株式会社

水木しげるさんの母・琴江さんの世話に手を焼く話です。

困った水木さんの兄弟が琴江さんを妖怪に預けてしまいます。

琴江さんはすぐ怒るし何を食べても大丈夫なので水木さんが胃怒イカルとあだ名をつけていました。

「姥捨株式会社」の中では胃怒さんは、

「パリに連れていけ!」

が口ぐせで、持っている杖ですぐに人をなぐります。

胃怒さんに翻弄されるまわりの人たちのドタバタがおもしろおかしく描かれています。

手がつけられないほどの胃怒さんの様子から、おそらく認知症だったと思われます。

母親が認知症だったら介護で悲しかったり困ったりしたと思いますが、

それすら作品にしてしまう水木さんの楽天的なセンスが光ります。

突撃!悪魔くん

「突撃!悪魔くん」のエピソードは水木さんが人気作家になる前の貧乏時代、

長女が生まれる直前の話です。

自分の作品は売れないし、出版社は倒産、

あげくの果てに国が自宅の土地を接収しようとします。

世の中に不満を募らせた水木さんは、その後、

世の中の悪をさらに強い力でくじく「悪魔くん」を生み出します。

苦しいことがあっても打ちひしがれることなく、

怒りのエネルギーに変えて作品に昇華させるのがかっこいいですよね。

まとめ

「ゲゲゲ家族の肖像」はエッセイといっても現実ばかりをえがいた作品ではなく、

逆に妖怪がたくさん出てきて現実の人間とドタバタ劇を繰り広げます。

タフな水木さんの考え方には、逆境に負けないヒントも隠されているかもしれませんよ?

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

購入について

「ゲゲゲ家族の肖像」は現在、書店に在庫がある以外は新品が出回ることは少ないようです。

「ゲゲゲ家族の肖像」に収録されているマンガ作品は講談社の水木しげる大全集で手に入れることができます。

また、ebookjapanではお得な廉価版も出ているようです。

表をのせておくので参考にしてください。

タイトル 講談社大全集(新品及び電子書籍)

価格

水木プロ廉価版(ebookjapanのみ) 価格
朧車 ゲゲゲの鬼太郎 【水木しげる漫画大全集】 4巻  3,080  鬼太郎大全集 (11) ゲゲゲの鬼太郎 4 440
夢先案内猫 不思議シリーズ〔全〕 水木しげる漫画大全集  1,650  妖怪博士の朝食 1巻 330
姥捨株式会社
突撃!悪魔くん 水木氏のメルヘン[全] 他 水木しげる漫画大全集  2,530  なし

「朧車」収録

「夢先案内猫」、「姥捨株式会社」収録

「突撃!悪魔くん」収録

電子書籍も検索してみてください。

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