こんにちは、きたはちです。
5巻以内完結のマンガや短編集をよく読んでいます。
マンガ「はなちゃんと、世界のかたち」は買って間違いないですね。
子どものころの妄想がそのままマンガになったようなストーリーで、ノスタルジックでもあり、うすら怖さもあるような作品ですね。
レトロな世界観が好きな人や、童心にかえりたいという人には特におすすめです。
はなちゃんと、世界のかたち あらすじ・作品概要
台風の日、小学生のはなちゃんは校庭のクスノキの穴に非常食として麦チョコを仕込んだ。夜、はなちゃんは嵐のなか、雨がっぱと長靴を履いて、麦チョコを食べに学校に向かう。子どもの目線から見た世界のおもしろさや不可思議さを、柔らかい線で描かれた人物と、シミや傷まで描きこむ丁寧な背景で表現した。短くも印象的なセリフにより詩的に紡ぐ物語。
文化庁メディア芸術祭マンガ部門 作品紹介ページより引用
「はなちゃんと、世界のかたち」は植田りょうたろうさんのマンガデビュー作です。1巻完結でKADOKAWA・ビームコミックスから2019年に発売されています。この作品は2020年の第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で審査委員会推薦作品に選ばれています。
小学生のはなちゃんが体験した、夢か現実かわからない出来事を描いています。
主な登場人物
はなちゃん
小学生の女の子。三つ編みを二つに結んでいる。怖いもの知らずで独特な世界観を持っている。授業をあまり聞いていないがテストと運動はできる。
猫
はなちゃんとだいたい一緒にいる猫。
先生
若い女性の先生。はなちゃんのクラスの担任。
うたちゃん
はなちゃんと同じクラスの友達。メガネをかけている。
魅力①かわいらしいキャラクター!
「はなちゃん~」のキャラクターはみんなデフォルメされています。横長のはなちゃんの顔がかわいいですよね。
極端にデフォルメされたキャラクターは湯浅正明監督のアニメ映画を彷彿とさせます。一人一人のキャラクターの表情や体の様子が、静止画なのにアニメーションを見ているように動きが伝わってきますね。
ぼくがこのマンガで一番好きなキャラクターがはなちゃんと一緒にいる猫です。目が左右非対称なのがなんともかわいいんですよね。他の猫もかわいく描かれていて、猫屋敷に忍び込む話があるのですが、一匹一匹の猫の表情から性格がにじみ出てくるようです。
魅力②ノスタルジックでリアルな背景!
デフォルメされたキャラクターに対して、背景は細かく描かれています。かといって正確無比で直線的な感じではなく、温かみのあるタッチが世界観とマッチしていていいですね。
「はなちゃん~」の時代設定は明確に示されていませんが、かなりレトロな世界観です。はなちゃんの家もいわゆる日本家屋で、丸いちゃぶ台やお風呂のタイルなどから昭和な雰囲気が漂います。登場人物が話す関西訛りのローカル感もいい味出しているんですよね。
背景でまず最初に目につくのが先生の運転するレトロな車です。
調べたところ、6~70年代のいすゞのベレットか117クーペあたりだと思いますが、存在感がいいですね。車がリアルなのに、デフォルメされた先生の顔が飛び出しているあたりのミスマッチがなんとも面白いです。
細かい背景が臨場感を与えてくれます。
魅力③怖さと子どものたくましさがいい!
「はなちゃん~」には得体の知れない怖いものが出てきます。
まず最初に出てくるのが台風です。はなちゃんは台風の嵐が吹きすさぶ夜になぜか外に飛び出してしまいます。はなちゃんは嵐の中で信じられないものを目にします。
別の話では、うたちゃんと一緒に謎の廃墟に迷い込んでしまいます。女の子二人だけで不気味な街を突き進んでいきます。
丁寧に作りこまれた世界の中で、得体のしれない存在がふいに出てくるのがうすら怖いんですよね。
しかし、はなちゃんたちはどんな世界だろうとずんずん進んでいきます。子どもならではの怖いもの知らずさがぼくたちに勇気を与えてくれます。
ボリューム感がうれしい
「はなちゃん~」は203ページで結構ボリュームがあってうれしいです。一話完結形式の5つの短編が収録されていて、一つあたりが長くて読みごたえがあるんですよね。はなちゃんの世界がたっぷり堪能できて大満足です。買って損はないのでぜひ読んでみてくださいね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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