1巻完結,短編集

『日本短編漫画傑作集(1~3)』感想 炎上!?暗く重い短編集

どうもこんにちはきたはちです。

5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。

このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。

短編大好きなぼくが待望のマンガ『日本短編漫画傑作集』1~3巻が6月30日に発売されました!おめでとうございます!

期待が高かったせいか、正直イマイチでした。傑作集と呼ぶには少々かたよったチョイス。戦争をテーマにした作品や暗く重い雰囲気の作品が多かったですね。

今回は、『日本短編漫画傑作集』1~3巻の感想を正直にまとめてみます。

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とにかく暗い!

収録作品がとにかく暗いにつきます。戦争をテーマにした作品が多いことも影響していると思います。白土三平さんの作品のタイトルはまんま『戦争』ですし、辰巳ヨシヒロさんの作品は『地獄』ですからね。

この間、『戦争×漫画』という短編集を読んだので、戦争漫画についてはもうおなかいっぱいなんですよね。「戦争がテーマの作品こそが日本の傑作短編漫画なんだ!」っていう選者の意図がみえるようで説教くさいです。

読んだ後に暗くなる短編集です。

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時代を感じる!

1巻は60年代の作品が中心に収録されています。2巻は60年代後半から70年代の作品、3巻は70年代の作品ですので、今からおよそ50~60年前の作品なんですよね。

ジェンダー観や価値観など、現代の感覚とはちょっとかけはなれているので、若い人には受け入れにくいかもしれません。

ショッキング!

ぼくがもっともショックを受けたのは石川球太さんの『ひぐま風』。北海道で起きた熊による一家惨殺事件をモチーフにしています。グロテスクで、わき上がる悲鳴に背筋がこおります。

永井豪さんの『ススムちゃん大ショック』もかわいいタイトルとはうらはらに本当にショッキングな作品です。子どもが読んだらトラウマになるでしょうね。

炎上!少女漫画は漫画じゃない?

『日本短編漫画傑作集』は6月に発売された1~3巻と7月に発売される4~6巻の全6巻ですが、ある編集者による「少女漫画は入りません」というツイートが物議をかもしました。

ぼくはジェンダー的な意味からも歴史的な意味からも少女漫画が入ってもいいんじゃないかと思います。ただ、ぼく個人としては少女漫画にそんなに興味はないですし、少女漫画自体もいい年をした男性をターゲットにしていないことは明らかですよね。

いずれにしろ、この炎上をきっかけに『日本短編漫画傑作集』に対するある種の疑念がうまれてしまったことは間違いないでしょう。作品に罪はないということだけは言っておきたいですね。

電子書籍がない

傑作集といいながら電子書籍がないのは残念なポイントです。

傑作を広く読んでもらいたいなら電子書籍化するのが相当でしょう。

おそらく掲載する作家さんの意向もあると思いますが、すこし時代錯誤ともいえるでしょう。

結論。6巻から買ったほうが良い!

結論としては6巻がおもしろそうなので6巻から読むのをおすすめしたいんですよね。

年代としても現代に近いですし、共感が生まれやすいと思います。ただ、6巻でも2000年代なので今から少なくとも十数年前の作品なんですよね。

傑作はもちろんある

1巻、つげ義春さんの『海辺の情景』。3巻、諸星大二郎さんの『不安の立像』はまさに傑作だと思います。

どちらも、どのジャンルに分けたらよいかわからないオリジナリティあふれる作品です。

ぼくが特にお気に入りなのはこの2つですが、あなたの気に入る短編がきっとあるはずです。

まとめ

というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。

『日本短編漫画傑作集』はよい作品が収録されていることは間違いないですが、暗い作品が多いということも言えるので、購入される際は注意してください。まず6巻から買ってみてから様子見するのもいいかもしれません。

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