1巻完結,短編集

「107号室通信」のアイディアがすごい!【カシワイ】

イラスト集みたいなマンガが読みたい

という方にはカシワイさん「107号室通信」がおすすめですよ。

「107号室通信」は4つのテーマに分かれていて、

それぞれのテーマにあわせて短めの短編が紡がれています。

全編カラー、セリフもすくなめで1枚1枚絵をじっくり鑑賞するようなマンガです。

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「107号室通信」の輝くアイディアがすごい!

この記事の内容はつぎのとおりです。

・カシワイさんプロフィール/本の概要

・見たことがないけど見てみたい風景を絵にしている

・作品紹介(一部)

カシワイさんプロフィール/本の概要

カシワイさんは神奈川県在住のイラストレーター、漫画家です。

小説や児童文学の挿絵や装丁画を中心に活動されています。

「107号室通信」は2016年にリイド社から発売されました。

カシワイさんにとっては初めて書籍化されたマンガです。

全編カラーで

「植物」、「収集」、「記憶」、「宇宙」

4つのテーマに分けて短編が収録されています。

一部の作品はリイド社のwebマンガサイト・トーチで読むことができますよ。

ちなみに電子書籍はないみたいです。

見たことがないけど見てみたい風景を絵にしている

デジャヴって感じたことありますか?

「107号室」の作品では、実際にはないけれどだれもが見てみたい風景が描かれています。

木漏れ日であったり、水であったりをモチーフにした、

誰かの記憶にあるような風景です。

だから、「107号室」を読んでいるとなんだか懐かしい感じがしますよ。

作品紹介(一部)

「107号室」に収録されている作品は、カシワイさんが持っている宝物のようなインスピレーションを

そのまま絵に落とし込んだような感じです。

これから一部紹介していきますね。

公園

「公園」という作品では

公園にあるジャングルジムに朝顔のツタがたくさん絡まったようすを描いています。

ジャングルジムの中に入ると、

朝顔の葉からわずかな木漏れ日がこぼれてきます。

木漏れ日のぼやけた影の表現と

朝顔の葉の鮮やかな緑がとても素敵な作品です。

こんなジャングルジムがあったら一度入ってみたいと思いますよ?

「ハウルの動く城」に出てきたと思うのですが、

ハウルの家のドアのダイヤルを回すといろんな町につながっているシーンありますよね?

もしあれが窓だったら、というのが「窓」という作品かもしれません。

大きな部屋の壁にたくさんの窓があって、

季節も時代も全部バラバラな世界につながっています。

いわば「どこでも窓」のような感じです。

一つ一つが動く絵画のようです。

それぞれの窓の外には時間の流れがあり、広がりやにおい、音にあふれています。

こんな家があったら住んでみたいと思うんじゃないでしょうか。

回遊

「回遊」という作品は葛西臨海水族園の大水槽をモチーフにしています。

葛西臨海水族園の大水槽のマグロは

ドーナツ状の水槽一面にマグロが泳いでいてとても幻想的なのですが、

あるとき突然大量に死んでしまって、どうしたのかなと心配になりました。

みなさんは気になりませんでしたか?

マグロたちはちゃんと天国にいけたのかなと思いをはせるような作品になっています。

採掘

またジブリになっちゃうのですが「天空の城ラピュタ」で、

洞窟で石をたたいて光るシーンがありますよね?

「採掘」という作品はそのシーンを連想させます。

山で採ってきた石を夜の街で鳴らすと、

透き通った音と、ほのかな青い光が現れます。

そんな石があったら素敵ですよね。

乗り合わせ

あなたは地下鉄に日常的に乗りますか?

私は地方に住んでいるので乗らなくなってしまいました。

「乗り合わせ」は「地下鉄に乗っていると宇宙を旅をしている気がする」

というちょっとした非日常を描いています。

聞き取れない電車のアナウンスがうまく表現されていると思いました。

子どもの頃は窓の外に流れる広告や蛍光灯の光を不思議に思って目で追っていたものです。

いつも乗っていたら忘れてしまいがちな感覚が作品になっています。

天象儀の夜

「天象儀の夜」はプラネタリウムをモチーフにしています。

プラネタリウムってアナウンスがあって真っ暗になる瞬間がまるで異世界に来たような気分になるんですよね。

「天象儀の夜」では、文字と絵でプラネタリウムの空気感を演出しています。

プラネタリウムのアナウンスを吹き出しではなく文字で表現しているあたりは、

高野文子さんの「黄色い本」を思わせます。

読めばきっとプラネタリウムにいきたくなりますよ?

停留地

「停留地」は死後の世界を描いています。

死後の世界ってどんなところか考えたことがありますか?

この作品、「停留地」での死後の世界はどうやら月のようです。

月から出ているバスに乗ると、もう二度と戻ってこられないところに行ってしまいます。

ほかの作品とも少しタッチを変えて、静かで幻想的な世界を描いていますよ。

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まとめ

「107号室通信」の作品は頭に浮かんだイメージをそのまま紙におこしたような漫画ですね。

一つ一つの作品は非常に短いんですが、忘れかけていた気持ちを思い出させてくれるような作品になっています。

ざらっとした装丁とちょっとクリームがかった紙にのった色が優しく感じます。

フルカラーで一枚一枚の絵を楽しみたい人におすすめですね。

ぜひ読んでみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

hontoでも検索してみてください。

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