どうもこんにちはきたはちです。
5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。
このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。
『日本短編漫画傑作集』4~6巻が7月30日に発売されました!おめでとうございます!
1か月前に発売された1~3巻に続き、感想をまとめていきたいと思います。
結論からいうと、6巻から買っていくことをやはりおすすめします。
『日本短編漫画傑作集』ってどんなマンガ?
珠玉の短編で綴る少年青年漫画の歴史!
選者にいしかわじゅん、江口寿史、呉智英、中野晴行、村上知彦、山上たつひこ(五十音順)の6氏を迎え、日本の少年青年漫画を彩った幾多の短編の中より選び抜いたアンソロジーを編年体でお送りします。第6巻は90年代から2000年代へ!青山剛昌、藤田和日郎、松本大洋、真造圭伍などの知る人ぞ知る短編を収録!
【編集担当からのおすすめ情報】
いしかわじゅん、江口寿史、呉智英、中野晴行、村上知彦、山上たつひこが選んだ珠玉のアンソロジー。一筋縄ではいかない選者達がこれでもかと選んだ短編達。他ではなかなか見られない少年青年漫画の多様性をお楽しみください。
『日本短編漫画傑作集』6巻 Amazon詳細ページより
『日本短編漫画傑作集』は1960年代から2000年代までの作品が年代順に収録されています。
4~6巻は戦後の暗い雰囲気から年代が進んで、ギャグやSFなど、子どもたちがワクワクするような作品が多くなってきました。そうはいってもやはりひねりのきいたチョイスになっていますね。
4~6巻に収録されている作品でおもしろかったものを紹介していきます。
4巻収録作品
『遠い呼び声』星野之宣
SFマンガの巨匠、星野之宣さんの作品。
農村の少女の物語と思いきや、突然、空にUFOがあらわれます。
映画『インターステラー』を思わせる、宇宙と次元をテーマにした作品です。
豊かな発想とロマンチックな一面がみられるSFです。
『宇宙船製造法』藤子・F・不二雄
言わずと知れた藤子・F・不二雄さんの作品。
『ドラえもん』とは違い、シリアスな作品になっています。
約10名を乗せた宇宙船が無人の星に不時着。宇宙船も壊れ、もはや地球に戻れる可能性はうすい。やがて、乗組員同士で仲間割れがはじまります。
SFですがサスペンス的な要素もありますね。
『藤子・F・不二雄SF短編集<PERFECT版>』の5巻に収録されています。
『力道山がやってきた』はるき悦巳
『じゃりン子チエ』のはるき悦巳さんの作品。
戦後の貧しい時代の中で、明るくたくましく生きる少年を描いています。
暗いだけでもなく、明るいだけでもないストーリー。
「子どもの頃にわからなかったことも、大人になって考えるとわかる」ということがしみじみ感じられます。
5巻収録作品
『夜行』泉昌之
夜行列車にのる男が駅弁を食べるというだけのストーリー。弁当一つに対する細かすぎるこだわりが笑えます。
こちらは『世にも奇妙な物語』で『夜汽車の男』として大杉漣さん主演で実写化されたこともあります。
『孤独のグルメ』のもとになったともいえる作品です。
『北のサムライ』谷口ジロー
『孤独のグルメ』の作画でも知られる谷口ジローさんの作品。関川夏央さんとの共作です。19世紀末、択捉島に向かう日本軍の探検隊にある老人が同行することになります。
体が大きく、静かで落ち着いた謎の老人。
物語が進むにつれ、その正体が明らかになってきます。
歴史ロマンを感じさせる作品です。
6巻収録作品
『プレイイットアゲイン』青山剛昌
孫娘にうとまれがちな剣道の師範代のおじいちゃん。
そのおじいちゃんがひょんなことから若返り、かっこいい少年剣士に変身します。
バトルあり、ラブコメあり。「これぞ少年マンガ!」っていう感じの作品です。
正直、青山剛昌さんの作品は『名探偵コナン』よりも『YAIBA』のほうが好きなんですよね。
『SNOW BLIND』すぎむらしんいち
雪の中に取り残された女性。毛皮のコートに短いスカート。
そこへ一人の小学生が通りかかります。
周囲に転がる死体。
ただならぬ状況ながら、どこか滑稽なシチュエーションです。
短編映画のような巧妙なシナリオの作品です。
『リリーフ』あだち充
野球漫画といえばあだち充さんですよね。
主人公は補欠のメガネくん。主役要素が少なそうな彼ですが、だんだんと過去が明らかになるにつれ、ドラマチックなラストをむかえます。
謎の美少女、監督、一見乱暴そうなエースピッチャー。
様々な人の言葉や行動が、主人公を変えていきます。
なぜ6巻から読むのがおすすめ?
6巻から読むのがおすすめの理由は、子どもでも親しみやすい作品が多めだからです。
ちょっとエッチな作品もあるので完全に子ども向けでもないですが、入り口としては最適な少年マンガが収録されています。
巻をさかのぼることに、よりマニアックに、ディープになっていく全6巻になっています。
結論。もっと子ども向けを多く!
全6巻をとおして、思うのはもっと子どもや若者が楽しめる作品を収録してほしかったですね。
最近の作品も60年代の作品も同じ数だけ収録されているのですが、今の若い人たちが古い作品を読んでもあまりピンとこないと思うんです。
若者たちに「こんなマンガがかいてみたい!」と思わせるようなマンガこそが、今後語り継いでいく作品でしょう?
大人もマンガを楽しむようになって久しいですが、マンガは子どもや若者のものでもあることを忘れないでほしいです。
まとめ
というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。
いろいろと書きましたが、『日本短編漫画傑作集』は日本のマンガの歴史を振り返れる貴重な作品集になっています。ぜひ読んでみてくださいね。
このブログではマンガにまつわる様々な情報を紹介していきます。
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