和山やまさんの『夢中さ、きみに。』は、2020年、
第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞、
「このマンガがすごい!2020」オンナ編2位、
第24回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した漫画短編集です。
表紙はジトっとした目をしたメガネの男子学生―。
「汗だくでなんかキモい」
「オンナ編?そんなの男が読んでおもしろいの?」
なんて思うかもしれませんが、このマンガ、読後の清涼感が非常にさわやかなんです。
この記事では漫画『夢中さ、きみに。』の魅力と謎多き作者、和山やまさんに迫っていきたいと思います。
和山やま『夢中さ、きみに。』黒歴史!男子高校生が尊すぎ?
こんな内容になっています。
・概要
・うしろの二階堂 あらすじ
・変顔がリアル
・学校に必ずいた「変な子」がリアル
・青春を感じる
・和山やまさんプロフィール
概要
『夢中さ、きみに。』はKADOKAWA・ビームコミックスから
2019年に出版されたマンガです。
短編集ですが、前編4話と後編4話になんとなく分かれた構成になっています。
舞台は高校で、男子高校生が話の中心です。
男子が男子にちょっとした好意を寄せる場面もあって、女性はキュンキュンしちゃうかもしれませんよ?
男性同士の恋愛まではいきません。
笑えるシーンもたくさんあって、もちろん男性が読んでもおもしろいですよ。
うしろの二階堂 あらすじ
「夢中さ、きみに。」の後編4話は「うしろの二階堂」というシリーズになっています。
あらすじを紹介しますね。
二階堂明。メガネでいつも暗い男子高校生。
不良やパリピからも忌み嫌われている。
いつも下を向き、しゃべるところすら誰にも見られたことのない二階堂。
彼に関わると、階段から転げ落ちたり、テストの点が悪くなったりという噂が流ている。
そんな二階堂の前の席になってしまった目高。
いつも二階堂が後ろにいる―。
目高にはどんな災いが起こってしまうのか。
やがて、目高は二階堂の恐るべき秘密を知ることになる。
変顔がリアル
作中で変顔がたくさんでてきて笑えるんですよね。
その変顔がリアルな変顔なんです。
変顔がリアルなだけではなく、服のしわや手の描写などデッサンが写真のようです。
よくみてみると顔だけはちょっとデフォルメされていて、でもリアルっていう絶妙なラインを攻めてるんですよね。
学校に必ずいた「変な子」がリアル
学生の頃を思い返してみてください。
「あの子ちょっと変だった」
「あの頃はちょっとイタイことしてたな」
と思うことがありませんでしたか?
人に変なちょっかいだしてみたり、廊下の隅で一人で体育座りしてる子がいたり―。
「夢中さ、きみに。」ではそんな「変な子」をリアルに描いています。
「変な子」はただのマンガのギャグ要素のキャラクターじゃなくて、変な子なりに考えがあってやっている感じがよくでてるんですよね。
青春を感じる
「夢中さ、君に。」はコメディとしてただ面白いだけじゃなくて、友情とか好意とか青春を感じさせるようなストーリーになってるんですよね。
だから読んだ後に清涼感があるんです。
学生時代にこの作品を読めた人は非常にラッキーだと思います。
自分の学校や今の生活が、きっといとおしくなってくるんじゃないでしょうか。
わたしも学生時代は結構イタイ感じでしたが、過去の自分に
「それでいいよ」
と言ってあげたいと思います。
「・・・今のうちは、な」って。
和山やまさんプロフィール
和山やまさんは沖縄県の糸満市出身の25歳。
東京工芸大学芸術学部マンガ学科を卒業されています。
大学在学中にマンガ新人賞に入選し、読み切りで初の雑誌掲載をされますが、
その後は連載がなかなか決まらず、苦労したようです。
息抜きに収録作品の「うしろの二階堂」をpixivに投稿したのはその頃。
純粋に漫画をたのしむ気持ちが何より強く、それが多くに読者に伝わった結果が今の評価に至っているのだと思います。
まとめ
「夢中さ、きみに。」は高校生のリアルな日常が描かれていて、コメディ作品ながらも青春を感じさせられるようなストーリーになってるんですよね。
めくるめく男子の世界にひたってください!
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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