2~5巻以内完結

野田彩子「わたしの宇宙」はメタフィクション漫画の名作!?2巻完結

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「とんでもないマンガを読んでしまった」と思いました。

こんにちは。きたはちです。

5巻以内完結のマンガや短編集をよく読んでいます。

この記事では、野田彩子さんのマンガ「わたしの宇宙」のあらすじやみどころを紹介します。

野田彩子さんは「ダブル」が2020年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した注目の漫画家さんです。

「わたしの宇宙」はメタフィクション好きにおすすめしたいマンガですね。

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「わたしの宇宙」 あらすじ

中学生の星野宇宙うちゅう、その双子の弟の真理しんり、そして津乃峰つのみねアリス

彼らは2年生になった。

しかし、次の日から宇宙は学校に来なくなった。

このマンガはそんな風にはじまる。

そして、自分たちはマンガの登場人物だということを彼らは知っている。

これはそういうマンガ。

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登場人物

星野宇宙

長髪で暗い少年。

このマンガの主人公。

星野真理

宇宙の双子の弟。

宇宙や津乃峰とは別のクラス。

宇宙とは反対に過剰なまでに明るく、社交的。

津乃峰アリス

祖母がフランス人のクォーター。

宇宙の隣の席になる。

このマンガのヒロイン。

祖谷いや毅士つよし

宇宙、津乃峰のクラスメイト。

皆には見えない化物の存在に怯えている。

才見さいみ千代子

同じくクラスメイト。

祖谷のことが好き。

野田彩子さんはメタフィクション好き?

野田彩子さんは1987年生まれ、漫画家デビューは2011年です。

「わたしの宇宙」は野田彩子さんの初連載作品です。

現在連載中の「ダブル」は天才役者とその相棒の話です。

おそらく、野田さんはもともとメタフィクションに興味があったんじゃないかと思います。

インタビューで野田さんは演劇好きな一面をのぞかせています。

私も演劇に携わった経験があるのでわかりますが、演劇は観客と役者の距離が近いので、観客として見ているとそのうち舞台に上がってしまいそうな気がしてくるんですよね。

そういう意味で演劇は、現実と虚構との境界があいまいなエンターテイメントだと思います。

一方、マンガはストーリーを通して読者が作り手(漫画家)の内面を覗き見るようなエンターテイメントです。

野田さんの作品の「ダブル」も「わたしの宇宙」も、現実と虚構、読者と作り手の境界に焦点を当ててるんですよね。

野田さんの中に、「フィクションとは何か?」という探求心が少なからずあるんじゃないでしょうか。

魅力①フキダシが見える!?

「わたしの宇宙」の登場人物は自分がマンガの登場人物であることを自覚しています。

それを表現するためにこのマンガでは、「登場人物がフキダシが見えるようになる」という方法をとっています。

「なんて新鮮な表現なんだ!」と思いましたね。

見えるどころかフキダシに触ることさえします。

ギャグや短編ならあり得ますが、長編でやるのがすごいですね。

登場人物が「マンガとは何か、どういうものなのか」を語り出す展開は、今までにない世界にトリップさせてくれますよ。

魅力②緊張感がいい!

「わたしの宇宙」は基本、シリアスなストーリーですが、ところどころにユーモアのあるシーンが散りばめられているので飽きさせません。

言葉が聞こえないシーンでは、かりんとうを食べる「ボリボリ」という描き文字がフキダシにかぶって、「セリフが聞こえないんじゃなくて『見えない』んだ」と説明するところとか、

才見さんが祖谷くんに恋をしているシーンでは、本当に花が咲き乱れてそれが目に入ってしまうとか、

見せ方よってはギャグマンガのような展開なんですよね。

それでもちゃんとストーリーものとして成立してるのは緊張感があるからです。

祖谷くんという登場人物がその緊張感の一端を担っています。

祖谷くんは自分のいる世界がマンガであることに気づきはじめるんですが、頭がおかしくなりかけてしまいます。

祖谷くんには狂気じみた怖さがあるんですよね。

ユーモアを入れつつ、破綻させない緊張感があるのがこのマンガのすごいところです!

魅力③2巻でさらにぶっ飛ぶ!

「わたしの宇宙」は2巻完結なんですが、2巻の導入がまさかの展開なんです!

「わたしの宇宙」というマンガそのものにメスを入れるような展開です。

Amazonの試し読みで読めちゃいますが、読まずに買ってから読んだほうがいいですよ~。

Amazonの評価はイマイチ…

「わたしの宇宙」はAmazonでは星が3つくらいでイマイチの評価なんですよね。

レビューを書いている人も論調はほめていたりして中程度の評価の理由があんまりわからないですね。

私は本当に楽しかったのでみんなにおすすめしたいです。

ハマる人にはハマるって感じなんですかね?

まとめ

「わたしの宇宙」はメタフィクションを描いたマンガの傑作です!

新鮮な表現と散りばめられたユーモアで飽きさせないですし、全体を通しての緊張感がいいですよ!

メタフィクション好きにはたまらない作品になっています!

「わたしの宇宙」は2巻完結で、単行本、電子書籍が小学館・IKKI COMIXから発売されています。

おすすめですのでぜひ読んでみてくださいね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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参考:

俳優 津田寛治インタビュー[漫画 ダブル連載記念企画]

俳優 津田寛治インタビュー[漫画 ダブル連載記念企画] | 月刊ヒーローズ/コミプレ
『ダブル』は「役者が主人公の漫画」ということで、実際に演技の現場で活躍されている方々に取材をさせて頂いています。今回お話を伺ったのは、北野映画や人気ドラマ『9係』シリーズでお馴染みの、俳優・津田寛治さん。ヒーローズの読者

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