1巻完結,短編集

古屋兎丸はなぜ漫画家になったのか?『1985年のソドム』

こんにちは。今回は、最近読んだ古屋兎丸さんの自伝的エッセイ漫画『1985年のソドム』についての感想をシェアしたいと思います。この漫画は、著者が自身の人生や経験を綴り、挿絵やコマ割りを交えて表現されています。その深みに触れることができ、多くの感動や気づきを得ることができたので、ぜひおすすめしたい一冊です。

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古屋兎丸はなぜ漫画家になったのか?

古屋兎丸さんといえば、ダークでアングラな作風で有名です。『ライチ光クラブ』や『女子高生に殺されたい』など、残酷ながら美しい描写が魅力です。そんな彼がどんな青春時代を送ったのでしょうか?

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ごく普通の少年時代

本書の最大の魅力は作者の素直なストーリーテリングです。彼は東京八王子のごく普通の少年として育ちました。アングラな作風が特徴の作者ですが、ぼくたちと変わらない一般的な環境で育ったことに共感を覚えます。

田舎から抜け出したい

早くここから出ないと・・・ここにいたら僕は死んでしまう!

『1985年のソドム』より

彼はある頃から、故郷から出たいという思いを抱くようになりました。
この思いこそが後の彼の道を決定づけたのではないかと思います。

1980年代の若者文化

成長するにつれ、彼の周りには異質な人物が現れます。トガっているけどセンスのある中学時代の先輩、インディーズバンドのライブに一緒に行った美術予備校の同窓生。その他にも彼の生きた1980年代の若者文化が、鮮やかに描かれています。YMO丸尾末広東京グランギニョル。当時のカルチャーを彼とともに歩み、感じることができます。周囲の影響を受けながらも、彼は素直に育ちます。

表現に対する意欲

彼は美術大学に進学します。最初は絵画から入りましたが、やがて、造形物や身体表現の道へ進むようになります。
現在漫画家として活動する彼ですが、色々な影響を受けたり、色々な表現方法を試してきたからこそ漫画家としての彼があるのではないでしょうか?

ありふれた若者

言ってしまえば彼はありふれた若者だったかもしれません。田舎から抜け出したくて、かわいい女の子に憧れて、キラキラした学園生活を送り、時に表現活動に没頭したい。そんな誰にでもあてはまるような願望をもった若者だったのです。それでも彼が特別な存在になれたのは、その素直さが理由なのではないでしょうか?ダークでアングラな作風の彼ですが、その根本には実直な人柄が感じられます。

まとめ

総じて、この自伝的エッセイ漫画は心に残る読書体験でした。人生の洞察が、絵と言葉を通じてじっくりと鑑賞できることは素晴らしいことです。また、表題作の他にも、3つの魅力的な短編がおさめられています。ぜひ、この作品に触れ、著者とともに心の旅路に出かけてみませんか?

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