2~5巻以内完結

『ベルリンうわの空』完結!あなたの人生変えちゃうかも!?【感想】

どうもこんにちはきたはちです。

5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。

このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。

香山哲さんのマンガ『ベルリンうわの空』の完結となる『ベルリンうわの空 ランゲシュランゲ』が11月8日に発売されました。

この記事では、『ベルリンうわの空』の魅力を紹介します!

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『ベルリンうわの空』ってどんなマンガ?

ドイツ、首都ベルリン。ベルリンといえば、壁、ビール、ソーセージ。だけじゃなくって、様々な文化、様々な人々…、パリや東京とも並ぶ国際都市だ。そんな街で僕は…、僕は…、あんまり何もしていない! ベルリンという街に「なんとなく」で移住してしまった僕は、派手な観光も、胸躍る冒険もなく、ただ毎日を平凡に過ごしている。そんな僕を人はいつも「うわの空」だというのだけれど、僕なりに、些細だけれども大切なものを集めている。 ベルリンでぼんやり生きる僕の生活の記録と、街から得られる空想と、平凡な毎日ゆえに楽しめる、ちょっと小さな冒険の書。

『ベルリンうわの空』 Amazon詳細ページより

まず目につくのがこのかわいらしい絵。直線的で太い線。二色刷りの絵。どことなく外国の絵本のようです。

体は人だけど、顔はイヌっぽいキャラクター。それが作者であり、主人公の香山哲さんです。他の登場人物もなんとなく動物っぽかったり、宇宙人っぽかったりします。人種や国籍の違いを香山さんなりに解釈してデザインしたのでしょうか?

このマンガは、ドイツ・ベルリンの料理や名所を紹介するわけではなく、ベルリンに住む人たちのやさしさ、考え方などを感じることのできる作品になっています。実際の出来事とフィクションをミックスさせているのがおもしろいですね。

日本も成熟した社会ではありますが、もっと違う価値観もあるんだなとハッとさせられます。

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登場人物

漫画家。5年前にベルリンにきて以来、やさしい人々や広告の少なさなどにひかれて住みはじめた。

サラ

アメリカ人(?)のライター。ネコっぽい。

スタン

ウクライナから来たデザイナー。ネズミっぽい。

ロイド

いろんな仕事を転々としている。ザウガという犬を飼っている。花っぽい。

エーリヒ

どこかで長く働いている。機械っぽい。

セダ

クイズ作家。英語もドイツ語もあまりできない。パソコンのモニターっぽい。いつの間にかいなくなってしまった。

人にやさしい街・ベルリン

このマンガを読むと、ベルリンの街のやさしさにびっくりするはず。やけを起こしている人や、落ち込んでいる人がいると、すすんで話しかける。知らない人でもあいさつする。あいさつだけではなくて、簡単な会話もする。本当にそんな人たちいるんでしょうか?もし、そんな人ばっかりだったら、きっと世の中はもっとよくなることでしょうね。

ベルリンには多様な国籍の人が住んでいます。共通の苦労をした人もたくさんいるので、それをわかっているからこそ人にやさしくなれるのかもしれません。

そんなやさしさが街にもあらわれています。スーパーマーケットにはリサイクルマシーンがあるし、どぎつい広告も少ない。何かを売って得するよりも、人にやさしくあることを重視しているようです。

お金だけがすべてではないことは私たち日本人もわかっています。そうは言えども、お金を稼ぐことは必要だし、まじめに働かなきゃいけないし、失敗しないようにしなければいけない。お金があればあるほどいいし、いつかはいい家に住んで、おいしいものを食べ、おしゃれをして、旅行にも行きたい。お金が一番大切。そのためには仕事をつづけなければいけない。それが日本の常識。

でも、ベルリンはちがうみたいです。お金が一番ではありません。仕事もその人のすべてではありません。人にやさしいことが大切。競争ではなく、調和が大切。必要なくなったものは必要な人にあげる。街には自由に本を置いたり、持って行けたりする本棚があります。いらないものを置いておいて必要な人が自由にもって行ける箱もあります。ホームレスのために、駅には横になれるスペースがあります。必要なことだけにお金をつかって、弱者にはやさしい。だれもが政策や社会の取り組みについて考え、話し合う。まさに理想郷です。

「そうはいっても、物価が高いんでしょ?」

ぼくもそう思っていました。たしかにレストランは高いみたいです。でも、スーパーで売っている野菜や肉はそうでもない。自炊して生活する分には必要十分。ビールが安いのがぼくにとってはうれしいですね。

日本では安いものがドイツでは高い。逆に、日本では高いものがドイツで安いこともあるみたいです。どれを安くして何を高くするかというのは、国の政策や国民性によるのかもしれませんね。

この作品の中で印象に残ったのは、なにが高くてなにが安いかを決めているのは、その国の政治が決めているのではなく、政治家が変わっても変わらない、国民性のようなものが決めているという部分です。香山さん自身も外国に住み続けることによって、ベルリンならベルリンの街の雰囲気に溶け込み、価値観も変わり続けています。ぼくはこの作品を読んで、外国に住むことを少しわかった気になっていますが、きっと、香山さんにしか見えない景色があるんだろうと思います。ぼくは日本を離れたことがないけど、もしかしたら香山さんの見ている景色が少し見えたかもしれないし、これからぼくも外国に住むかもしれない。思うだけなら自由ですからね。とにかく、香山さんはベルリンが本当に好きなんだなということと、ベルリンの表面的ではない魅力をすこし知れた気になれた作品でした。

セダのゆくえと謎のシール

この作品には、セダという人物がでてきますが、途中でみんなの前から姿を消してしまいます。ストーリーのもうひとつの軸となるのが、セダのゆくえ探しです。

その話とは別に、香山さんは街のあちこちに貼られている謎のシールに興味をひかれます。

「もしかしたら、シールの謎を解けばセダにたどりつけるのではないか?」

最初は楽しく集めていたシールですが、だんだんと探求心のほうが膨らんでいきます。少しだけ謎解きっぽい要素もあるのがこの作品をおもしろくしている一つの要素です。

まとめ

というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。

『ベルリンうわの空』はベルリンの魅力がつまっているだけではなくて、あなたの今後の価値観を変える作品になるかもしれません。ぜひ読んでみてくださいね。

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