どうもこんにちはきたはちです。
5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。
このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。
『藤本タツキ短編集 17-21』が10月4日に発売されました!おめでとうございます!
この記事では、『藤本タツキ短編集 17-21』の感想をまとめてみました。
『藤本タツキ短編集 17-21』ってどんなマンガ?
『チェンソーマン』を生んだ鬼才・藤本タツキの原点! 漫画賞初投稿作『庭には二羽ニワトリがいた。』から、思春期の熱情が暴走する『佐々木くんが銃弾止めた』、迸る恋心が全てを蹴散らすSFラブコメ『恋は盲目』、ネジがぶっ飛んだ殺し屋少女の恋『シカク』まで――剥き出しの圧倒的才能が炸裂する、初期短編集!!
『藤本タツキ短編集 17-21』 Amazon詳細ページより
今と比べれば、確かに絵は上手いとはいえない。それどころか、これより上手くかける人はたくさんいると思います。しかし、勢いがあります。
絵の精度も、ストーリーの精度もまだ荒削りですが、パワーはある。コントロールよりもパワー系の剛速球投手という感じでしょうか。
なぜ藤本タツキはインパクトのあるマンガがかけるのか。その原点がこの1冊の中にあると思います。
庭には二羽ニワトリがいた。
朝。目覚まし時計がなりひびく。
ねむけまなこで起きたのは、男の子ではなく、まさかの宇宙人!?
学校の生徒たちも、顔が二つあったり、角が生えていたり。
そして、ニワトリの飼育小屋で待っていたのは、着ぐるみを着た人間…。
この作品は藤本さんが大学入学前、はじめてかいたマンガ作品です。
もちろん、今とは比較にならないですが、はじめてにしてはうますぎます。
筋肉の描写にはリアル感があり、吹き出しや効果線がさまざまに使われています。
そして、ショッキングなストーリーとどんでん返し。
藤本さんは最初から攻撃的な作風だったことがわかります。
この作品を書いた当時は東日本大震災で藤本さん自身の大学の入学が延期になったそうです。
今の若い世代は、震災やコロナなど、思いもよらない災難に見舞われてきました。凄惨な事件もたくさん起こりました。藤本さんの作品にも、突然の脅威がおそわれるシーンがたくさんあるように思います。それは、突然の脅威にも負けたくないという気持ちの裏返しではないでしょうか?
この短編集を読んでいると藤本さんがマンガをかくモチベーションのようなものが少しわかるような気がしてきます。
佐々木くんが銃弾止めた
かわいい女教師・川口先生を神とあがめる佐々木くん。
いつもどおりの授業中、突然、銃を持った男があらわれます。
そして、佐々木くんが銃弾止めた。
言葉だけで説明するとそれだけのストーリーですが、絵の迫力でテンションをあげてくれます。
突然の凶悪犯の登場。『ルックバック』と通じるものがありますよね。
ラブコメチックなところがありつつ、ぶっ飛んだ展開が藤本さんらしいです。
恋は盲目
生徒会長の伊吹は今日こそユリに告白すると決意した!
しかし、伊吹をさまざまな障害が待ち受けます。
非常にシンプルなストーリーですが、待ち受ける障害がメチャクチャ!
この短編にも凶悪犯が出てきます。
この作品はジャンプSQ.編集部から「16Pでできることを31Pでやっている」と指摘された逸話があります。
短い物語を多くのページを使って表現する藤本さんのスタイルは、その後の作品でもうけつがれているのがおもしろいです。
シカク
天真爛漫ながら天才殺し屋でもある少女・シカク。
そんな彼女の前に、殺しの依頼が舞い込みます。
「俺を殺してみろ」
頭にナイフを刺しても、頭を吹っ飛ばしても死なない男・ユゲル。
二人の出会いが化学反応を起こします。
構図や女の子の見せ方などが進化していることがわかります。
藤本タツキに興味ない人は買わなくてもいい!?
藤本タツキさんのマンガを読んだことがない人にはあまりおすすめはしないです。『チェンソーマン』や『ルックバック』に比べれば、レベルが違いますからね。『チェンソーマン』がなかったら世に出なかった短編集だと思います。
『チェンソーマン』などを読んで、そのルーツが気になる人に向けた一冊です。
まとめ
というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。
『藤本タツキ短編集 17-21』は藤本タツキさんのルーツやマンガをかく上でのモチベーションに少し触れられる気がする一冊になっています。マンガをとにかくかき続けて、洗練させた結果が『チェンソーマン』であり、『ルックバック』だと思うと感慨深いですね。
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