どうもこんにちはきたはちです。
5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。
このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。
日暮キノコさんの短編集『特異なあのコ』が８月２３日に発売されました。
４年に１度しか年をとらない女の子、胸がワンコの女の子、恋をするとお花が咲いちゃう女の子など特異な体質をもった女の子の物語。かわいくてホロりとくる秀逸な短編集です♪
この記事では、『特異なあのコ』の魅力を紹介します！
『特異なあのコ』ってどんなマンガ？
大ヒット作『喰う寝るふたり 住むふたり』の著者で、連続ドラマが放送される『個人差あります』をモーニングで連載していた日暮キノコ氏。ネットで大きな評判を生んだ『０２２９』をはじめに、著者が描いた「特異」な人たちを集めた、心揺れる短篇集！！
『日暮キノコ短篇集 特異なあのコ』 Amazon商品ページより
現実にファンタジーを混ぜるのがうまい♪リアルと虚構の間の絶妙なラインをついてきます。
初期の短編も最近の短編もそれぞれに読みごたえがあって、短編集として完成度の高い一冊なのでおすすめです！
収録作品
- ｉｎｕカップ
- 0229 ～ スロウリィ・ロング・ライフ ～
- ふかいキス
- 恋愛系お花体質
- 充電彼女
全184ページでボリュームとしては十分。
すべて女の子が主役で恋愛の話ですが、それぞれに味わいがちがう作品になっていて飽きさせません♪
収録作品を一部紹介します♪
ｉｎｕカップ
中学生の聡子は同じクラスの秋長くんが好き。
ある日、秋長くんから告白されてしまった！まさかの両想い。
でも、聡子の胸は犬の形をしているのだった…。
「『胸が犬の形』ってなんだよ」
って思うかもしれませんが、だってそうなんだからしょうがない。
聡子は左右それぞれの胸が子犬の柴犬の顔になっているのです！
しかも、生きていて、興奮するとかんだりします。
「ここからどうやって展開するんだ」
と思いましたが、意外にもホロりと泣ける感動作になっています。
0229 ～ スロウリィ・ロング・ライフ ～
２０１９年、冬。
閏子は来年、年をとる。
２月２９日うまれの閏子は４年に１度しか年をとらない。
１１１年たった今でも見た目は２０代のまま…。
４年に１度しか成長しないなんて実際にはありえないことですよね。
子どものころは「うるう年生まれの人はどうするんだろう」なんて考えたものです。
でも、もし本当に４年に１度しか年をとらない人がいたら？
まわりの知っている人たちがどんどん年をとってゆき、次々と亡くなっていく。
そんな状況だったら、閏子のように人との関わりを極力避けて生きていくかもしれません。
この作品をTwitterで読んでから、不思議と心に残っていました。
この作品がまさか収録されているとは思わずに購入したので、思わぬ再会がうれしかったです♪
似たような話はありますが、この短編は、「恋愛の距離感」をていねいに素直にえがいているのが非常に好感をもてました。
初期と最近で作風が違う！
「ｉｎｕカップ」、「0229」、「ふかいキス」はいい意味でクセのない絵柄。「恋愛系お花体質」と「充電彼女」はわかりやすく少女漫画。
前半と後半で絵柄が違うのが楽しいです♪
それぞれ、少女漫画誌の「別フレ増刊号」、「モーニング」や「ヤングジャンプ」などの青年誌に掲載されているので、読者に合わせているのかもしれませんね。
リアルとファンタジーのバランス！
日暮キノコさんの短編はとにかく現実とファンタジーのバランス感がちょうどいいです♪
少女漫画であってもただの少女漫画ではなくて、体にお花が生えてきたり、手をつないでいないとエネルギーが切れてしまったりと、発想はむしろ少年誌のようで、そのミスマッチさが面白い♪
「ｉｎｕカップ」で意表をついたかと思ったら、「0229」でしっとりと。
ちょっとした違和感を混ぜこんで。
『もし本当にこんな子がいたら？』
『こんな病気があったら？』
時におもしろおかしく、時にまじめに。
衝撃的な展開があるとか、展開がめまぐるしいとかではなく、素直に「いい話」と思える短編です。
まとめ
というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。
『特異なあのコ』はすべて女の子の恋愛話ですが、ちょっとした違和感があっておもしろい、でも、素直にいい話と思える短編ばかりです♪ぜひ読んでみてください！
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