ただの日常系じゃないところが魅力的!
『よつばと!』は本来の意味での「日常系」にはあてはまりません。
「日常を描いてるのに『日常系』じゃないってどういうこと?」
とあなたは思うかもしれませんが、これには理由があります。
「日常系」、「空気系」という言葉を生み出したのは、あずまきよひこさん自身の作品『あずまんが大王が最初だといわれています。
『あずまんが大王』の内容は女子高生たちを中心とした4コマ形式のコメディー。
『あずまんが大王』をはじめとした日常系作品の特徴をまとめると、つぎのようになります。
本来の「日常系」
・若い女の子たちが主役
・日常を描いている
・主に学校が舞台
・時間変化がほぼない
例)『らき☆すた』、『けいおん!』、『Aチャンネル』など
例としてあげた作品からもわかる通り、「日常系」という言葉は、
マンガではなくアニメ作品から発信された言葉なのです。
対して、『よつばと!』は日常を描いた作品であるものの、
学校が主な舞台ではありません。
綾瀬家の3姉妹や、その友達の女の子はかわいく描写されていますが、
女の子だけではなく、とーちゃんやその友だちといった男性の登場人物も
重要な役割を演じています。
アニメ化もされていません。(作者のあずまさんの意向だといわれています)
一方で、日常を描いていて時間変化がなく、かつアニメ化されているものといえば、
国民的アニメ・サザエさんなどがあげられます。
これらと『よつばと!』の違いは、
・国民的アニメは完全に時間が止まっている(進級しない)。
・女の子のかわいさについては重要な要素になっているわけではない。
これらを踏まえて、日常を描いた作品をすべて日常系と呼ぶと仮定し、体系的にまとめるとつぎの通りになります。
図:日常系マンガの分類
それぞれの作品の位置づけは大まかなので、
縦軸を時間の流れの早さ、横軸を女の子メイン度として
だれか作品ごとに散布図でまとめてください。きたはちは力尽きました。
12巻で終わってた!?
『よつばと!』に関して
「12巻で終わりでいいんじゃね?」
「12巻からあとは後日譚」
という声をネットで目にしました。
たしかに、12巻の終わり方は非常にキレイでした。
ですが、言わせてください。
「まだ1年終わってないでしょ!」
国民的アニメとの対比で触れましたが、
『よつばと!』では時間がゆっくりですが確実に進んでいます。
大まかにまとめると以下の通りです。
『よつばと!』14巻までの時間経過
1巻 |
夏休み (7月下旬~8月) |
8巻 | 9月~10月終わり |
2巻 | 9巻 | ||
3巻 | 10巻 | ||
4巻 | 11巻 | ||
5巻 | 12巻 | ||
6巻 | 8月31日~ | 13巻 | 11月 |
7巻 | 14巻 | 12月 |
ホラ!1年経ってないでしょ!?
それに、ドラえもんだって3回も終わってるんですよ!(サイト内参考記事)
ただし、発売のペースもゆっくりになってきています。
最初のころは年に1巻のペースで、それでも長いほうですが、
前巻13巻から最新14巻が発売されるまでは約3年半!
ちなみに私が前職についてからやめるまでに13巻と14巻しか発売されていません!
(忍耐力がない!)
そこで提案したいのが、
一つ一つの巻を1つの作品としてみることです。
魅力の2つめで触れましたが、それぞれを1つの絵本としてとらえれば、
より気長に待てると思います。
よつばの成長をゆっくり見つめる作品が『よつばと!』なのです。
おすすめのエピソード
私の好きな話は、12巻のペンキの話です。
よつばがとーちゃんのいない間に
ペンキをそこら中にぬりたくって失敗するという話なんですが、
こうして文章にすると普通にどこの家でも起こりうるような話で
ちっともおもしろさが伝わらないんです。
普通の話をマンガとして成立させるってヤバイと思います。
最新15巻は2020年9月ごろ発売みたいです。
本当に大好きな作品なんですが、
やっぱり『よつばと!』の魅力は文章ではつたえきれないです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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