2月12日に「雪花の虎」完結となる10巻が発売になりました。おめでとうございます!
「雪花の虎」は上杉謙信が女性だったという仮説に基づく歴史マンガで、東村アキコさんの作品です。
今回は「雪花の虎」の魅力をあらためて紹介します!
「雪花の虎」は本当に意外性があっておもしろいし、女性がえがいた女性が主人公の戦国絵巻ということで女性にも読みやすいものになっているんじゃないかと思います。ちゃんと裏付けもあって本格歴史マンガとしてこれからも名を残していくんじゃないでしょうか。
『雪花の虎』ってどんなマンガ?
「雪花の虎」は2015年から連載がはじまりました。長尾景虎(謙信の最初の名前)の幼少期からはじまって、最終10巻ではクライマックスの川中島の戦いが描かれています。終わり方もきれいに終わりましたね。全10巻なのですぐ読めるし、「歴史マンガなんかいいのない?」という人がいたら、即、この「雪花の虎」をおすすめしますね。
『雪花の虎』の川中島の戦い
せっかく10巻も発売されて、川中島の戦いも描かれているので、まずは「雪花の虎」における川中島の戦いをネタバレしない程度に紹介しますね。
謙信と信玄の直接対決はあるの?
川中島の戦いは大河ドラマでも描かれていますが、有名なのが上杉謙信が馬に乗って斬りかかり、座って身構える武田信玄が軍配で受けるというシーンですよね。
「雪花の虎」にもちゃんと直接対決のシーンは描かれています。
「戦っている大将同士が刃を交えることなんてありえない」なんて思う人もいると思うんですが、「雪花の虎」ではちゃんとその理由が描かれているんですよね。なんで謙信と信玄が直接戦うことができたのか。「こういう状況だったらたしかに大将同士が直接会ってたかも」という理屈が通る状況がつくり出されるんですよね。しかも、その理屈が単に根拠のないものじゃなくて、歴史学的な仮説があるんです。なかなかしっかりした描き方ですよ。
この川中島の戦いの描き方はなかなかないと思うので、ぜひそこは読んでみてほしいですね。
戦略もみどころ!
戦略的な描き方もいいんですよね。
謙信と信玄が直接対決した川中島の戦いはもう第四次です。4回も戦っているのでお互いに相手の手の内が読めているわけですね。相手がどういう思考でどうしてくるか。そんな状況の中で、武田側は城にこもって戦いを長引かせたい。対する上杉側は城から引きずり出したいというお互いの思惑もあります。
軍は動いていなくても既に読み合いの戦いははじまっているんですよ。お互いに考えを読んだ上で、いよいよ最善の手を繰り出すんですが、その作戦も考えただけあって納得できる戦術なんですよね。
この戦略、戦術の読み合いっていうのも、最終10巻の見どころなんじゃないかと思います。
謙信はやっぱり女性?
やっぱり、「雪花の虎」を読むと上杉謙信は女性なんじゃないかと思えてきます。
なにも敵に塩を送ったからとか、女性っぽい肖像画があるからとかではなくて、やっぱり月に一度は引きこもるとか、花が好きだとかちょっとしたプライベートなところに女性を感じるんですよね。
「いくらなんでも歴史的にこんなことはなかっただろう」っていうシーンもあります。そんなシーンも、上杉謙信が女性であったとしたら、男性と女性がいたら、こういうドラマがあっていいんじゃないかというロマンをかきたてる内容なんですよね。
複雑な人生を歩んできたからこそ、タフに、ストイックに生きられたんじゃないか、女性とか男性とかではなく、虎さまだからこそ出世できたのではないかとそういうロマンを感じるような歴史マンガになっています。
謙信のモデルは作者の東村アキコ!?
最後のあとがきマンガに東村さんが謙信の頭巾のようなものをかぶった写真が出てくるのですが、それがなんとなく女性っぽく描かれた謙信の肖像画と似てるんです。結構、意図的に謙信に寄せてるんじゃないかと思うんですが、これはもう作者の東村さん本人をモデルに虎さま(謙信)を描いたと思っていいですよね?
まとめ
「雪花の虎」。ぜひ読んだことがない人はこれからでも10巻そろえて読んでみてくださいね。読みながら歴史的な裏付けを調べてみるのもおもしろいかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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