純和風な冒険ファンタジーが読みたい!
と思ったらスケラッコさんの「盆の国」がおすすめですよ!
「盆の国」は2016年にリイド社から発売されました。1巻完結です。
『THE BEST MANGA 2017 このマンガを読め!』で1位に輝いています。
リイド社のWEBサイト・トーチwebで途中まで無料で読めますよ。
スケラッコさんの「大きい犬」についてはこちらの記事を見てくださいね。
少女の夏休み冒険ファンタジーin京都!「盆の国」
こんな内容になってます。
・「おしょらいさん」
・あらすじ
・登場人物
・京都、大阪の和風な感じがいい
・かわいらしい「おしょらいさん」
・「盆の国」で巻き起こる冒険とファンタジーがドキドキ!
・カラーページや大ゴマが美しい
「おしょらいさん」
お盆になると死後の世界から帰ってくる神様を秋の住む町・六堂町では「おしょらいさん」と呼んでいます。
「おしょらいさん」はお寺にある大きな井戸から出てきて、送り火をするとまた帰っていきます。
「御招霊(おしょうらい)」はもともと富山、石川、福井などの文化だそうです。
あらすじ
8月15日、お盆。
主人公・秋はお盆が好きでした。
お盆になると亡くなったおじいちゃんや死んでしまった猫のしじみが「おしょらいさん」として帰ってくるからです。
町にも「おしょらいさん」があふれてにぎやかになります。
でも、友達のミサっちとはケンカしたまま。
ずっとお盆のままだったらいいのに。
その夜、秋はふしぎな青年・夏夫と出会います。
お盆を繰り返す「盆の国」を舞台に秋と夏夫の冒険が始まります。
登場人物
上野秋
絵を描くのが好きな中学3年生の女の子。
お盆になると帰ってくる「おしょらいさん」が見える。
見えるだけで話はできない。
夏夫
秋がお盆の夜に出会った青年。
白髪で浴衣という変わったいでたち。
新見くん
4カ月前の春、落雷によって町では13人も亡くなった。
新見くんもその1人。
グラウンドで野球をしているところだった。
お盆には新見くんも「おしょらいさん」として帰ってきていた。
しじみ
秋が飼っていた猫。
小さいころからずっと一緒だったが秋が10才の時に死んでしまった。
「おしょらいさん」として帰ってきたときは丸くてふにふにしていて、いつも秋の頭に乗っている。
ミサっち
秋の中学の友達。
秋が美術系の高校に進学することを相談したがケンカになり、それ以来口をきいていない。
京都、大阪の和風な感じがいい
「盆の国」の秋が住む町・六堂町は架空の町ですが、京阪電車沿線の京都や大阪がモデルになっています。
町並みも和風な雰囲気がして独特の世界観をかもしだしていますよ。
作中で目をひく建物が2つ登場したので紹介しますね。
大阪市中央公会堂
大阪市中央公会堂は大阪市北区中之島にある施設です。
大正時代に建てられ、数々のコンサート、オペラ、講演会が催されてきました。
アーチ状の屋根と左右対称の建築がレトロで美しいですよね。
鮒鶴
鮒鶴は京都鴨川沿いにある創業明治3年の料理旅館です。
川沿いに立つ純和風な建物は雰囲気がありますよね。
現在は結婚式場やレストランとして利用されています。
かわいらしい「おしょらいさん」
秋がみる「おしょらいさん」は輪郭がまるくてぷにぷにしててかわいいんですよね。
「おしょらいさん」になるとおじいちゃんも猫もテーブルに乗るぐらい小さくなっちゃいます。
こんなにかわいいご先祖様だったら「ずっといてほしい」と思うのも無理ないですね。
「盆の国」でまきおこる冒険とファンタジーがドキドキ!
「盆の国」は少女が経験するアドベンチャーものとして非常によくできています。
なかでも秋が過去の世界へトリップするシーンがいいですね。
墨のにじんだタッチが和風な感じと幻想的な雰囲気をかもしだしています。
出てくる幽霊も墨で輪郭がおぼろげに描かれていて日本っぽい怖さが出ていますよ。
カラーページや大ゴマが美しい
スケラッコさんの絵は線がシンプルで写実的なわけではないのですが、
奥行きのある風景は町や建物の雰囲気や空気感がよく伝わってくるんですよね。
ところどころ出てくるカラーページのイラストが本当にきれいです。
晴れた空の水色やちょうちんのオレンジが印象的に使われています。
夏の暑さや湿気さえも、「盆の国」の中では心地よく感じてしまいそうです。
まとめ
「盆の国」は京都風の味付けがされた和風アドベンチャー作品です。
お盆の独特の空気感とファンタジーが合わさることによって、懐かしくてわくわくする作品に仕上がっていますよ。
大人が忘れかけていた気持ちをよびおこしてくれます。
ぜひ読んでみてくださいね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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