黒田硫黄さんをご存じですか?
1990年代半ばから活動しているカルト的な人気のあるマンガ家さんです。
「きょうのカプセル」は書店で見つけました。
私は「黒田硫黄」という名前を久しぶりに目にしてFacebookで知人が購入していた記憶もあったので買ってみました。
「きょうのカプセル」がどんな作品なのか紹介していきますね。
「きょうのカプセル」初読みお断り?黒田硫黄10年ぶりのマンガ短編集
この記事はこんな内容になってます。
・作品概要
・黒田硫黄さんについて
・「黒田硫黄初心者にはおすすめしない」?
・作品一部紹介
作品概要
「きょうのカプセル」は2018年に発売された黒田硫黄さんのマンガ短編集です。
「niko and …」CMの作中登場マンガ・アニメーション原画まで合わせると全18作品あります。
古いものだと2003年、一番最近のものだと2018年の短編が収録されていますね。
2ページほどの短編から40ページほどの短編までいろんなものをよせあつめた感じです。
黒田硫黄さんについて
黒田硫黄さんは一橋大学で漫画研究会に所属してデビューしました。超高学歴ですよね。
同窓には漫画家の倉田真由美さんがいます。
コマ割りと独特の絵のインパクトが評価されていますね。
黒田硫黄さんより上手くて整った絵を描く人はたくさんいますが、強く印象に残る絵を描く人ですね。
「黒田硫黄初心者にはおすすめしない」?
「きょうのカプセル」について「黒田硫黄初心者にはおすすめしない」という評価がネットにありました。
私は黒田硫黄さんの作品は以前から知っていましたが、黒田硫黄さんの作品を買うのは初めてになってしまいました。でも、初心者でも読んで問題ないと思います。
私が黒田硫黄さんのマンガを読んだのは約20年前の雑誌、「COMIC CUE」あたりです。
この作品には黒田さんの人となりとか趣味を描いたようなプライベートな内容のマンガもありましたが、それなりに面白かったですし、ストーリーものの短編もいくつかあるので楽しめました。
これから「きょうのカプセル」以前の黒田さんの作品をさかのぼっていくのが楽しみですね。
作品一部紹介
ここからは「きょうのカプセル」に収録されている作品を紹介しますね。
毎月映画を観てマンガを描いた
「毎月映画を観てマンガを描いた」はスタジオジブリのフリーペーパー「熱風」に掲載された短編エッセイマンガです。
黒田さんは「映画に毛が3本!」という映画コラムマンガを「ヤングマガジンアッパーズ」で連載していました。
この作品は「映画に毛が3本!」の舞台裏を描いた作品です。
このマンガの中で「映画とマンガは似て非なるもの」と語ってるところがおもしろかったです。
映画は作り手の内面をとおして外の世界をみるもので、マンガは作品をとおして作り手の内面をみるものだそうです。
ちょっとムズカシイですが、なんとなく理解できるような気がしませんか?
黒田さんのマンガで読むとより理解が深まると思います。
特品ビーム課長
特品B課女性課長の下島は何かの基盤を明日までに納品しなければなりませんでした。
町工場のような開発室に駆けつけるのですが、技術者のおじさんは昼から酒を飲んで使えない状態。
下島は代わりに基盤の作成を行うのですが、難しいのがはんだ付けの作業でした。
下島は秘密の能力、眉間から出るビームでピンチを乗り切ろうとします。
果たして納品には間に合うのか!?基盤を要する秘密のマシーンとは?
会社員の楽しさとSFが合わさったような作品です。
「こんな会社あったら楽しそうだな」と思います。
ストーリーの切り取り方とか演出とかも独特でセンスが光ってます。
どこか幻想的で「大人のおとぎ話」のようですね。
勉強部屋
「秘密基地」をテーマにした短編です。
さまざまな漫画家、作家が寄稿した2011年の「短編集himitsukichi」に掲載されたものですね。
いわゆる「子供部屋おじさん」を題材にしたストーリーです。
「子供部屋おじさん」という言葉がではじめたのは2014年あたりですので当時としては斬新な視点だったんではないでしょうか。
まとめ
「黒田硫黄初心者にはおすすめしない」というのもわからなくはないですね。
時期も掲載雑誌もバラバラなのであんまり一貫性がないからです。
しかし、逆にいうと色んな作品が読めるってことですよね。
黒田さん独自の作風のエッセンスがつまった短編と、黒田さんのプライベートがみられるようなエッセイマンガが読めて、黒田硫黄という人が少しわかったような気がしました。
「きょうのカプセル」から入るのもアリなんじゃないかなと思います。
ぜひ読んでみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
コメント