1巻完結,短編集

漫画・ストロボライト ダメ大学生の行く先は現実?虚構?1巻完結

演劇的なマンガを読みたい!

という人には青山景さんの「ストロボライト」がおすすめです。

「ストロボライト」はメタフィクションを扱った物語としてよくできています。

君が好きになったのは、――本当に<私>?

青山景「ストロボライト」初版 帯コピーより

という意味深なキャッチコピー。

大学生のダメな恋愛模様を描きつつ、終盤にいくにつれて混沌とした展開になっていきます。

最後のもの悲しい結末が胸に染み入りますね。

主人公の内面世界に迫る描写はエヴァンゲリオンを彷彿とさせ、同時に演劇的でもあります。

読んだ後はあれこれと考察したくなりますよ?

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「ストロボライト」ダメ大学生の行く先は現実?虚構?

こんな内容になってます。

・概要

・あらすじ

・登場人物と「Q9」

・ダメ大学生の怠惰な恋愛模様がいい

・過去のあやまちを昇華してくれそうな物語

・どこまでが空想かわからない?

概要

「ストロボライト」は青山景さんのマンガで2009年に発売されました。

太田出版の「CONTINUE」に連載されていました。1巻完結です。

青山景さんは2011年に32歳の若さで自死を選ばれています。ご冥福をお祈りいたします。

あらすじ

夜行列車の中で小説家・浜崎正は執筆していました。

舞台は移り10年前、正が大学3年生の春。町田ミカとの出会いまでさかのぼります。

ミカは正が大好きだった映画Q9クエスチョンナインのヒロイン女優・桐島すみれ本人でした。

過去の物語を小説として書く正。

物語が進んでいくうちに現在と過去、現実と虚構が入り混じり、やがて正の内面へと迫っていきます。

登場人物と「Q9」

浜崎正

夜行列車に乗る現在浜崎正小説家

10年前の正は小説家志望の大学3年生

大好きな映画「Q9」を語りだすと止まらなくなるなど、純真な一面があります。

しかし、まわりが就職活動をする中で、賞も取れず焦りを感じていました。

そんな焦りを酒やセックスでまぎらわす、怠惰な若者として描かれています。

町田ミカ

町田ミカは正と同じ大学に通う女子大生。

かつて、カルト的人気の映画Q9」のヒロイン・加藤ユキを演じた元女優の桐島すみれです。

正と出会い、二人はつきあいはじめます。

美和子

夜行列車で正が電話をしている相手。

10年前はまだ女子高生でした。

正のアパートの大家の娘で、カギを借りて正に無断で部屋に上がり込むこともあります。

正の留守中の部屋で美和子が見た秘密とは…?

「Q9」

警官殺しの連続殺人鬼「蟹男」を追うサスペンスミステリー映画。

主人公の刑事・加藤の娘ユキは不思議な力を発揮し、事件の真相に迫っていきます。

ダメ大学生の怠惰な恋愛模様がいい

大学生・正のダメダメ加減がいいですね。

最初はかわいげのある若者の恋愛を描いていますが、だんだんリアリティーのあるドラマになっていきます。

みどころはラブコメの一線を越えてしまうところ。

セックスシーンを描くことでラブコメの様式を壊してしまうところが新鮮です。

小説も書かない。酒は飲む。セックス大好き。

でも、ハタチそこそこで彼氏・彼女ができたらある程度しょうがないですよね。

過去のあやまちを昇華してくれそうな物語

夜行列車に乗る正は、大学生時代の自分を小説にしています。

自分が行ってきたあやまちを振り返るようにして過去が描かれています。

過去に犯してきたあやまちってありませんか?

「あんなことしなければよかった」とか

「なんであんなこと言っちゃったんだろう」とか誰しもあるはずです。

そのあやまちを小説やマンガとして物語にできれば、少しは昇華できるんじゃないでしょうか。

自分と主人公を重ね合わせると、自分の罪もつぐなわれる気がしてきます。

どこまでが空想かわからない?

「ストロボライト」のおもしろいところは、現実と虚構の境があいまいになっていくところ。

夜行列車に乗っている小説家の正は過去を物語にしていきますが、やがて小説が現実に追いついてきます。

つまり、正が書いているはずの物語の中に、正自身が取り込まれてしまうのです。

本当に正が夜行列車に乗っているのかどうかがあいまいになっていきます。

夜行列車に乗っている正すら物語の中にいるとすると、この物語の書き手はどこにいるのでしょうか。

そして、劇中劇である映画「Q9」ともリンクしていき、物語はさらに混沌としていきます。

いわゆるメタフィクションという手法です。

思考がぐるぐるになって二重三重に楽しめます。

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まとめ

「ストロボライト」の魅力は、大学時代のイタイ青春とメタフィクションを合わせているところですね。

作者の青山さんはエヴァンゲリオン世代ですので多少の影響をうかがわせます。

舞台にするとおもしろいかもしれませんね。

かわいらしい絵柄ですが、内容は深い漫画です。

ぜひ読んでみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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