1巻完結,短編集

『取るに足らない僕らの正義』カリスマに翻弄された群像劇が面白い!

どうもこんにちはきたはちです。

5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。

このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。

川野倫さんの『取るに足らない僕らの正義』が1月11日に発売されました。

最近、個人的にしめっぽい作品は避けていたんですが、

「これは!」と思える作品に出会えました。

この記事では、『取るに足らない僕らの正義』の魅力を紹介します!

スポンサーリンク

『取るに足らない僕らの正義』ってどんな漫画?

ある日、突然姿を消してしまったシンガーソングライター・多野小夜子。ファンも友達も恋人も、彼女の行方を誰も知らない。多野小夜子が消えたことによって、僕たちの生活は少しずつ変化していくーー。彼女を知らない人にとっては取るに足らないことだけど、僕らにとって彼女は「かみさま」だったんだ。

宮崎と東京を舞台に、6人の男女が織りなす淡く美しい群像劇。

『取るに足らない僕らの正義』 Amazon商品ページより

物語のはじまりでは多野小夜子の失踪がSNSアカウントの削除という形でえがかれています。

多野小夜子はなぜ失踪してしまったのか?

最初はSNSでしか彼女を知らない人、学生時代を知っている人など、多野小夜子から遠い関係の人々の視点の物語からはじまり、だんだんと彼女に近しい人々の話に。

多野小夜子にあこがれながら何者にもなれていない人々。彼らのあきらめ、嫉妬など、さまざまな思いをえがいています。

さらに、多野小夜子失踪の謎が徐々に明らかになっていきます

スポンサーリンク

第一話「かわいそうな人」

どうでもいい? 私の大事なものとか 好きなものとか

『第一話「かわいそうな人」』より

就職活動中の優子。彼氏に気持ちはもうないが、別れを切り出せずにいる。

さらに、学生時代の先輩と浮気している。

優子が好きだったのがSNSで活動していた多野小夜子というシンガーソングライター。

しかし、多野小夜子は突然、SNSから姿を消す。

好きな人には自分の好きなものを理解してほしい

自分が好きなシンガーソングライターを否定されたこと。

優子にとってはささいなきっかけだったのかもしれません。

あなたが好きなものを誰かにないがしろにされたらどう思いますか?

第二話「まぶしく在れば」

自分のこと 特別やと思ったらいかんよ

『第二話「まぶしく在れば」』より

母親のスナックを手伝う美樹

高校の時、東京で映像の勉強をしたいという夢があった。

しかし、今も宮崎にとどまりながらくすぶっている美樹。

その美樹の同級生が多野小夜子だった。

高校のころから作詞作曲をしてネットにあげていた小夜子。

美樹は小夜子のことがずっと嫌いだった。

ずっと夢をみながら何もできないでいる。

自分に才能があると思っていても結局何もできない。

言い訳しながら行動に移せない。

世間にはそんな特別じゃない人間ばかりであふれているのかもしれません。

群像劇とミステリーが全体をうまくまとめている

俺は結局、 彼女のことを 何も知らない。

『第五話「心地よい退化」』より

才能不健全な恋愛関係など痛々しいテーマをえがいているのに飽きずに読めるのは群像劇だから。

全7話の中には、さびしい終わり方もあればハッピーエンドも。

主役がうつりかわり、視点がうつりかわることによって全体にリズムが出ます。

また、この作品は多野小夜子の消息を追いかけるミステリーと読むこともできます。

舞台は宮崎から東京に変わり、少しずつ多野小夜子に近づいていく。

多野小夜子という存在が、それぞれの登場人物にどう映っていたのか

一人の人間をさまざまな人物の視点を通して追っていくことで物語にどんどん引き込まれていきます。

まとめ

というわけで今回は以上です。最後まで読んでくださってありがとうございました。

取るに足らない僕らの正義』は痛々しいながらも全体的にまとまった美しさがある作品です!ぜひ読んでみてください♪

このブログではマンガにまつわる様々な情報を紹介していきます。

twitterもやっていますのでフォローなどよろしくお願いします。それでは。

コメント

タイトルとURLをコピーしました