こんにちは。きたはちです。
5巻以内や短編集など、短いマンガをこよなく愛しています。
金田サトさんのマンガ『Deadmeat Paradox(デッドミート パラドクス)』が1月21日に発売されました!おめでとうございます!
設定がおもしろいだけではなく、物語もしっかりしていたので読みごたえがありましたね。読んでよかったです。
電子書籍版には特典として短編『義父の息子』55ページも収録されているのでお得ですよ。もし抵抗がなければ電子書籍をおすすめします。
『Deadmeat Paradox』はゾンビを弁護する弁護士を主人公にした異色のファンタジーです。
この記事では、『Deadmeat Paradox』の魅力をたっぷり紹介していきます。
マンガ『Deadmeat Paradox』概要
『Deadmeat Paradox』
死後30日以内に突如復活する原因不明の病気/患者を「ゾンビ」と呼ぶ。オーランド帝国は、未だゾンビに対し「生か死か」の究明さえしていない。国は「寝ることも食べることもない、ただの安い労働力」としか見ていない、というのが弁護士・ゴールドの考え方。弟であり「ゾンビ」のシルバーと営む弁護士事務所に、今日も新しい依頼人がやって来る。
ある日、2人が墓地で見つけたのはーーー。
『義父の息子』
受験生・ショウタは、父親から、東大に受からなければ家を出て行くよう言われている。父親を見返したい一心で勉強してきたショウタだったが、ついに迎えた受験前日、自動車に撥ねられてしまう。病院で目を覚ました時、目の前に広がっていた世界は――!!
Deadmeat Paradox(Kindle版) Amazon詳細ページより
『義父の息子』は2019年に発表された金田さん(当時のペンネーム・金賢智さん)のデビュー作で第75回ちばてつや賞一般部門大賞受賞作品。今ならコミックDAYSで無料で読むことができます。
『Deadmeat Paradox』だけでも190ページ近くあるのでいいボリュームですね。
確かな画力と練られたストーリーが新人ばなれしています。
魅力①設定がおもしろい!
「ゾンビの弁護士」という設定自体がおもしろいですよね。
ゾンビ自体の設定もちゃんと考えられているのがすごいです。
『Deadmeat Paradox』は近代イギリスのような舞台設定です。ゾンビたちは人をおそうわけではなく、話もできるし理性もある。そして仕事もする。この世界でのゾンビは死後によみがえってしまう原因不明の「病気」なんです。
また、ゾンビたちは差別をされていて、ゾンビを守る法律もありません。
何かと似ていると思いませんか?
「病気にかかった人や病気に立ち向かっている人を差別してはいけない」というメッセージ。金田さんの粋なはからいを感じます。
魅力②こったカメラワーク!
金田さんの絵はカメラワークがこってるんですよね。
たとえばバトルマンガではカッコいいシーンを描くのに極端なフカンやアオリの構図が使われていますよね?歌舞伎でいうと「見得」っていうんですかね。
一方、『Deadmeat Paradox』は法廷ドラマ。見せ場がないわけではないですが、法廷という限られた空間だし動きも少ないです。
しかし、『Deadmeat Paradox』では極端な演出はなくて、さりげなくこった構図を使っているんですよね。
下から見上げてカメラをちょっと斜めに傾けてみたり、話している人の頭ごしに相手のリアクションを見せていたり。
やたらと変な構図を乱発するのではなく、ちゃんと演出としてカメラワークを使っている感じなんですよね。
こった構図を描けるだけでもすごいんですけどね。『義父の息子』ではいきなり魚眼レンズの構図ですから。
魅力③ドラマチックな法廷ドラマ!
物語もにくい構成なんですよね。
どんな裁判が行われるのか。そしてこの裁判に勝つことができるのか。注目しながら読んでいると足をすくわれますよ。法廷ドラマならではのおもしろさですね。
法廷バトルが…
法廷のシーンはクライマックスだけなので、法廷バトルだけを期待するとしびれを切らしてしまうかもしれません。
ただ、無駄なエピソードがあるわけではなくてそれぞれが裁判のための布石なんですよね。どうぞあせらずに読んでください。
まとめ
『Deadmeat Paradox』はたしかな画力と巧妙な物語が魅力的なマンガです。おもしろい物語になっているのは、金田さんの「これを伝えたい!」というメッセージ性がしっかりしているからかもしれませんね。
『Deadmeat Paradox』は講談社・モーニングコミックスから1巻完結で発売されています。電子書籍は特典つきなのにちょっとだけ安いのでお得ですよ。ぜひ読んでみてくださいね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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