2~5巻以内完結

オカヤイヅミ「ものするひと」に感じる居心地の悪さ!?(3巻完結) 

「作家」ってどんな生活をしているんだろう

と興味を持っている人におすすめなのが、オカヤイヅミさんの「ものするひと」です

「ものするひと」は作家の杉浦紺の生活を淡々と描いた漫画です。

こんにちは。きたはちです。

5巻以内完結のマンガや漫画短編集をよく読んでいます。

「ものするひと」はオカヤイヅミさんの漫画で、2018年から2019年まで連載されていました。

全3巻完結でKADOKAWA・ビームコミックスから発売されています。

「ものするひと」を読むとなんとなく自分が否定されているような居心地の悪さを感じるんですよね。

あらすじやみどころについてまとめてみました!

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ものするひと あらすじ

純文学作家、杉浦紺

大柄でいつもぼーっとしているように見える。

作家という仕事柄、周囲から好奇の目を向けられることが多い。

本人にとって文章を書くことはいたって普通のことで、周囲の目もあまり気にしていない。

女子大生・ヨサノも彼に好奇の目を向ける一人だった。

彼女との出会いと、昨年発表した作品が菱田賞の候補になったことが、杉浦を少しずつ変えていく。

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登場人物

杉浦紺

純文学作家。警備のアルバイトをしながら執筆活動をしている。30才。

ヨサノ

女子大生。アイドルダンスサークルに入っている。

交際相手とは不倫関係。

普通ではない生き方と、杉浦という人間に興味を持っている。

マルヒラ

大学生。ヨサノの友人。

廣瀬沙希子

作家。

朝元雛

作家。若くしてデビューした。

サクタ

杉浦の担当編集。

ハナヨ

バー 「ビブリオ」の店主。

杉浦のとりとめのない思考がおもしろい!

「ものするひと」は杉浦の考えていることをのぞき見している面白さがありますね。

物語は、杉浦の行きつけのバーで「たほいや」というゲームをするところからはじまります。

「たほいや」とは数人で行うゲームで、意味が分からないけど辞書にはのっている言葉を持ち寄って言葉の意味を当てるゲームです。

各自がでたらめだけどそれらしい意味を紙に書き、本当の意味を書いた紙とシャッフルして、本当の意味を当てたり、自分の答えを選ばせることができれば点数が入ります。

杉浦が「たほいや」で使えそうな、意味のわからない言葉について考えるところや、パーティーに呼ばれて「ご歓談ください」と言われてから「歓談」について考えるとか、普通の人なら通り過ぎてしまうようなことをつきつめて考えるのが面白いですね。

何事にも「なんで?」と聞く、子供のような純粋さが杉浦から感じられますね。

主人公があこがれられる対象という新鮮さがある!

「作家になるためにがんばる」とか、「売れなくて焦っている作家」とかならドラマにしやすいんでしょうが、「ものするひと」の杉浦はそのどちらにもあてはまりません。

作家ではあるけど、そこまで焦ってもいないのが杉浦です。

杉浦のぼーっとした見た目と相まって余裕を感じられ、むしろ毎日が充実して楽しそうですらあります。

物語は突然、杉浦から女子大生のヨサノに視点が移ります。

ヨサノは不倫中の交際相手から「変わっている」と言われることが癇に障ります。

そして、ヨサノが「変わっている」杉浦に興味を持つところからドラマが始まっていきます。

しかし、杉浦は案外普通に生きています。

ヨサノの、「普通とは何なのか」「変わっているとは何なのか」という問いかけが杉浦にも投げかけられているし、読者にも投げかけられるという面白さがありますよ。

「人とは違う」と思っている人をみる居心地の悪さがある!

「ものするひと」は読者の共感を求めてないところがおもしろいと思うんですよね。

杉浦は作家で、ヨサノは女子大生でアイドルサークルに入っています。

作家もアイドルサークルに入っている人も世の中にはそんなにいないと思うんです。

私がこの物語の中で共感するとしたら、文壇バーで作家に嫌味ったらしく絡むおじさんなんですよね。

じゃあ作家やアイドルのために描いた漫画なのかというとそうではなくて、「人と違う」ということは何かを描いた漫画なんだと思います。

あなたは「自分の感性や才能は人とは違う」と思いながらも会社に就職して普通に働いていませんか?

「私は人とは違う」と思いながら日々を過ごしている人って多いと思うんです。

杉浦もヨサノも程度の差こそあれ、「自分は人とは違う」と思っています。

しかも、二人にはそれだけの才能があります。

「人とは違う」という思想を持っている主人公たちを客観的にみることで、何者にもなれていない読者の居心地の悪さを感じるところが「ものするひと」の醍醐味になっているんですよね。

まとめ

「ものするひと」は作家の生活を興味本位でのぞいているような面白さがある一方で、まるで自分の生活をのぞいているような「普通さ」があります。

また、才能あふれる人たちを見せつけられることで読者が痛烈に批判されているようなスリルを感じます。

「この人たちおしゃれで幸せそうでいいな」

なんてぼんやり読むのもいいですが、なんとなく居心地悪さを感じながら読むと「ものするひと」がさらに楽しめますよ。

ぜひ読んでみてくださいね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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