漫画「短編集ごあいさつ」結構ドロドロ！？田島列島の世界観

こんにちは、きたはちです。

5巻以内完結のマンガや漫画短編集をよく読んでいます。

この記事では、田島列島さんの漫画「田島列島短編集ごあいさつ」について紹介していきます。

短編集「ごあいさつ」はあえてトラブルに直面している人におすすめしたいですね。

田島列島さんの漫画の魅力、短編集に収録されている漫画の内容と感想などを紹介していこうと思います。

「田島列島短編集ごあいさつ」ってどんな漫画？

「田島列島短編集ごあいさつ」は2019年に発売されました。

主にモーニング（講談社）に掲載された2008年から2017年までの田島列島さんの漫画を収録しています。

7つの短編とおまけページがついて177ページです。

田島列島さんはこの作品と「水は海に向かって流れる」で2020年に手塚治虫文化賞新生賞に輝いています。

2021年には「子供はわかってあげない」の実写映画公開が控えているなど、田島列島さんは今注目の漫画家さんです。

田島列島さんの漫画の魅力とは？

田島列島さんの漫画の魅力をあげるとつぎの３つになります。

ゆるい絵とユーモアセンス

田島列島さんの漫画の魅力はなんといってもゆるくてかわいい絵とユーモアセンスですね。

女の子の表情やしぐさ、短くデフォルメされたキャラクターの等身もかわいらしいです。

そんなキャラクターたちがコミカルに動いて、まるで小劇場出身の役者さんが好き勝手にアドリブをぶち込んだようなギャグがふんだんに盛り込まれています。

サブカルや懐かしいネタもたくさんあって、思わず笑ってしまいますよ。

ドロドロした現実を笑いで乗り切る！

田島列島さんの漫画は不倫や失恋など結構ドロドロしてるテーマが多いんですよね。

「ドロドロした問題でも笑って乗り切るタフさが大切」っていうメッセージかなと思ったんですが、どんな問題でも笑っちゃう田島さん自身のシニカルな視点があるのかもしれないですね。

でも、真剣に悩んでいても俯瞰して考えると結構笑えるものですよね。

現実のおもしろさを表現している！

ドロドロした問題を笑いにかえて田島さんが何が言いたいのかというと、

「SFとかファンタジーに頼らなくても現実ってこんなにおもしろい」

ってことだと思います。

「空想の世界に逃げなくても現実にこんなにおもしろいことがあるなら、現実も捨てたもんじゃない」と思えてきます。

でも、短編集「ごあいさつ」にはSFがあるんですけどね。

まあ、細かいことは気にしないでください。

「田島列島短編集ごあいさつ」収録作品

短編集「ごあいさつ」の収録作品はつぎの通りです。

このうち、「蔵出し田島列島」は過去作の販促用のイラストなどを集めたものです。

収録作品をいくつか紹介していきますね。

ごあいさつ・官僚アバンチュール　あらすじ

「ごあいさつ」と「官僚アバンチュール」は続き物になっています。

「ごあいさつ」は高校生の坂野ちかがアパートに一人でいるときに、見知らぬ女性が現れるところからはじまります。

見知らぬ女性は「河内の家内」と名乗ります。

自分の姉と河内という男性が不倫関係にあること悟ったちかは、それ以来、家に帰りづらくなります。

不倫という現実感のない問題に高校生がどう対処していくかをコミカルに描いています。

「官僚アバンチュール」ではちかのバイト先の友達が職場不倫をしてしまうストーリーです。

ごあいさつ・官僚アバンチュール　感想

この２つのマンガは、不倫というドロドロした問題を客観的にとらえてるところがおもしろいですね。

「不倫して恋したり悲しんだりしてるけど、はた目から見るとおもしろいことになってるぞ」というシニカルな視点が見えます。

喜劇王・チャップリンはこんな名言を残しています。

人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ。

チャールズ・チャップリン

かわいらしい絵とシニカルな笑いという田島さんの漫画の魅力をギュッと詰め込んだ作品ですね。

ジョニ男の青春　あらすじ・感想

花田玉代・29才が、妊娠したものの自分のパートナーの頼りなさを憂い、ジョニ男というロボットと結婚しようとする話です。

「ジョニ男の青春」も貧困と妊娠という当人にとってはシリアスな事情をユーモアを交えて描いています。

他の作品と違うのはSFっぽいところですね。

ちなみに「花いちもんめ～おらが村にUFOが落ちた～」もSFコメディです。

現実的な問題を非現実的で人知の及ばないものでなんとかしようというおもしろさがありますね。

まとめ

短編集「ごあいさつ」は田島さんの漫画の魅力がギュッとつまった短編が楽しめるおすすめの短編集です。

また、田島さんのSF作品も楽しめますよ。

現実も楽しいことばっかりならいいんですが、残念ながら辛いことのほうが多いです。

でも、田島さんのマンガを読めば、トラブルを抱えていても笑えちゃうかもしれませんよ。

あんまり無責任なこと言ってもアレなのでこの辺にしておきます。

でも、ポジティブに生きるにはシニカルさも大切かもしれませんね。

短編集「ごあいさつ」、ぜひ読んでみてくださいね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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