どうもこんにちはきたはちです。
5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。
このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。
小骨トモさんの漫画『神様お願い』は2022年2月17日に発売した短編集。
エロティックで狂気を感じてどこか懐かしい。読んでいて「うわぁ~」ってなる衝撃的で魅力のある一冊です。
そこでこの記事では、『神様お願い』に収録されている短編とそれぞれの感想、解説をしていきます!
「神様お願い」とは?
「神様、神様、学校を燃やしてください。それが無理なら……」
学校と体育が死ぬほど嫌いだったすべてのみんなたちへ贈る小骨トモ初めての単行本。
『神様お願い』 Amazon商品詳細ページより
この本で一貫しているのは少年少女に焦点を当てた鬱屈したエロティックな思い。
蒸し暑くてわき出る汗。抑えられないドロドロとした欲望。暴発する狂気と悪意。
どこか昭和を感じる懐かしい絵柄もスパイス。
胸や性器があらわになっていないにも関わらず、ここまでエロティシズムを表現できるのもすごい。
小骨さんは唯一無二のスタイルを確立したと思います。
『神様お願い』には次の5つの短編が収録されています。
- 藤田の生首
- スモウちゃんにさようなら
- アブラゼミ
- 神様お願い
- ファーストアルバム
藤田の生首
みんなからいじめられている小学5年生の男の子・藤田。
藤田にはただ一人の友達がいた。それは人形の生首。
今日も林の中で生首に会いに行く。
しかし、ドロドロした思いがわき出してきて…。
藤田の思いとともに生首の思いも伝わってくるクライマックス。
はじめてした悪いこと。だれにも知られたくない秘密。
子どもが経験するはじめての悪意が感じられます。
スモウちゃんにさようなら
小学生の女の子「スモウ」。なわとびをする度に胸がゆれることが恥ずかしかった。担任の小林は理想の先生と思われていたが…。
この本の中で一番好きな短編です。
担任の小林のキャラが歪み具合がとにかくヤバい。小林はスマイルマークのような顔をずっとしていて考え方はマッチョな人間。しかも、歪んだ欲望を持っています。
そんな歪んだ内面を持つ人間が社会的には高い評価を得ているという矛盾。
無垢な子どもが大人に蹂躙される。
最後のオチもきれいです。
スモウちゃんを通して社会の歪みを感じる作品です。
アブラゼミ
不登校の生徒、梨本くん。彼の家にいつもプリントを届けに行く小林。
小林はかつていじめを受けていた。だからこそ梨本くんを救いたい。
しかし、そんな善意が裏目に出る。
小林も決して最初は悪意があったわけじゃないのに、ドロドロした方向に引きずり込まれていく。
大人の女性のエロティシズムと濃厚なカラミ。
高まるテンションが最後に一気に爆発します。
神様お願い
クラスでいじめられている中学生、小林。
小林は絵が得意だった。
体育の時間のかわいい女子。ちらりとのぞいた腋に欲情していた。
そんなある日、事件が起こる。
小学生とも高校生とも違う、中学生ならではの鬱屈とした感情が伝わります。
犯罪者になってしまいそうなくらい狂おしい性欲。
でも実際はしない。犯罪者とそうでない人なんて紙一重なのかもしれないと思わせます。
ファーストアルバム
直人が付き合っている朝子。
朝子には一人息子の治がいた。
直人は治のことがきらいだった。あいつがいなければ朝子さんをひとり占めできるのに…。
今までとは違って大人が主人公の作品。
嫉妬と背徳感が入り混じった感情の中で生まれるエロティックなシーンがあります。
最後の感情表現がすごく好きです。
まとめ
というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。
『神様お願い』は少年少女の歪んだエロティシズムが詰まった一冊。どこか懐かしさもあります。好みは分かれるかもしれませんが、読んでおいたほうがいい作品だと思います。
このブログではマンガにまつわる様々な情報を紹介していきます。
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