1巻完結,短編集まとめ

豊田徹也という漫画家の魅力を語りたい。知る人ぞ知る傑作を紹介

あなたは豊田徹也という漫画家を知っていますか?まだまだ一般的な知名度は高くないのが現状。これは本当にもったいない話で、この機会に彼の素晴らしさを伝えたいと思います。

豊田徹也は現代漫画界において、独自のポジションを確立している作家の一人です。今回は特におすすめしたい3作品を中心に、その魅力をお話しします。

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豊田徹也とはどんな漫画家か

豊田徹也の作品を初めて読んだとき、多くの読者が感じるのは既視感のなさでしょう。現在の漫画界には数多くの優秀な作家がいますが、豊田徹也ほど独特な世界観を持った作家は珍しいです。

彼の絵柄は一見するとリアル寄りに見えるかもしれませんが、実は非常に漫画的でもあります。メインのキャラクターはリアルに描かれていますが、実に個性あふれるキャラクターが脇を固めます。特におじさんが秀逸。味のあるおじさんがたくさん出てきます。

また、日常の中に潜む違和感や人間の内面を描くのが非常に上手い作家でもあります。表面的なドラマではなく、もっと深いところにある人間の心の動きを丁寧に掬い取る技術は、他の作家ではなかなか見られないものです。

彼が最近になって話題になったのは、『アンダーカレント』の実写映画化と村上春樹の短編小説集『一人称単数』の装画を手がけたことです。

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絶対に読んでほしい3作品

『アンダーカレント』

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人をわかるってどういうことですか?

『アンダーカレント』

豊田徹也の代表作といえば、まずこの作品を挙げるべきでしょう。人とのかかわり、自分が親しい人は本当はどんな人なのか。そういったことを考えさせられる作品です。

主人公のかなえは夫が突然蒸発してしまい、悲しみを抱えながらも明るい自分を演じて日々を過ごしています。営む銭湯の人手を埋めるために、組合から謎の男が派遣されます。かなえは友人の紹介で探偵に夫の行方探しを依頼するのですが…。

主人公の心理描写が秀逸で、読み進めるほどに彼女の内面に引き込まれていきます。それは彼女のまわりのキャラクターが引き立てているからと言えるでしょう。彼女に投げかけられる言葉。人生の酸いも甘いも経験してきた深さがあります。

現代社会を舞台にした作品でありながら、時代を超えて読み継がれるであろう普遍性も持っています。近年、実写映画化もされ、豊田徹也という人が再評価されるきっかけになった作品です。

『珈琲時間』

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コーヒーを題材にした作品ですが、グルメ漫画ではありません。コーヒーそのものの話ではなく、物語のどこかにコーヒーが出現する連作短編集となっていて非常に奥の深い作品です。

うさんくさいエセ外国人からコーヒーをたかられるコメディから始まったと思ったら、銃を構えて向かい合うシーンから始まるハードボイルドも。

一つ一つの短編がとにかくオシャレ。終わり方がオシャレです。ラストどうなったか読者にゆだねる演出がニクイですね。思わず「くぅ~!」と言いたくなります。

日常系作品としても読めますが、豊田徹也独特の哲学的な深みも感じられる、バランスの取れた名作です。

『ゴーグル』

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豊田徹也の作品の中でも特に実験的な色合いが強い作品。根底にあるのはやはり人間ドラマです。

ある夏の日、友人から知り合いの娘の子守りを頼まれた主人公。その子は何も口を聞かず、学校にも行かずに家でじっとしているだけ。不似合いな大きなバイク用のゴーグルをつけて…。

虐待や失踪など少し重めなテーマも扱っている本作。重いテーマも逃げずに向き合っていて、読めば読むほど味が出てくるスルメのような作品です。

この作品で特に注目すべきは、豊田徹也の構成力。バラバラに見える短編も、一冊にまとまった時には音楽のアルバムのような統一感を持っています。これは計算された構成力があってこそ成立する技術です。読者を選ぶ作品かもしれませんが、豊田徹也の才能を最も感じられる作品の一つです。

豊田徹也作品の魅力とは

くすっと笑えるユーモア

豊田徹也の作品で注目したいのはユーモアがちりばめられている点です。センスのあふれた表紙ですが要所要所にコミカルなシーンがあって意外に読みやすい。漫画としての基本をちゃんと抑えています。このユーモアが読者の心をぐっとつかむのです。

深みのあるキャラクター

コミカルなキャラクターが出てきて油断させられたと思ったら、そのキャラクターがふいに発するセリフにドキッとさせられることでしょう。短い作品の短いシーンに生きるキャラクターひとりひとりの背景に人間としての深さを感じます。「人生を何周したの?」と思います。

意外な演出

トドメは意外な演出です。「このあと絶対こうする」、「絶対ウソをついてる」などと思っても、キャラクターがそれを裏切る行動をみせるのです。「うわー、そうきたか」と思うと同時に、人としての深みを読者に感じさせることでしょう。人って一言では言えないし、論理的じゃない。豊田徹也は人間味というものを表現することにこだわりをもった漫画家といえるでしょう。

まとめ

豊田徹也の作品は、一般的な漫画とは一線を画す特別な体験を提供してくれます。ほどよいコミカルさと巧妙なストーリーは一度その世界に足を踏み入れるときっと虜になるでしょう。

まずは『アンダーカレント』から始めることをおすすめします。豊田徹也の世界観を知るには最適の一冊です。書店で見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。『アンダーカレント』と『ゴーグル』は実写映画化の際に再版と電子書籍化がされたので手に取りやすくなっていると思います。あなたの新しい漫画ライフの扉を開くはずです!

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