まとめ

2021年 短いマンガ おすすめ20作品!

こんにちは!きたはちです。短いマンガばっかり読んでいます。

2021年ももうおしまいですね。今回は2021年に読んだ短いマンガの中で特におもしろかった20作品の紹介と感想をまとめていきたいと思います。あなたの読んだ作品はありますか?

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2021年に読んだ短いマンガ

今年読んだ短いマンガは次のとおり。63作品です。5巻以内完結か短編集です。1月からほぼ発売順にならんでいます。

こうしてならべてみると結構な量ですね。これら以外にも人気作品や過去の話題作も購入しているので、漫画につぎ込んできたお金を考えるとちょっとおそろしくなります。

  • フリクションガール
  • Deadmeat Paradox
  • いえめぐり
  • 呪いと性春 文野紋短編集
  • 魔女先輩日報
  • 美しいこと
  • 同棲ヤンキー赤松セブン
  • バクちゃん
  • レミドラシソ 鶴谷香央理短編集 2007-2015
  • メタモルフォーゼの縁側
  • 末期ガンでも元気です
  • ライカの星
  • スイートバニラビーンズ
  • 瀬尾と北中
  • おさんぽマスターズ
  • 夢の雫と星の花
  • DEATH NOTE短編集
  • 青 藍本松短編集
  • Manga Day to Day
  • スパイの妻
  • かみさまとX
  • 妖精のおきゃくさま
  • 天雷さまと人間のへそ
  • エンドロールバック
  • 向井くんはすごい!
  • VRおじさんの初恋
  • 空飛ぶ馬
  • ボタボタ
  • 恋、ヒトゴトに及ぶ
  • 戦争×漫画 1970-2020
  • 奈良へ
  • たそがれにまにあえば 赤井さしみ作品集
  • ロスト・ラッド・ロンドン
  • 日本短編漫画傑作集
  • adabana 徒花
  • 思えば遠くにオブスクラ
  • 渚 河野別荘地短編集
  • 谷崎マンガ 変態アンソロジー
  • BoichiオリジナルSF短編集 1・2
  • 太郎は水になりたかった
  • 魚社会
  • つつがない生活
  • 夏を知らない子供たち
  • アントロポセンの犬泥棒
  • ルックバック
  • 星降る花屋
  • だんな様はひろゆき
  • ひとのこ
  • プロジェクトN
  • 藤本タツキ短編集 17-21
  • 性懲りショートステイ
  • 幻妖能楽集
  • 透明男と人間女
  • ドールハウスの人々
  • 夫は成長教に入信している
  • 狐の掟
  • ぬくとう君は主夫の人
  • ベルリンうわの空
  • 藤本タツキ短編集 22-26
  • ブラック企業に夜露死苦
  • みゃーこ湯のトタンくん
  • ナナの裏ドル活動
  • 彼女の音色は生きている
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ルックバック

藤本タツキさんの約140ページの長編。今年最高の話題作といっていいのではないでしょうか。

マンガをかくのが好きな女の子と絵が上手いひきこもりの少女。同級生の二人が漫画家を目指します。しかし、二人を待ち受けていたのは衝撃的な運命でした。

140ページある作品を一気に読ませる力。短い時間で読み終わってしまうのに、一本の映画を見た後のようなほどよい疲労感。その秘密は絵の情報量にあります。セリフやト書きよりも雄弁な絵の力。背景だけで時間の経過や登場人物の気持ちまであらわしています。主人公と同じ様に努力してきた作者自身の経験を総括するような作品だと思います。

この作品は『このマンガがすごい!2022』の1位にも輝きました。

谷崎マンガ 変態アンソロジー

2015年に発売された『谷崎万華鏡 谷崎潤一郎マンガアンソロジー』を改題したもので、今年になって文庫版と電子書籍がお得になって発売されました。

山口晃

しりあがり寿

高野文子

古屋兎丸

中村明日美子

近藤聡乃

西村ツチカ

山田参助

今日マチ子

榎本俊二

久世番子

このそうそうたる顔ぶれ。圧巻です。この漫画家たちを魅了するのが作家・谷崎潤一郎。変態だけど美しい。変態だけどにくめない。谷崎潤一郎のさまざまな魅力を豪華な作家陣がえがきます。

みゃーこ湯のトタンくん

無職の青年・ハラくんがある日ネコが人間のようにくらす世界に迷い込んでしまいます。そこで出会ったのがネコのトタンくん。トタンはハラくんが飼っていたネコの名前ですが、この世界では少し様子が違います。しゃべるし、はっぴ着てるし、関西弁。ちょっとおじさんっぽいです。ハラくんはトタンくんの営む銭湯ではたらくことになります。

いつもかわいらしくてどこか関西の香りのするお話を提供してくれるスケラッコさん。今回のお話も非常にかわいらしいです。ネコたちも個性的で、おっちゃんのネコにおばちゃんのネコ。シャイな女子中学生のネコにおじいちゃんネコ。サウナ大好き若者三人組ネコ。人間の特徴とネコの特徴をよくとらえています。今回の舞台は地元に愛される銭湯、みゃーこ湯。ぼくも地元の温泉施設によく行きますが、銭湯はちょっとちがうんですね。銭湯は地元の人々と交流があったり、たまにイベントをやったり、なんだかあたたかみがあります。銭湯の知られざる裏側も見られて興味津々。ネコだけど、人情たっぷりの物語。最後には少しほろりとします。

藤本タツキ短編集 22-26

藤本タツキさんが22歳から26歳までに執筆した作品をあつめた短編集。収録されているのは4作品だけですが、いずれも完成度が高く、現在の藤本タツキさんのカラーがよく出ています。作品ごとにあとがきがあって、ウラ話が知れるのもおもしろいポイント。

『人魚ラプソディ』は、少年が人魚に恋をするお話。作者いわく、「普通の話」だそうです。たしかに、4作品の中では一番ジャンプっぽい作品です。でも、ちょっと残酷なところが藤本さんらしい。

『目が覚めたら女の子になっていた病』。かなり乱暴なタイトルです。男の子が女の子になってしまう話は何度もえがかれてきましたが、この作品は、もし本当にそうなったら生じるであろう問題に、逃げずにえがいている感じがします。

『予言のナユタ』は不気味な導入からはじまります。世界を滅ぼすといわれるツノのはえた少女。世界中から狙われる存在。不可解な行動をくりかえす。不思議な言葉をしゃべり、意思の疎通もかなわない。それがもし、自分の妹だったら?

普通のマンガを読んでいたら出会えないであろう作品です。しかし、根底にあるのは家族愛。いくら不気味でも、しっかりとした信念を感じられます。

メタモルフォーゼの縁側

BLマンガだと知らずに間違って買ってしまった老婦人と、書店員のバイトをしている女子高生との友情をえがいた作品です。

おだやかにすすんでいく物語。思いもかけない出会いが少しずつ二人を変えていきます。二人をとりまく人々の物語もみどころ。同級生の恋の行方。ある漫画家の日常。それらが少しずつからまりながら構成されています。

おだやかでやさしい友情の物語です。

いえめぐり

白猫っぽいキャラクターが黒猫っぽいキャラクターにさまざまな物件を紹介されるだけのお話。その物件が奇妙なものばかり。奇妙な家具、奇妙な間取り。その奇妙さは次第にエスカレートしていき、最後はとんでもない方向に向かいます。

緻密な筆致でえがかれる背景。サイケデリックなカラーページ。もはや芸術です。

作者のネルノダイスキさんは多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業。マンガだけでなく絵画も制作し、アーティストとしての一面もある方です。

奈良へ

売れない漫画家、不良高校生、「奈良を救う」といって突然サラリーマンの仕事をやめた男。移り変わる主人公たち。東京の現実。奈良の現実。そして物語は思わぬ展開をみせます。

このマンガは正直、導入部分を読んで「あまり好みではないかも」と思いましたが、最後まで読んでみるとおもしろかったです。

このマンガのおもしろいところは主人公が移り変わるところ。主人公に選ばれた登場人物が何かにとりつかれたように狂ったような思想に傾倒します。破滅的でありながら、わびさびを感じるジャパニーズパンクな一冊です。

太郎は水になりたかった

ガイコツ頭の中学生・太郎と頭の割れた友達・ヤスシ。おバカでモテない二人が恋と友情と妄想に翻弄されます。バカバカしいけどどこかなつかしい青春物語。

大橋裕之さんの絵はヘタウマな感じですが、この作品では夕暮れの日差しなどの影の表現が美しいトーンワークでえがかれ、中学生の微妙な心模様が効果的に演出されています。トーンワークは漫画家の奥田亜紀子さんが担当されました。

アントロポセンの犬泥棒

川勝徳重さんの短編集です。豊富な知見にもとづき、さまざまな技法やオマージュを駆使して表現する漫画家です。ガロ系や怪奇マンガの影響が強いため、読む人を選ぶかもしれません。絵柄は昭和を感じさせるのに、物語にはスマホやYoutubeなどが登場。感性も現代の人に響くような表現です。

『多重露光』は作者自身の暗い過去をえがいた作品。小学生のとき、空のプールに突き落とされた記憶、いじめられていた同級生。自分は本当に突き落とされたのか?それとも?思い出がいかにあいまいで心もとないものなのかを思い知らされます。

つつがない生活

パンクバンド・MILKのギターINAさんのマンガです。この作品では、日々の生活、バンドのアメリカツアー、フランスへ行った新婚旅行をえがいています。

家で妻の在宅ワークを手伝っているINAさん。妻と妻の妹の3人で暮らしています。悩みはあるけれど、お互いに心の支えとなりながら生きていく家族の姿がそこにあります。

日本短編漫画傑作集

劇画や少年漫画の短編を年代別に収録した作品集です。さまざまな大物漫画家の傑作短編。作品から当時の世相も読み取ることができます。1960年代から70年代の作品は戦争の影がまだ感じられ、暗い作品が多いです。

その後の漫画に影響をあたえた作品が多く、見逃せません。

思えば遠くにオブスクラ

フリーのカメラマン・片爪亜紀がひょんなことからドイツ生活をはじめます。ドイツの文化に触れられるだけでなく、主人公の成長物語にもなっています。美しい背景、おいしそうな料理、かわいいキャラクターが丁寧にえがかれています。

BoichiオリジナルSF短編集 1・2

『Dr.STONE』のBoichiさんの短編集です。圧倒的な画力と壮大なスケールでえがかれる完全無欠のSF。『時空の旅人』と『名も無き戦士』、2冊同時に発売されました。

あっと驚く展開、セクシーなシーンもあってみどころたっぷりの短編ばかりです。

ある高級寿司店。マグロのお寿司をほおばる少年。しかし、何か様子がおかしい。少年が口にしたマグロは…。(『すべてはマグロのためだった』(『時空の旅人』収録))

地球最後のトラック運転手、ハル・シン。ロボットや人工知能が発展した未来、働く人間は彼一人となっていた。しかし、彼には秘密があった。(『彼はそこにいた』(『名も無き戦士たち』収録))

バクちゃん

ある日地球におりたった宇宙人・バクちゃん。かわいいバクちゃんですが、実は社会派作品です。

あらゆる宇宙人が往来する近未来の東京。しかし、そこにあったのは言葉の壁、社会保障の壁、雇用制度の壁。日本で働く外国人を宇宙人におきかえて彼らを取り巻く厳しい環境をえがきます。それでも明るく生きていく宇宙人たちを健気に思います。

ベルリンうわの空

ベルリン在住の香山哲さんのマンガ。自身の経験をもとにして、創作をまじえながらベルリンでの生活をえがきます。グルメや生活スタイルだけではなく、ドイツで暮らす人たちの考え方にふれることができます。

「お金だけが全てではない」と言葉ではわかっていても、お金より心の平穏を重視して暮らすことの大切さに気づかされます。外国の絵本のようなあたたかくてオシャレな絵柄もみどころ。

末期ガンでも元気です

サブタイトルは「38歳エロ漫画家大腸ガンになる」。作者のひるなまさんはエロ漫画家というよりBL漫画家。鳥獣戯画のうさぎっぽい見た目でえがかれます。旦那さんはプロレスラーっぽい方。

もし突然ガンになってしまったら?頼りになるのは?何ができて何ができない?役立つ知識をたのしく、しかし、できるだけありのままえがいてくれます。

DEATH NOTE短編集

名作『DEATH NOTE』のスピンオフ読み切り短編をまとめたものです。これまで単行本に収録されなかった作品もあり、ファンならずとも必読の一冊です。

かみさまとX

青年・西田のアパートに突然あらわれたかみさま。はだかで子どものようでほほえみを浮かべたまま表情はかわらない。かみさまに問いかけても返ってくるのは抽象的な言葉ばかり。慈悲深いようで無慈悲なときもある。よく食べる。西田のかみさまとの交流と、かみさまのルーツを探る旅をえがいています。

みえない神という存在が一人の人間としてえがくことで、神とのつきあい方を考えさせられる作品になっています。

Manga Day to Day

コロナ禍で漫画家たちが思ってきたことやコロナ禍の世界をえがいた短編集です。コロナ禍がはじまった2020年4月のちばてつやさんからはじまり、リレー連載でさまざまな漫画家たちが参加しています。

だれもが初めて経験する事態に、漫画家たちが戸惑いながら何を感じてきたのかを知ることができます。日を追うごとにコロナに対する考え方も少しずつ変わっていき、歴史的な事態の記録としても読むべき作品だと思います。

呪いと性春 文野紋短編集

現代を生きる少女たちの情念をえがいた短編集です。かわいらしい表情とリアルな描写のギャップが現代的な雰囲気。エロティックな描写も多いです。

表題作『呪いと性春』は女子高生の三上とその三上をストーカーする同級生・高津戸の物語。パンツを見せるシーンが神々しいです。

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