まとめ

2022年1月発売の短いマンガ8つ 『書痴まんが』ほか

どうもこんにちはきたはちです。

5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。

このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。

1月発売の短いマンガは予想をこえる良作ぞろいでした。この記事では、1月発売の短いマンガの感想をまとめてみました。

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2022年1月発売の短いマンガ8つ

今回はつぎの8つの作品を紹介します。

  • 書痴まんが
  • 苦楽外
  • 神様、僕は気づいてしまった
  • ミミの怪談 完全版
  • リボンと棘 高江洲弥作品集
  • フェンリル
  • 絶滅動物物語
  • 初恋

(発売順)

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書痴まんが

おすすめです。

元記者で、現在は書籍やコミックの編集などにたずさわっている山田英生さん編の短編集。本を愛し、本におぼれ、本に翻弄される主人公たちをえがいた作品がテーマ別に収録されています。

水木しげるや辰巳ヨシヒロなどのレジェンド漫画家から、西村ツチカ、コマツシンヤなどのフレッシュな顔ぶれもそろっています。

山田英生さん編集のまんが短編集シリーズはこれまでも発売されてきましたが、これだけさまざまな年代のマンガを網羅しているのはなかなかないのでは?古い作品、新しい作品だけでなく、その中間もあるといった感じです。個人的には、2011年発表、黒田硫黄さんの『男と女』が収録されているのがうれしいですね。

西村ツチカさんの作品『きょうのひと』もとても好きです。

仕事をバリバリこなす事務員(?)の女性が主人公。彼女は昼休みにお気に入りの小説を読むのが日課。しかし、毎日読んでいるのにいっこうに読み終わりません。

小説の中にダイブする描写が想像力をかりたててくれます。

西村ツチカさんの『アイスバーン』を読んで、かわいい絵柄なのに欲にまみれている感じがあんまり好きじゃなかったんですが、今回読んだ作品は心がざらつく感じを残しつつ、よりスマートで読みやすかったです。

ミミの怪談 完全版

ホラー好きでなくても読んでほしい。

ホラーの巨匠、伊藤潤二さんの作品。2003年に発売された『ミミの怪談』にエピソードを加えて完全版として発売されました。

なんとなく読んだことがあるのですが、当時はホラー漫画は怖くてあまり好んで読んでいませんでした。

実話が元になっているとのことで怖気づいてしまいがちですが、主人公たちが一貫して関西弁なのがおもしろいです。

登場人物が共通していながら、一つ一つのエピソードが独立しているオムニバスストーリーなので、飽きずに読めるのもうれしいポイント。

グロい感じはひかえめだし、ゾンビとかではなく相手は実体のない幽霊なので、怖いのが苦手でも読めるかも?

絶滅動物物語

読んだ後に「おお~」と声が出てしまいました。

絶滅してしまった、もしくは、絶滅の危機にある動物たちをえがいた短編集。ドードー、ステラーカイギュウ、アメリカバイソンなど、短編ごとに一つの動物が取り上げられています。

クローン技術をテーマにした「ピレネーアイベックス」もなかなかおもしろかったですが、個人的にお気に入りなのは、「オオウミガラス」。

近代ベルギーの博物館館長、ベルナール・デュ・ビュス・ド・ジジニーが主人公。彼は、博物学の名のもとにオオウミガラスの剥製を手に入れます。しかし、彼が手に入れた剥製は地球で最後に生き残ったオオウミガラスだったのです。ほとんど会話劇で語られるストーリーがなんともシブい作品です。

ひとことに絶滅動物といっても、その動物がなぜ絶滅するに至ったかはさまざま。もちろん、絶滅する決定的な原因は人間が作りました。動物たちは苦痛に顔をゆがめるでもなく、悲鳴をあげるでもありません。物言わぬ彼らの瞳が私たちの心に訴えかけます。

以前から『RARE』というナショナルジオグラフィックの絶滅危惧種写真集を持っていたのですが、ぜひその写真集も一緒に見てほしいです。

初恋

恋愛ものが好きならおすすめ。ハルミチヒロさんの初恋をテーマにした短編集。

初恋と聞くと甘酸っぱいイメージを抱きがちですが、この短編集でえがかれるのはほろ苦い初恋。

ぼくが好きなのは「終天」という話です。

高校生の武直は法事で久しぶりに親戚の家に泊まりにきた。そこにいたのは小学生以来あっていない従姉妹の虹歩。直武は昔に経験した不思議な体験を思い出す。寝ている間にきれいな足に腹を踏みつけられる感覚。あれは夢だったのか…。それとも?

ただの幼なじみとの恋物語ではなく、ミステリアスでエロティックなところがいいです。

自分の初恋となると、いい思い出だけの人はあまりいないはず。ほとんどが実らずに終わり、久しぶりに会ったとしても気持ちはもう離れていて微妙な関係。

そんな初恋の持つもの悲しさが逆にいとおしくなるような一冊になっています。

神様、僕は気づいてしまった

小説家の岩城裕明さん原作、漫画ウエマツ七司さんのオムニバスストーリー。

あやゆる祭りをかぎつけてやってくる異形の神々。それぞれ、喜、怒、哀、楽をつかさどっています。神々は特定の人間にしか見えず、選ばれた人間はギフトという特殊能力を授けられます。

能力をどう使うかは人間次第。幸福も災いももたらします。

人間のドロドロした感情に焦点をあてたところが今の気分に合っています。後味の悪さが逆に気持ちいい。テーマは一貫していますが、それぞれの短編のテイストが違うので頭を切り替えて読むことができます。

欲をいうと、もうちょっと気持ち悪い終わり方でもよかったかな?

リボンと棘 高江洲弥作品集

毒々しくてエロティック、グロテスクでホラーもある短編集。

幼なじみのきれいなお姉さん。部屋をのぞいていたらまさかの秘密が…(『のぞき穴』)。

古屋兎丸さんのようなエログロがありつつ、ちょっとキャッチーな絵柄が魅力です。ファンタジーっぽいところもあるので読みやすいです。

唯一無二の高江洲弥ワールドがひろがります。

苦楽外

美容師の洋助。バスにゆられ、漁師町にたどりつきます。

「仕事やめたーい!!」

不思議な少年との出会い。洋助の秘められた思い出がよみがえります。

ノスタルジックな風景とエロティックな妄想が交差する物語。

ポップでアニメチックな絵柄ですが、トラウマをほじくりかえすような感覚におそわれます。

青春を呼び覚ますような感覚もあり、現代人の忙しさも表す現代的なファンタジーといえます。

フェンリル

モンゴルの地で生まれ育ったテムジン。美女に姿を変えた未知の生物・フェンリルと出会い、テムジンは不思議な力を与えられる。

一方、日本からモンゴルにわたり、チンギス・ハンとなったという伝説が残る源義経。

どちらが本物のチンギス・ハンなのか?

二人のチンギス・ハンというロマンあふれるシチュエーションにワクワクします。

絵も美麗。ただ、バトルシーンがわかりずらいような気が?

三国無双シリーズや新選組のインスパイア作品が好きな人におすすめです。完結の4巻が1月に発売されました。

まとめ

というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。

気になる作品があったらぜひ読んでみてくださいね。

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