ネルノダイスキさんのマンガ『いえめぐり』が1月12日に発売されました!おめでとうございます!
緻密な絵が非常に魅力的な作品。マンガというかもう芸術品のよう。そして、トリップ感がヤバいマンガです。
マンガとしてはちょっとお高めですが、これだけの絵を目にできるなら納得です。
ストーリーは部屋を探しにきたお客さんが不動産業者の人と様々な物件を内見しにいくだけの話。しかし、その物件のどれもが摩訶不思議なつくりをしているのです。
この記事では、マンガ『いえめぐり』の魅力をたっぷり紹介します!
Amazonでは試し読みできないようなので、ebookjapanで試し読みしてみてください。
ネルノダイスキ『いえめぐり』ってどんな漫画?
ネルノダイスキさんは多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業された漫画家・イラストレーター。過去には文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞と審査員推薦作品を受賞しています。
不動産屋を訪れた主人公。探している物件は、部屋数多め・静か・駅から徒歩30分以内。ごく普通の部屋を探しているはずが、紹介される物件はなぜだか奇妙なものばかり。一軒一軒めぐるたびに、前居住者の住居に対する奇天烈な発想に目を奪われ、思わず他の物件も見たくなる主人公、エスカレートしていく物件探し。果たして理想の物件に巡り合うことができるのか。数々の物件を内覧した主人公が出した決断はいかに!
いえめぐり Amazon詳細ページより
この紹介文は間違ってはいないですが、この作品の魅力を言い表しているかというとちょっと疑問です。
これだと、ストーリーが面白そうだという印象を受けてしまうかもしれません。ストーリーは単純なんです。不思議な物件を内見し、気に入らない点があってまた別の物件に向かう。それが1話ずつ繰り返されるだけです。
ただ、その物件の不思議さが尋常ではないんです。まるで冒険しているかのようなスケールの大きさなのです。
「白ネコと黒ネコが人間みたいに物件を探すほのぼのした話かな」と思った人は全然違いますのであしからず。
魅力①銅版画のような緻密な絵!
16ページくらい試し読みできると思うのですが12ページあたりから様相が変わってきます。
摩訶不思議な内装、家具、ものものしい機械、そして怪物(?)。
それらを細い線と小さい点で描いていきます。セリフも少なめで、とにかく絵の情報量がものすごいです。
まるで一コマ一コマが銅版画のような細密さ。様々な物件を、美術館を巡るようにじっくりと楽しんでください。
魅力②内見というモチーフでどこまでもいけそう!
様々な家を内見していくという単純なストーリーですが、ネルノダイスキさんが描くとずっと見られますね。
世界観は一貫しているのですが、物件のコンセプトにバリエーションがあって面白いです。ネルノダイスキさんが描いた様々な物件を無限に見たくなります。
お笑いのネタで不動産屋のコントってよくありますよね。とんでもない物件を紹介されてツッコむみたいな。『いえめぐり』の場合は、物件の摩訶不思議さがすごすぎてツッコみきれないです(笑)。
魅力③冒険とトリップ感!
『いえめぐり』は家が奇妙すぎて、内見というよりむしろ冒険になっているんですよね。
1話目は外見は普通の一軒家ですが、2話目からは全く違うつくり。機械的だったり、植物であふれかえっていたり。家のある場所も様々。
読んでいる途中で、
「あれ?いま何のマンガを読んでるんだっけ?」
と意識がトリップしてきます。読んでいて気持ちよくなってくるヤバいマンガですね。
ちょっと気持ち悪い…
『いえめぐり』には途中から生き物っぽいものが登場するのですが(なんで内見に生き物が…)、その造形がちょっとグロテスクですね。人によっては合わないかもしれません。
深海魚とか奇妙な生物とかが好きな人には刺さると思います。
まとめ
『いえめぐり』は絵画を詰め合わせたようなマンガです。ストーリーは内見なのに冒険心をくすぐるのが面白いですね。ネルノダイスキさんが描く摩訶不思議な世界にトリップしてください。
『いえめぐり』はKADOKAWAから発売されています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
コメント