1巻完結,短編集

INA「つつがない生活」を読んでみた【感想】

どうもこんにちはきたはちです。

5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。

このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。

発売日、作家

INAさんのマンガ『つつがない生活』が9月25日に発売されました!おめでとうございます!

この記事では、『つつがない生活』の魅力を紹介します!

スポンサーリンク

INA『つつがない生活』ってどんなマンガ?

第一回トーチ漫画賞受賞『牛乳配達DIARY』のINA最新作!

買い出しメモ、ヒヤヒヤの通帳記入、義妹の宿題、妻が寝るまで待つ時間、卒業式、バンドで行ったアメリカツアー、妻からの手紙コレクション、事故、深夜徘徊、海、パリ新婚旅行、失くしたピアス、旅の出会い、旅の終わり、告白―――

優しく鮮やかな筆致が照らし出す、暮らしの中の、なんてことなくて美しい瞬間の数々。

若き著者[二十代・新婚・自営業・パンクス]が描く、現代ニッポンを他者と共に生きる暮らしの記録。

『つつがない生活』 Amazon詳細ページより

INAさんはパンクバンドMILKのギタリスト。

バンド活動のかたわらマンガの執筆をはじめ、『牛乳配達DIARY』が2020年4月に刊行されました。『つつがない生活』はINAさんにとって2作目になります。

『牛乳配達DIARY』はINAさんが牛乳配達の仕事をしていたときの経験を赤裸々に描いた作品。今回の『つつがない生活』もINAさんの日々の生活やをエッセイ風に描いた作品です。

本作は、1作目よりはおだやかでハッピーな雰囲気のあるマンガでした。1作目のほうがインパクトがあって鮮烈。逆を言うと、2作目の方がより読みやすいとも言えます。

スポンサーリンク

『つつがない生活』の内容は?

『つつがない生活』は大きくつぎの3つのパートで構成されています。

  • 家庭編
  • アメリカツアー編
  • パリ新婚旅行編

家庭編

妻のユウさんとその妹の小学生・カナミさんとの生活を描いています。

ユウさんとカナミさんの両親は離婚しており、夫のイナヲ(INA)さんは無職。

ユウさんはフリーランスで在宅で仕事をしていますが、何の仕事かまではわかりません。

いわゆる「普通の家庭」とは少し違う家族のカタチ。しかし、日本のリアルな家族像がそこにあります。

アメリカツアー編

INAさんのバンド、MILKが2019年に行ったアメリカツアーを描いています。

ツアーといっても宿泊先はホテルではなく現地の人の実家、移動はレンタカー、会場はライブハウス。アンダーグラウンドな雰囲気からバンドカルチャーの熱気がつたわってきます。

パリ新婚旅行編

妻のユウさんと行ったパリの新婚旅行の様子を描いています。

特に大きな事件は起きない

エッセイ系のマンガのみどころは、なにか事件が起きて、作者である主人公が怒ったりパニクったりするシーンだと思いますが、この作品では特に大きな事件は起こりません。

『つつがない生活』というタイトルの通り、日々の生活を淡々とえがいています。

しかし、アメリカツアーであったり、パリ旅行であったりするので、特別感はあります。それと同時に、日々の生活でのささいな出来事さえ、特別さを感じながら過ごすことが大切だと気づかされます。

謙虚なパンク魂

『つつがない生活』ではおだやかにみえる生活のなかにも、現状に対する不満が感じられます。仕事のない現状。小学生のカナミさんに会いにこない父親や、思慮の欠けるカメラマンに対する怒り。

おだやかなだけではなく、時折そうした不穏な空気も流れます。それはこの作品のみどころであり、INAさんのマンガの真骨頂だと思います。

そうした不満の表現のルーツは、パンク魂にあると思うんですよね。現状になにか言いたいことがあるからこそ、パンクロックにのせて発信するわけです。そして、INAさんのパンク魂はマンガにもあらわれているのだと感じます。

ゲロで汚れたカローラをかっこいいと感じるところも、いかにもパンクっぽいエピソードです。

『つつがない生活』=INAさんの幸福論

『つつがない生活』のストーリーはおだやかだけど、不満を感じる時もある。それは現実の私たちの生活もそうです。ずっと幸せでおだやかな生活を送っている人はいないはず。

わたしもそうです。本当はマンガを読んでブログを書いて生活できればいいけど実際はそうじゃない。40歳だけどいまだに独身で低所得。でも、家族もいるし、幸せだと感じることもあります。

基本的には私たちは不幸せ。だからこそ、たまに訪れる幸せを感じることができるのです。

また、作品をとおしてINAさんの幸福観がなんとなくつたわってきます。それは「つながり」。日常を過ごしているとわからないけど、遠くの人、遠くの町とつながっている。そうしたつながりを感じることがINAさんが思う幸せだとつたわってきます。

まとめ

というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。

『つつがない生活』は不満があっても日々を大切に生きていくことをえがいています。ぜひ読んでみてくださいね。

このブログではマンガにまつわる様々な情報を紹介していきます。

twitterもやっていますのでフォローなどよろしくお願いします。それでは。

コメント

タイトルとURLをコピーしました