どうもこんにちはきたはちです。
5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。
このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。
真造圭伍さんの短編集『センチメンタル無反応』が9月30日に発売されました。
「ひらやすみ」が話題の真造さん。
真造さんならではの日常の切り取り方がおもしろい一冊になっています♪
この記事では、『センチメンタル無反応』の魅力を紹介します!
『センチメンタル無反応』ってどんなマンガ?
真造圭伍氏、6年振りの玉手箱的短編集!!
ラブも、戦争も、宇宙人も、闘病も。
恥ずかしくなるような日々に、願いを込めて。
「マンガ大賞2022」第3位にも輝いた
『ひらやすみ』の真造圭伍氏、6年振りの短編集!!
悪友との青春逃避行『ディパーチャー』
極限状態でのノスタルジー『居酒屋内戦争』
ボーイ・ミーツ・ギャルラブコメ『美術部の海野さんと山田くん』
ゴミ屋敷一家の崩壊と絆『清水家のすべて。』
居酒屋ドタバタ劇『いつでもフラッと飲める友達がほしいよ』
宇宙人兄弟の生活記録『トーキョーエイリアンブラザーズ【後日談】』
創作における挫折と哀愁『松本大洋になりたかったよ』
そして、『ひらやすみ』創作に至る闘病エッセイ『悪性リンパ腫で入院した時のこと』など、単行本未収録だった、全8編を収録。
煌めきと挫折と希望を詰め込んだ、センチメンタルな作品集!!
『センチメンタル無反応 真造圭伍短編集』 Amazon商品ページより
真造さんとしては3作目の短編集になります。
あの日、あの時見た景色。妙に記憶に残る瞬間。そんなシーンを切り取るのがうまい♪わざとらしく感動的でない分、逆にそれがリアルです。
216ページとボリュームも多め。収録作品も8編で読みごたえがあります。
ディパーチャー
中二の学祭前日、宮本は友達と家出した。
しかし、よりによってついてきたのは鳥羽山。
鳥羽山は友達だけど嫌いな奴だった。
青春ロードムービー的なストーリーだけど、わくわくするような事件は特に起こらず、ビミョーな出来事ばかり。
もっと仲のいい友達と行きたかったのに、ついてきたのは鳥羽山。
このビミョーな感じがリアルです。
やがて、宮本と鳥羽山との関係に変化が起こり、意外な結末をむかえます。
ビミョーな出来事が青春だったなとしみじみ思う作品です。
居酒屋内戦争
第三次世界大戦がはじまって6年。
新宿は戦場と化していた。
入江と向井が逃げ込んだのはかつての居酒屋。
入江が昔いったことのある居酒屋だった。
新宿で戦争というありえない設定ですが、昔来たことのあるところが前とは違う風景になっているなんてことはよくあること。
戦場という非日常に、日常的な感覚をもってくるあたりがうまいなと思いました。
ユーモアの中に、日常の大切さ、平和へのメッセージ性を感じるいい作品です♪
美術部の海野さんと山田くん
山田は美術部なのに絵をかこうとしないギャルの海野さんにイライラしていた。
しかし、海野さんから絵をほめられ、海野さんのネイルをぬることになる。
女の子の手を触るドキドキ感。ネイルとはよく考えたなと思いました♪
ラブコメなんだけど、特に関係性が進展しない。
でも逆にそれがさわやかさを感じさせます♪
清水家のすべて。
高校生の美智子ははじめて彼氏の久保を家に呼んだ。
でもそこはゴミ屋敷。
美智子の父は仕事もせずにゴミをあつめ、兄は引きこもりでネット配信。母は文句も言わず淡々と家事をこなす。
美智子ははやくこの家から出たかった。
重い設定もユーモアを交えつつ軽く仕上がっています。
家族だからこその不器用さ、家族にしかわからない思い。
家族の破壊と再生の物語。
家族というものをじわ~っと感じる作品です。
いつでもフラッと飲める友達がほしいよ
”僕”が入った居酒屋。はじめてのお店。
”僕”の目的はなじみの店、いつでもフラッと飲める友達を見つけることだった。
居酒屋めぐりが趣味の自分としてはわかりみの深い話。
いきつけのお店と一緒に飲める友達がいてこそいっぱしの大人って感じがしますよね?
居酒屋で初めて会って仲良くなった人。
でも、お酒も入っているのでその人の素性はわからない。
居酒屋という空間で生まれる関係性のおもしろさをえがいた作品です♪
トーキョーエイリアンブラザーズ(後日談)
夏太郎と冬ノ介の兄弟は実は宇宙人だった。
彼らの隣に住む本間菜々子は山形から出てきた新社会人。
彼女には悩みがあった。
同名の連載作品の後日談。
「この作品だけ読んでもわからない」とあとがきに書いてありましたが、そんなことはなかったです。
宇宙人の二人のアドバイスが的確なんだかなんなんだかわからない感じがほっこりします。
それでも不思議と悩みがはれてしまう。人間の悩みなんてそんなものなんだろうなと思います。
松本大洋になりたかったよ
漫画家志望の田口は悩んでいた。持ち込みをしてもかすりもしない。
あこがれの松本大洋を目指すあまりに真似になってしまっていた。
短い中に挫折と成功がつまっている。
しみじみとわびさびを感じる作品です。
悪性リンパ腫で入院した時のこと
こちらは作者の真造さん自身の体験をもとにしたエッセイ漫画。
ゆるいタッチであっても、入院中の妙に記憶に残るシーンをうまく切り取っています。
まとめ
というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。
『センチメンタル無反応』。すべてはこのタイトルに詰まっている気がします。なんでもない日常がセンチメンタルだったり、大きな出来事が起こっていても当の本人は反応がうすかったり。作者ならではのリアルさを感じることのできる短編集です。ぜひ読んでみてください!
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