1巻完結,短編集

道満晴明「バビロンまでは何光年?」あらすじと魅力は?【漫画完結】

変わったSF漫画が読みたい!

という人は道満晴明どうまんせいまんさんの「バビロンまでは何光年?」を読んでみてはいかがでしょうか?

「バビロンまでは何光年?」は2020年に第51回星雲賞コミック部門を受賞しました!

星雲賞は優れたSF作品に贈られる賞です。

「バビロンまでは何光年?」は藤子・F・不二雄さんの「21エモン」を下敷きにしつつ、キッチュな道満ワールドを展開させたSFアドベンチャーコメディです。

気になる中身について紹介していきますね。

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「バビロンまでは何光年?」あらすじと魅力は?

「バビロンまでは何光年?」は道満晴明さんのマンガです。

全32話で207ページ。1話あたり約6ページの物語がつづきます。1巻完結です。

2019年に秋田書店から発行されています。

この記事はこのような内容になっています。

・あらすじ

・登場人物

・エロいけどポップ!

・色んな作品からのオマージュがおもしろい!

・エロもからめた多様性が考えさせられる

あらすじ

宇宙を旅しているジャンクビーフホッパーは、消滅してしまった地球跡で記憶喪失の最後の地球人・バブを見つける。

バブの目的地、バビロンとは果たしてどこなのか?

バブの失った記憶をたどるために、あてのない宇宙の旅がつづく。

登場人物

バブ

地球消滅後に宇宙でただ1人残った地球人。記憶喪失。

宇宙空間を救命ポッドで漂っていたところをジャンクビーフとホッパーに見つけられる。

子孫を残さなければいけないという本能のため性欲が強い。

ジャンクビーフ

ロボットのような見た目の機械生命体。

医者。

ナノマシンをあやつっていろんな手術ができる。

ホッパー

絶対生物。

宇宙空間でも飲み食いせずに千年生きられる。

カレルレン

オーバーロード人の女性。

発展途上の星の進化をうながすボランティアをしている。

子孫を残したいバブのためにセックスをする。

名前や設定はアーサー・C・クラークの小説、「幼年期の終わり」からのオマージュ。

ミンゴ=ス

大規模工事のために撤去する予定の星に1人居座るミゴ星人

円錐に一つ目という見た目。

ミゴ星人が出す光をあびると脳が溶けてパッパラパーになる。

四次元人

宇宙で唯一時間を超越した者。

全ての時空を行き来できる全宇宙の神のような存在

その姿を見た者は少ない。

エロいけどポップ!

「バビロンまでは何光年?」は主人公の設定上、ちょっと下ネタっぽいシーンが出てきます。

でも、道満さんの絵がポップなのでそんなにエッチじゃないですよ。

エッチの相手も宇宙人ですしね。

道満晴明さんは成人向け漫画をかいてきましたが、ここ数年は一般向けの作品で活躍されています。

成人向け漫画の中でもポップにデフォルメされた道満さんの絵柄は他の作家さんとはちょっと違う感じですね。

ちょっとエッチですが、全部ではないし、成人向け漫画のように性に関して扇情的な表現でもないので安心して読めると思いますよ。

色んな作品からのオマージュがおもしろい!

「バビロンまでは何光年?」の下敷きにされているのは藤子・F・不二雄さんの「21エモン」ですね。

バブ、ジャンクビーフ、ホッパーはそれぞれ、

「21エモン」の21エモン、ゴンスケ、モンガーによく似たキャラクターです。

ストーリーもよく似たところがあります。

道満さん自身、短い作品を得意としているので、藤子・F・不二雄さんの作品に似ています。

藤子さんの後継者はもしかしたら道満さんなのかもしれませんね。

他にも、タイトルがイギリスの童歌「バビロンまで何マイル」からとっていたり、アーサー・C・クラークや星新一などいろいろな作品のオマージュが隠されていたりしますよ。

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エロもからめた多様性が考えさせられる

「バビロンまでは何光年?」は結構深いSFだと思うんですよね。

主人公のバブは地球人としてただ一人になってしまったがために、いやおうなく性欲が押し寄せてくるっていう設定です。

そんなバブはタコだろうがイモムシだろうがどんな姿かたちの宇宙人でもセックスしようとします。

人の多様性を理解する上で、人間が本来持っている性欲を無視しないでちゃんと描いている作品だと思います。

相手の文化を理解しているかどうかとセックスできるかどうかはまた別問題でしょうが、文化が全然違う2人がお互いに理解・尊重しつつセックスできるっていうことは実は素晴らしいことなんじゃないかって考えさせられましたね。

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まとめ

「バビロンまでは何光年?」は一見、お下劣SFコメディのようなストーリーですが、SFのオマージュがあったり、ダイバーシティについて考えさせられたり、色んな要素が盛り込まれています。

宇宙のなりたちや家族についても描かれていたりして、まじめにやれば結構いい話になるんじゃないでしょうか。

でも、サクッと読めてクスッと笑えるキッチュさが道満さんの作品のいいところでもあるんですけどね。

「バビロンまでは何光年?」、ぜひ読んでみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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