1巻完結,短編集

漫画『のんのんばあとオレ』の魅力3選 水木しげるの原点!

妖怪と少年が出てくる漫画ないかなあ

ありますよ~。水木しげるさんの「のんのんばあとオレ」です。

私は少年時代に見たドラマ版の思い出がずっと残っていて、

最近、文庫を購入しました。

『のんのんばあとオレ』水木しげるさんが1977年に発表した自伝的エッセイです。1991年にNHKでドラマ化され、1992年にマンガ化されました。

ちなみに、残念ながらドラマ版はNHKでも動画配信していないようです。

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水木しげるの原点!漫画『のんのんばあとオレ』の魅力3選

水木さんの『のんのんばあとオレ』を読み返していると、

アマビエが何かしてくれるとは思えなくなってきます。

その根拠と、『のんのんばあとオレ』についてまとめてみました。

・「のんのんばあ」って何?

・数々の受賞歴

魅力1.妖怪との交流
魅力2.人の死
魅力3.恋と成長

まとめ

「のんのんばあ」って何?

「のんのんばあ」の「ばあ」はおばあさんのことですが、

「のんのん」は拝むことです。

のんのんばあの旦那さんは「拝み屋」(祈祷師)でのんのんばあも信仰が広かったそうです。

 

「のんのんばあ」は水木家にお手伝いに来ていたおばあさんです。

水木さんはのんのんばあから妖怪死後の世界のことを教えられて育ちました。

『のんのんばあとオレ』はのんのんばあとの交流や、ガキ大将との決闘、淡い恋の思い出など、水木しげるさんの少年時代を描いた作品です。

 

数々の受賞歴

マンガ版の『のんのんばあとオレ』は2007年にフランスの第34回アングレーム国際漫画フェスティバルで最優秀作品賞を受賞しました。

ドラマ版はNHK鳥取放送局で制作され、1992年に文化庁芸術作品賞を受賞しています。

 

マンガ版『のんのんばあとオレ』は、ドラマ版をもとにして作られました。

ちなみに、水木しげるさんの本名は「武良茂」さんですが、

ドラマとマンガでは水木少年は「村木茂」という名前で登場し、「しげーさん」と呼ばれています。

 

『のんのんばあとオレ』は国境を越えて、時代を超えて愛されているマンガです。

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魅力1.妖怪との交流

これはからかさ小僧。

夜、道を歩いてるときに、後ろから下駄の音が聞こえてきたことはありませんか?

 

それはきっとべとべとさんです。

べとべとさんと遭遇したら、

「べとべとさん先へおこし」と言うと通り過ぎてくれます。

 

『のんのんばあとオレ』にはそんなに頻繁に妖怪が出てくるわけではありませんが、

たまに現れてはしげーさんに教訓をあたえ、この作品のみどころの一つになっています。

 

もともと妖怪とは、昔の人が原因のわからない現象に名前をつけておそれうやまったものがはじまりだといわれています。

 

夜に背後から足音のような音が聞こえるのも、もしかしたらただの人とか野良猫かもしれません。

 

“腹の虫”という言葉も、病気の原因がわからなかったため、昔の人が虫のせいにしていたなごりといわれています。(※)

 

しげーさんは不思議な現象を実際に体験することで、妖怪や死後の世界を信じるようになります。

妖怪にも実際に会って話をします。

 

小豆はかりという妖怪です。

コミカルな見た目で、小豆をまくだけの妖怪ですが、結構深いことを教えてくれます。

 

また、物語の中では、悪者やいたずらっ子が不信心なことをすると、妖怪にしっぺ返しを食らいます。

そんな様子を見て、しげーさんも悪さをしないようにまっとうに育っていきます。

※参考リンク:九州国立博物館 | 収蔵品ギャラリー『針聞書』

 

魅力2.人の死

あなたは人が死ぬことについていつから理解していましたか?

 

『のんのんばあとオレ』では登場人物が亡くなることが意外と多いです。

戦前の日本は貧しかったため、人が亡くなることも多かったのでしょう。

 

しげーさんも死後の世界、十万億土の手前あたりまで行きます。

十万億土とは仏教用語ですが、

しげーさんの行った極楽浄土にはお菓子のなる木がありました。

 

昔の人は、死に直面する機会が多かった分、子どものころから死について考えることが多かったのかもしれません。

別れをくりかえして、しげーさんはさらに成長します。

 

魅力3.恋と成長

『のんのんばあとオレ』にはヒロインが2人出てきます。

東京から来た千草という少女と、不思議な力をもった美和という少女です。

どちらの少女ともお別れすることになりますが、失恋を経験してしげーさんはまた成長します。

 

いろいろな経験をすることで、絵が好きでちょっと変わった少年が、

物語の終盤ではびっくりするほど大人びて見えます。

まとめ

『のんのんばあとオレ』に出てくる妖怪は、人間をおどろかせたりするものの、

いいことはそんなにしてくれません。

小豆はかりが唯一、しげーさんに少しアドバイスしてくれるくらいです。

あとは小豆をまくだけです。

 

疫病退散のシンボルになったアマビエ。

アマビエもいいことをしてくれるわけではないようです。

「疫病がはやるので自分の絵を広めてほしい」と言っているだけです。

 

妖怪は人間に干渉するわけではないです。

人間が勝手に妖怪に名前をつけて、おそれたり、ありがたがったりしているだけなのです。

 

アマビエでひと儲けしようとすると、逆にしっぺ返しを食らうかもしれませんね。

 

『のんのんばあとオレ』を読むと、人を成長させるのは経験と感受性だということがわかります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

現在手に取ることができるのは、ほぼ、1997年に講談社漫画文庫から出ている文庫版と電子書籍版のみです。

マンガ版とエッセイ(小説)は似ているので購入するときは気をつけてください。

電子書籍はこちらでも検索してみてください。

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