「人間がいなくなってロボットだけの世界になったら?」
どうなると思いますか?
「ロボ・サピエンス前史」はロボットが主役で人間がほとんど出てきません。
2020年、各所で話題になっている島田虎之介さんの「ロボ・サピエンス前史」。
気になるストーリーと魅力を紹介していきますね!
島田虎之介「ロボ・サピエンス前史」どんな作品?
こんな内容になってます。
・あらすじ
・キャスト
・人間より優れたロボットたちがつくる未来が楽しみ
・ロボットが意味するものとは?
・ロボットの話なのにあたたかみがある
概要
「ロボ・サピエンス前史」は第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、「このマンガがすごい!2020」オトコ編2位に輝いています。
講談社より発売されていて、上下巻完結で全13話です。
作者の島田さんは会社員を経て2000年に39才でデビューした異色の経歴をもつ漫画家さんです。
あらすじ
ロボットとの結婚が認められ、ロボットが自由に暮らせるようになった未来。
人間とロボットは幸せに共存する時代を迎えていました。
そんな中で作られた3人のロボット。
1人は25万年もの長い間、たった1人で核施設の監視をする任務を、
2人は宇宙船に乗り、どこにあるかもわからない人類の移住先を探す任務を与えられました。
膨大な時間が過ぎる中で彼らは何を見るのか。
ロボットたちの壮大な旅がはじまります。
キャスト
伊藤サチオ
特定の人間に仕えることのない自由ロボット。
信号を受信して人助けを繰り返す、気ままな旅を続けています。
恩田カロ子(マリア)
核廃棄物貯蔵施設・オンカロで働くロボット。
マリアは公募で決められた「恩田カロ子」という名前をもらい、放射能が無害化するまでの25万年もの長い間、施設を管理する任務を与えられます。
トビー、クロエ
トビーとクロエはマリアと一緒に作られた超長期耐用型ロボット。
トビーは男性、クロエは女性型のロボットです。
外宇宙の地球型惑星を探査するためにロケットに乗って飛び立ちます。
博士
マリア、トビー、クロエを作った博士。
人類よりもロボットに希望を見出しています。
人間より優れたロボットたちがつくる未来
「ロボ・サピエンス前史」に出てくるロボットたちは、人間より高い知能、運動能力、そしてモラルを持ち合わせています。
人間に歯向かうこともしません。
「ロボ・サピエンス前史」ではそんなロボットたちが長い年月が経つとどのような未来をつくっていくのかが描かれています。
人間より優れた生き物(?)がどんな未来をつくるのか気になりませんか?
ロボットが意味するものは?
「ロボ・サピエンス前史」に出てくるロボットを比喩としてとらえるとより楽しめますよ?
3つあります。
・AI
・若い世代
・手塚治虫作品へのオマージュ
AI
まず、そのままロボット、つまりAI(=人工知能)ととることができます。
AIが進化してきた現代では「仕事がAIにとられる」なんていわれていますよね?
効率よく考えられるAIはどんな未来をつくるのでしょうか。
若い世代
「若い世代」ととることもできます。
今の若い世代には勤勉で素直な印象を受けます。
車も遊びもお酒もしなかった、できなかった世代。
若い俳優さんやテレビのインタビューを受けている子どもを見ると、あまりのスマートさに感心するんですよね。
私が年を取っただけでしょうか。
賢くて素直な人ばかりになったら世の中はどんな風になるのでしょう。
手塚治虫作品へのオマージュ
手塚治虫さんの「火の鳥 復活編」という作品に「ロビタ」というロボットが出てきます。
「復活編」の世界にも放射能であったり、人間とのかかわりが描かれています。
違うのは、ロビタは人間に似た姿ではなく、人間に口ごたえするところです。
「ロボ・サピエンス前史」は「ロビタ」へのアンサー作品といえるんじゃないでしょうか。
ロボットの話なのにあたたかみがある
島田さんの絵の特徴はマジックペンでかかれたような少しにじんだ太い線です。
トーンは一切使われていませんのでベタか白抜き。
極端にデフォルメされながらも、遠近感のある背景と国際色豊かな人物の描き分けがうまいですね。
ロボットの世界を描いているのに、なんとなくあたたかみを感じますよ。
まとめ
おわりに注目してほしいのはこの漫画のタイトルです。
「ロボ・サピエンス前史」。つまり、ロボ・サピエンスが現れるまでの話なんです。
読んだ後は、「これだけ壮大なストーリーなのに、ロボ・サピエンスの歴史はここからはじまるのか」と思うはずです。
そして、でてくるロボットたちが本当に素直で迷わない、いいロボットばかりなんですよね。
子どもから大人まで楽しめますよ。
ただし、お子さんが読んで「ロボットになりたい」といっても責任はとれませんのであしからず。
ぜひ読んでみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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