1巻完結,短編集

マンガ『かしこくて勇気ある子ども』が不評?理由は?

12月10日に「このマンガがすごい!2021」が発表され、山本美希さんの「かしこくて勇気ある子ども」がオンナ編第8位に選ばれました!おめでとうございます!

『かしこくて勇気ある子ども』は子どもが生まれる予定、もしくは既に小さい子どもがいる夫婦におすすめですね。

ただ、Amazonのレビューを見てみると、否定的な意見もある程度あるみたいです。『かしこくて勇気ある子ども』のどこがそんなに賛否両論巻き起こしているのか考えてみました。

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『かしこくて勇気ある子ども』あらすじ

女性をテーマに描き続けてきた著者が見つめ直す、この世界の現実。

妻が第一子を妊娠し、生まれてくる我が子へ期待を膨らませる若き夫婦。

二人は、子供が賢くて勇気ある子に育てば、明るい未来が訪れるものと信じていた。

妊娠後期、出産を目前に控えたところに、妻はある少女の身に起きた事件を知る。

その事件は、少女が賢くて勇気があった故に標的となった凶行だった。

無邪気に信じていた未来が揺らぎ、妻の心は動揺する。

これから生まれてくる子供のために、私たちは何を考えればいいのだろうーー

トーチWEB『かしこくて勇気ある子ども』より

「このマンガがすごい!」でこの作品を知り、気になって検索してみたら、電子書籍が495円で紙の本が1980円だったんですよね。大抵、電子書籍も紙の本も同じ値段なのが普通です。しかし、ぼくはこの作品を紙で持っておくのもいいなと思いました。子育てに迷ったときとか、基本的な気持ちを思い出したいときに、この本がそばにあれば立ち戻れるような気がするんですよね。想像なので何とも言えないですが。

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『かしこくて勇気ある子ども』登場人物について

『かしこくて勇気ある子ども』がなぜ賛否両論を巻き起こしているのか考えるには、登場人物である夫婦について理解しておく必要があります。少しネタバレがあるかもしれないのでご了承ください。

妊娠中の妻の仕事は通訳兼翻訳家で、臨月が近くなるころには自由に仕事をセーブできるくらい融通がききます。普段は冷静で落ち着いた性格という描写も出てきますね。

夫はサラリーマンのようです。基本的にはおおらかで優しそうですが、細かいことは気にしないようにも見えます。お酒が好きそうな描写も出てきますね。

二人は知的で優しそうな夫婦です。絵柄のせいもあるかもしれませんが、二人の生活ぶりはおしゃれで裕福そうに見えます。

夫婦は、赤ちゃんに賢くて勇気のある子に育つように夢を託しますが、ニュースである子どもが狙われた事件が報じられたことをきっかけに、妻がひどく動揺します。危険が待ち受ける世界に産み落としていいんだろうかと。予定日を過ぎても陣痛が起きないこともあり、夫婦の不安は大きくなっていきます。

なぜ賛否両論巻き起こしているのか

Amazonレビューの中にはこんな批判的な意見がありました。

「予定日を過ぎるのは普通のことなのに、そんなことも知らない」

「結局、賢くて勇気ある子どもじゃないといけないの?」

確かに、出産についてのある程度の知識があるのが普通ですよね。高望みせず、生まれてきてくれただけで感謝すべきという意見もわかります。

それを描いている作者の山本さん自身が子育て経験者ではないことも、一部の人に共感が得られていない理由かもしれません。

出産、子育ては誰でも盲目にさせる

ぼくがこの物語から受け取ったのは、「これだけモラルがあって知性のある夫婦でも、出産となると盲目的になりかねない」ということです。

この夫婦はきっと、出産予定日についての知識も、子どもにプレッシャーを与えすぎてはいけないことも分かっているんだと思います。ただ、自分の子どものこととなると冷静でいられなくなるということが、この物語では言いたいことなんじゃないかと思いました。

経験していないからこそ描ける不安

出産や子育ての不安にしても、山本さんだからこそ描けたことがあると思います。経験していないからこそ、初めての出産や子育てをする人たちの不安な気持ちを想像することができるのではないでしょうか。経験していない不安を想像しながら描くことにこそ意味がある気がします。仮に現実にそぐわないとしても、気持ちの折り合いのつけ方のヒントにはなるのではないでしょうか。

子どもに願いを託すのは悪いこと?

物語は「ただ一つのことができる子になってくれればいい」という結論にいたっています。

「その『ただ一つのことができる子』というのが結局、『賢くて勇気ある子ども』ということで、結構ハードルが高いんじゃないか?」ともとれます。

しかし、ぼくはこの「賢くて勇気ある」というのはあくまで比喩で、「優しい」とか「元気に」とかに置きかえてもいいんじゃないかと思っています。

そういった意味では、子どもに願いをこめることがそんなに悪いこととも思えないんですよね。

また、「自分よりも優れた子になってほしい」と思うことは、プレッシャーを与えない限りではポジティブな考えなんじゃないかと思います。

結論:みんな子育てに真剣

結論として言えるのは、作者の山本さんにしろ、Amazonでレビューを残した方々にしろ、みんなが子育てについて思うところがあるということです。やはり、子育ては人を盲目にさせるということでしょうか。ぼくはこの本が、出産や子育てに臨む人たちの不安を少しでも取り除くような本になればいいなと思います。

『かしこくて勇気ある子ども』、紙の本の購入も検討してみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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