青春を感じるギャグマンガ読みたいなあ
と思ったら、「幽玄漫玉日記」を読んでみてください。
「幽玄漫玉日記」は大学時代に友達の家で読みました。
思えば私の大学時代は「漫玉日記」の真似事をしていたような気がします。
「幽玄漫玉日記」はバラエティー番組のような無茶苦茶な企画と作者の心理状態を描いた、リアリティーショーギャグマンガです。
「幽玄漫玉日記」おもしろいマンガに賭けた大人の青春!魅力7選
1.愉快な仲間たち
2.超ハイテンション
3.破天荒な起業
4.絶妙な表情
5.ぱそみちゃん
6.絵のタッチの変化
7.うつの描写
「幽玄漫玉日記」は「月刊コミックビーム」で1997年から2002年まで連載してました。全6巻です。
マンガ家・桜玉吉がコミックビームの編集長O村、編集ヒロポンらと繰り広げるドタバタな毎日を一部フィクションを交えながら描きます。
終盤、自身のうつ病のために連載終了するまでを描いています。
1.愉快な仲間たち
「幽玄漫玉日記」は桜玉吉とコミックビームの編集者、アシスタントなど個性豊かな登場人物たちが物語を彩ります。
桜玉吉
マンガ家・イラストレーター。頭のとんがった黄色い顔で描かれている。当時37~40才。うつ病持ち。
O村
コミックビームの編集長。豪快な性格。玉吉と同年代。風俗が好き。
ヒロポン
コミックビームの編集。長髪で大きい鼻に鼻ちょうちんをぶら下げた姿で描かれている。30才くらい。
トラブルメーカー。
語尾に「ボルシェビキー」などわけのわからぬ単語をつける。
神経疾患持ちで会社も休みがち。
ちょりぞう
玉吉のアシスタント。30代。フィギュア制作もできる。何事にも動じない。
みげー君
玉吉のアシスタント。20代。お酒が弱い。
ぱそみちゃん
玉吉のそばに住んでいる無職20代前半の女の子。
玉吉にたびたび飯をおごってもらっている。
2.超ハイテンション
「幽玄漫玉日記」で描かれる様々な企画はかなりめちゃくちゃです。
馬鹿馬鹿しい企画の中にも旅情やロマンス、友情(?)があったりして甘酸っぱくほろ苦い思いが感じられます。
伊豆旅行
あなただったら仲間内でいった旅先の罰ゲームは何にしますか?
食事をおごる?運転をかわる?
玉吉たちの罰ゲームは
1人だけ車内で一泊です。
せっかくみんなで旅行に行ったのに1人だけ車内に一泊。
普通だったら怒りますよね?
過酷すぎる罰ゲームが笑えます。
おじさんたちは仕事でやっているのでよい子はマネしないでね。
沖縄社員旅行
株式会社アスキーの社員旅行は沖縄です。
社員じゃないのに玉吉は1人沖縄に乗り込みます。
何のためだと思いますか?
編集長O村が風俗に行く姿をとらえるためです。
1人の男が風俗に行くかどうかを確かめるためだけに沖縄まで飛び立つバイタリティー。
「おもしろいものを描くためならなんでもやる」という気合を感じます。
3.破天荒な起業
あなたがもしこれから起業するとしたらどんな準備をしますか?
私もさっぱりわかりません。
でも、いざ起業するときはちゃんと勉強しますよね。
玉吉はなんの知識もないまま起業します。
知ってましたか?
定礎とは会社のそばの植え込みに植えるタイムカプセルです。
株はどこの会社からでも1株から買えます。
無計画な会社運営にハラハラしながら笑えます。
「幽玄漫玉日記」を読めばあなたも明日から実業家人生まっしぐら!
(保証はしません)
4.絶妙な表情
「幽玄漫玉日記」はリアクションの顔がいちいち笑えます。
微妙な感情を顔に表すのがうまいです。
お金がないときの顔
麻雀でかんたんに逆転されたときの顔
中村敦夫のフィギュアを見ているときの顔
あなただったらどんな顔をしますか?
5.ぱそみちゃん
ぱそみちゃんは事あるごとに玉吉にご飯をねだる女の子です。
ショートカットで鼻水たらしてていつもジーパンのぱそみちゃんは
決して色っぽく美人に描かれているわけではありません。
しかし、たまに玉吉になついてくるこの女の子には
すくなからず好意があるんじゃないかと期待させられるものがあります。
果たして黄色いおじさんと女の子の間に何かがめばえるのか、乞うご期待です。
6.絵のタッチの変化
「幽玄漫玉日記」は序盤はアニメ風の絵柄で描かれていますが、
シーンによってタッチの変化が激しくなっていきます。
マジックのような線でコミカルに描いたかと思ったら、
筆のようなタッチで哀愁漂うシーンを描いたり、
ケンカのシーンではかきなぐるような荒い線で描かれたりします。
笑いは緊張と緩和といいます。
引っ張っておいてページを開いたら全然違うタッチだと不意をつかれますよ。
7.うつの描写
「幽玄漫玉日記」はうつになる気持ちがわかるくらい内面の描写がうまいです。
うつの描写は中盤あたりから現れます。
自分ではどうしようもない感じ。
心の中を表すような暗くどんよりした絵柄。
うつでない人も読めばうつの気持ちが理解できるかもしれません。
うつでありながら笑いも忘れていません。
感情表現の上手さやデフォルメした絵柄はギャグマンガ家ならではの表現力です。
まとめ
「幽玄漫玉日記」はもちろんギャグマンガです。
「幽玄漫玉日記」がただのギャグマンガとして終わっていないのは、
作者自身の心の状況やまわりとの絆が感じられるからです。
「幽玄漫玉日記」は作者だけでなくそのまわりの人も身と心を削って作り上げた傑作と言っていいと思います。
まあ、そうはいってもギャグマンガなんで気楽に読んでみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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