1巻完結,短編集

エログロだけどグロいのは控えめ?「フィギッシュ」の魅力4選

エログロを読んでみたいけどグロいのはちょっとだけでお願いします

 

という人に大越おおこし孝太郎さんの「フィギッシュ」をおすすめします。

「フィギッシュ」は2000年に青林工藝舎から発行された大越孝太郎さんのマンガです。

 

「フィギッシュ」の収録作品はつぎの通りです。

 

フィギッシュ収録作品

タイトル 初出
ひとにやさしく 歯医者のおつまみ グランドチャンピオン(秋田書店)
夏の思い出
終バスに乗ったら
混浴露天風呂
雪の日はカゼをひこう!!
ゼブラパーティー
GALAXY EXTACY999 まんが天国(芸文社)
でんでん商店街 週刊ヤングサンデー(小学館)
病院の上のマンション 平成50の怪談(ワニマガジン社)
猟奇刑事マルサイ VOL.1 まんが変玉(ワニマガジン社)
VOL.2
フィギッシュ 月刊コミックビーム(アスキー)
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エログロだけどグロいのは控えめ?「フィギッシュ」の魅力4選

・リアルな表情

・おじさんやおばさんの顔

・女性の体が美しい

・大越さんのエログロ

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1.リアルな表情!

大越孝太郎さんは歪んだ顔の表情がうまいです。

 

顔をしかめるとどこにしわができるか、

歪めたことによって目や口がどんなふうに変形するかというのを細かく描いています。

 

どんなに美人でもどんなにハンサムでも、

泣き崩れたり驚いたときは表情を歪めて感情をあらわしますよね。

 

大越さんは感情が顔に現れたときのくしゃっと歪んだ様子をちゃんと醜く描いています。

 

また、実物に忠実にデッサンするだけでなく、

瞳の形や口の形のデフォルメして動きを描いていて、リアルなのにアニメっぽいです。

2.味のあるおじさんやおばさんの顔!

女性の顔だけでなく、男性の顔、あらゆる年代の顔、いろんな登場人物を見事に描き分けています。

 

おじさんの頬骨やえらの張り具合や、ガサガサしていそうな肌の質感まで伝わってきます。

 

でんでん商店街

「でんでん商店街」は地元に愛されている下町のでんでん通り商店街を舞台に、

主人公の女の子・辰巳なちが大手デパートの出店に立ち向かっていくストーリーです。

 

グロ表現は出てきませんが、意味なくパンツ丸出しになったりします。

 

「でんでん商店街」には八百屋のお父さん、商店街のクセモノの店主、

デパートの役付き社員など特徴を持ったおじさんがたくさん出てきます。

ちらっと古今亭志ん生似のおじさんも出てきます。

 

おじさんだけでなく、おばさん、おばあさんまで個性的な顔が登場します。

下町の商店街っていろんな顔にあふれていますよね。

 

セリフがなくても顔を見るだけで下町の商店街のにぎやかな様子や人情味あふれる様子が伝わってくるようです。

 

「本当にこんな人いそうだな」と思うくらいです。

3.女性の体が美しい!

女性の体の造形も美しいです。

 

「フィギッシュ」にはスレンダーな女性がよく登場します。

大越さんの描く女性の体は、手足が細く伸び、胸と腰にはほどよいボリュームがあります。

 

骨格の構造までわかるくらいリアルで正確なデッサンです。

フィギッシュ

表題作の「フィギッシュ」はフィギュアの原型師の話です。

 

フィギュアの天才原型師・GUYガイは実際に女性のモデルを観察し、魅力的なフィギュアを作り出すことで人気です。

GUY自身もハンサムであることから、女性からすすんでモデルを望むほどです。

 

しかし、GUYは女性に肉体関係を求めていたことからやがて大きなトラブルに発展します。

 

「フィギッシュ」はストーリー上、女性の体が多く描かれています。

様々な角度から描いた女性の体が登場します。

 

骨格が感じられる体のラインに加えて、

触れたときの弾力や質感まで伝わってくるような絵です。

 

質量を持ったリアルさがエロティシズムを刺激します。

4.大越さんのエログロとは?

大越孝太郎さんはエログロ漫画家としてカテゴライズされるマンガ家です。

 

有名なエログロ漫画家としては花輪和一かずいちさんや丸尾末広さんがあげられます。

大越さん自身もその2人に影響を受けているようです。

 

「フィギッシュ」のエロ表現は女体そのものだけではなく、

変態チックな性的志向も描かれています。人によっては嫌悪感を覚えるかもしれません。

 

大越さんは気持ち悪い男性を描くのもうまいです。

一番最初の「歯医者のおつまみ」に出てくる歯医者も

「近所の歯医者がこんなんだったら絶対嫌だ」

と思うような気持ち悪さです。

 

また、「フィギッシュ」には死体や残酷な表現も登場します。

大越さんのリアルな絵で描かれるグロ表現はいかにも痛そうで背筋がゾクゾクします。

 

怖いもの見たさで一度読んでみませんか?

経歴・人物

大越孝太郎さんは1967年生まれのマンガ家です。1986年、雑誌「ガロ」(青林堂)で「アカグミノカチ」を掲載してデビューしています。

 

1995年に「月喰ウ蟲」で初の単行本化、本作「フィギッシュ」は単行本としては2作目になります。

その後、「天国に結ぶこい」、「不思議庭園の魔物」、「猟奇刑事マルサイ」などの単行本を出しています。

 

「フィギッシュ」のあとがきでは古今亭志ん生のファンであることが書かれています。

どこで買ったの?

私が「フィギッシュ」を購入したのは書店でした。

現在でも「フィギッシュ」は書店で購入でき、ネットショップにも在庫があるようですが、電子書籍の取り扱いはどこもしていないようです。

まとめ

「フィギッシュ」の魅力4選

・感情表現によって歪んだ顔

・老若男女の特徴的な顔の描き分け

・美しい骨格と弾力・質感が感じられる女体表現

・気持ち悪いエロ表現と痛々しいグロ表現

「フィギッシュ」に収録されている作品のうち、前半はそんなにグロ表現はありません。

いうならば「きれいなエログロ」です。

 

大越さんの絵はデッサンが整っていて線が美しいので絵を楽しむだけでも購入する価値ありです。

 

エログロ入門としてはピッタリな作品なので、読んでみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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