小日向まるこさんの漫画「塀の中の美容室」が2020年8月28日に発売されました!
おめでとうございます!
失敗をしてしまった人や人生につかれている人におすすめしたいマンガですね。
私は髪を切るとき、お金がもったいないので1,800円でシャンプーまでしてくれる地元の床屋さんに行っているのですが、この漫画を読んで久しぶりに美容室に行ってみたいなと思いました。
刑務所を舞台にした「塀の中の美容室」がどんな漫画なのか、あらすじや感想などをまじえながら紹介していきますね。
「塀の中の美容室」ってどんな漫画?
「塀の中の美容室」は2018年の桜井美奈さんの原作小説を小日向まるこさんが漫画化した作品です。
全175ページ、1巻完結です。
小学館のビックコミックススペシャルから出ています。電子書籍も同時発売中です。
刑務所の中にある美容室が舞台で、美容師の資格を持った受刑者とそれを取り巻く人々の物語になっています。
原作では最初の登場人物がテレビ関係者ですが、漫画では週刊誌の記者に変更されているみたいですね。
小日向まるこさんは漫画「アルティストは花を踏まない」が2020年度の文化庁メディア芸術祭マンガ部門の審査委員会推薦作品に挙がるなど、今注目の漫画家さんです。
あらすじ
週刊誌記者の芦原志穂は大学以来念願だった記者の仕事につけたものの、仕事内容は期待したものではなく、残業続きで彼氏に会う時間も取れなくなっていた。
志穂はようやく有給を取ったが、上司から急に仕事を入れられてしまう。
それは、女子刑務所の中にある美容室の取材。
美容室に入ると、そこには青空が広がっていた。
登場人物
小松原葉留
服役中に美容師の資格を取得。
刑務所内にある”あおぞら美容室”で一般のお客さんを相手に髪を切っている。
長い髪を一つにまとめている。
芦原志穂
週刊誌の記者。
仕事が忙しく、髪を切るひまもないのでかなり伸びている。
コンパクトで展開のある物語!
「塀の中の美容室」を読んで、コンパクトでちょうどいいなと思いました。
「塀の中の美容室」というタイトルから、「刑務所内の美容室にいろんなお客さんが来て、髪を切ってもらったお客さんが何かしら心動く」みたいな、一話完結で毎回ゲストが変わるような話を想像していました。
そういうシーンもないことはないのですが、「塀の中の美容室」は話がワンパターンじゃなくて展開していくんですよね。
エピローグも含めて全5話。とてもおさまりのいいストーリーだなと思いました。
奥行きのあるキャラクターがいい!
登場人物のキャラクターもいいですね。
受刑者・小松原葉留の、罪を犯した人にしかわからない感じが目や言動によく表れています。
達観まではいかないんですが、どこか悲しみがあります。
そして、感情が全くないわけじゃなくて笑うときは笑うし泣くときは泣くという複雑な人物像になっています。
その他のキャラクターに関しても、とってつけたようなキャラじゃないのがいいですね。
みんな普通に見えるけど、何かしらの悩みや経験などのバックグラウンドを感じさせます。
美容室という設定を生かした漫画!
「塀の中の美容室」は美容室という設定を生かした漫画ですね。
ヘアスタイルが変わるだけで気持ちも変わる様子がとてもよく出ています。
髪を切ることによってお客さんだけでなく受刑者のほうも変化していくんですよね。
私は原作は恥ずかしながら読んでいないですが、ヘアスタイルは文字で読むよりも絵で見たほうがきっと伝わるんじゃないかなと思います。
漫画化して正解の作品だなと思いました。
お客さんが変身した様子は読んでいて気持ちいいですね。
「塀の中の美容室」って本当にあるの?
この漫画を描くにあたり、小日向さんは岐阜県の笠松刑務所を取材したそうです。
笠松刑務所は女子刑務所で、笠松刑務所の中にも「みどり美容院」という受刑者に髪を切ってもらえる美容院があります。(新型コロナウィルス感染拡大防止のため、2020年8月1日から当面の間は営業停止)
刑務所の外観や美容室のリアルさに取材のあとがみえますね。
まとめ
「塀の中の美容室」はコンパクトな物語ながらも、深みのあるキャラクターと美容室という舞台を生かしたストーリーになっています。
刑務所の話だからといってもストーリーが説教くさくないのがいいですね。
失敗したけど一歩踏み出したいな
という人におすすめです。
ぜひ読んでみてくださいね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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