1巻完結,短編集

『生理ちゃん』韓国で販売中止になった理由と4つの魅力

マンガ『生理ちゃん』が話題になっているときに、書店で本を見かけたときは、

「なんでこんなへたっぴなのが受けてるんだろう」

と正直思っていました。

あなたもまだそう思ってるんじゃないですか?

こんにちは。きはたちです。

5巻以内の漫画や短編漫画を中心に読んでいます。

映画化までした「生理ちゃん」ですが、韓国で販売中止になったそうです。

その理由を魅力とともにまとめてみました。

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『生理ちゃん』韓国で販売中止になった理由と4つの魅力

この記事はつぎのような内容になっています。

・生理ちゃん概要

・『生理ちゃん』韓国版が販売中止になったワケ

・「生理ちゃん」の4つの魅力

「生理ちゃん」概要

『生理ちゃん』はイラストレーターでマンガ家の小山健こやまけんさんの作品です。

『オモコロ』というWebメディアで2017年から連載されている『ツキイチ!生理ちゃん』を加筆修正等して、2018年にKADOKAWAより書籍化されました。

連載ものですが、基本1話完結のオムニバス形式なので短編集感覚で読めますよ。

第23回手塚治虫文化賞短編賞を受賞しています。

2019年には二階堂ふみさん主演で実写映画化されました。

『生理ちゃん』韓国版が販売中止になったワケ

「生理ちゃん」は2020年1月に韓国版の予約販売が中止になりました。

なぜでしょうか?

それは、小山さんの過去の作品が原因だったと言われています。

具体的な作品を上げるのは避けますが、

セクハラや女性嫌悪ととれる表現があったとされます。

ネットで調べると出てくるので見ましたが、

たしかに一部ちょっと行き過ぎた表現かもしれません。

少なくとも、問題視されている作品と『生理ちゃん』とは関係ないです。

『生理ちゃん』に未成年が読むにあたってふさわしくない表現は出てこないし、

なにより手塚治虫文化賞をもらうだけの内容とおもしろさをともなったマンガです。

大丈夫ですので安心して読んでいただけたら幸いです。

「生理ちゃん」の4つの魅力

手塚治虫賞を受賞した『生理ちゃん』ですが、

実写映画化までした『生理ちゃん』の魅力をまとめました。

・比喩的だけど直接的な表現

・男性が「生理」を描く意味

・雑なようでかわいく見えるキャラクター

・生理ちゃんが物語に溶け込んでいる

比喩的だけど直接的な表現

生理ちゃんが共感を得たのは表現が比喩的だったからです。

生理ってどれほどの痛みなんでしょうか?

やっぱり思いっきり腹パンされたような感じでしょうか?

生理ちゃんはハートマークに手足が生えた雑っぽいキャラクターです。

月に1回、女性のもとに現れて、

容赦のないパンチをくらわせたり、

でっかい注射器で血をぬいたり、

クロロホルム(?)で眠らせようとしたりします。

物理的に暴力をふるってきたり、クロロホルムを使ったりするあたりが、直接的ですよね。

男性が「生理」を描く意味

作者の小山健さんは男性です。

最初はとにかく話題になるマンガを作ろうと思って生理ちゃんを思いついたそうですが、

女性に受け入れられるか不安だったみたいです。

しかし、結果的には発表したことで、

女性からの共感や、男性からの支持を得られることになりました。

私は成人男性として、

「女性が生理のときはつらいから気をつかわなければいけない」

となんとなくインプットされていますが、

実際にどれほどの辛さなのかはわかりません。

女性からも夫や交際相手などの親しい男性にしか、その辛さは打ち明けないでしょう。

私が生理について辛さを打ち明けられたのも、最初は交際相手からだった気がします。

2018年に公開された『パッドマン』というインド映画では、

インドで最初に生理用ナプキンを開発した人を題材にしていましたが、

妻のことを思いやった夫が主人公でした。

男性優位の社会の中では、

男性からも歩みよらないと、生理に対する意識は変わっていかないということをあらわしています。

親しい人にも女性から言いにくいようなことを、

小山さんはわからないながら、

「痛いんだったら『生理ちゃん』になぐらせよう」

ちょっと雑っぽいけどわかりやすく表現してくれました。

生理のつらさを「生理ちゃん」として擬人化(?)してわかりやすくしたことが、

これだけ共感を得る結果になりました。

雑なようでかわいく見えるキャラクター

小山さんの絵はえんぴつでサッとかいたようにみえます。

「なんでこんなに雑にかいた絵で受けるんだろう?」

と思いませんか?

私はこんな絵で売れてるなんてムカつきます。(失礼)

しかし、でてくる登場人物は、

なぜかかわいいしカッコイイと思えてしまう不思議さがあります。

実際描いてみようとするとわかるのですが、

下書きなしで小山さん風のかわいい女の子を描くのはむずかしいはずです。

ばらしちゃうと小山さんの原画には、うすく下書きした跡があるそうです。

また、小山さんは専門学校のイラストレーター学科を卒業されていています。

ちゃんと勉強してこれなのです。(失礼)

ちゃんと計算した上で雑にかいたような絵柄にしているのです。

参考:小山健さんの個展『絶対にがんばらない』に行ってきたよ – やだオスカルWEB

生理ちゃんが物語に溶け込んでいる

生理ちゃんをキャラクター化したとして、

果たしてストーリーが成立するのかと思いませんか?

これがうまく調和しているんです。

ハートウォーミングなストーリーに生理ちゃんがうまく溶け込んでいるのです。

一応、生理ちゃんもしゃべるんですが、

「お前、その顔してそのセリフ言うかよ」

っていう泣けるセリフを言ってくれたりします。

ストーリーの中では、生理ちゃんは

あたりまえにいる存在として受け入れられています。

ラブストーリーがはじまって、

ここぞというときに生理ちゃんが玄関からインターホンを鳴らして現れ、

女の子に腹パンを食らわせます。

この物語には、性欲くん童貞くんも現れます。

男性にとっては抑えの効かない存在として描かれています。

普通のラブストーリーが、

生理ちゃんや性欲くんの登場で、あらぬ方向に展開していき、

いいところを生理ちゃんが持って行って謎の感動を生み出します。

普通のドラマなどでは、

もちろんこんなに生理現象がフューチャーされて

描かれていないのはもちろんですが、

実際は生理も性欲もあってどうしようもないということを、

「生理ちゃん」ではキャラクターが肩代わりしてくれているという一面もあります。

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まとめ

『生理ちゃん』は一見雑ともおもえるような設定と絵柄ですが、

性欲や生理などのセンシティブな内容に切り込みながら、

うまく男性と女性の共感を得ることができました。

また、男性の作家が女性の目線で描くことで、

世の中の男性に、歩みよることの大切さを伝えた作品だといえます。

性教育としてお子さんなどと共有するのもいいかもしれません。

短編集感覚でサクサク読めるのもうれしいですね。

『生理ちゃん』のヘタウマな絵柄にだまされたと思って、一度読んでみてください。

謎の感動の意味が分かります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

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