どうもこんにちはきたはちです。
5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。
このブログでは主に短くてサクッと読める新刊マンガの感想をお伝えしています。どうぞよろしくお願いします。
『太郎は水になりたかった』完結となる3巻が7月29日に発売されました!おめでとうございます!
一見、小学生の落書きみたいな絵ですが、中学生男子の友情と恋がつまった青春物語の傑作だと思います。
『太郎は水になりたかった』は大橋裕之さんの作品です。大橋裕之さんの別の作品、『夏の手』についてはこちらをご覧ください。『夏の手』に比べると、より日常感があってニュートラルに読むことができると思います。
今回は、『太郎は水になりたかった』の魅力を紹介します!
『太郎は水になりたかった』ってどんなマンガ?
忘れてた、あの感情がよみがえる。ノスタルジック・イリュージョン。
「母さん。ボクらは今、漠然とした不安の中、たしかに中学2年という季節を過ごしています。」
中学2年の太郎の家にはお母さんがいません。人より少しシャイです。
親友はヤスシ。同じクラスの谷村さんにこっそり想いをよせています。
冴えない学生生活をおくる太郎は、それでも何かデカいことをやってやろうと…
いや、やったほうがいいのか?という気持ちで生活をしていますが…
雨上がりの虹のように描かれる、誰にでも平等にあったはずの青春物語。
繊細でリリカル、モラトリアムと妄想が爆発するヤングゼネレーション・コミック。
トーチweb連載時の原稿を大幅加筆&修正。描き下ろし漫画とコラムも特別収録した決定版。
『太郎は水になりたかった』1巻 Amazon詳細ページより
大橋裕之さんは自費出版の作品からメジャーデビューが決まった異色の経歴の漫画家です。
ヘタウマな絵とちょっとおバカな登場人物。でも、恋や友情が懐かしい作風です。
大橋さんの作品、『音楽』はアニメ映画化され、『ゾッキ』は実写映画化されるなど今注目の漫画家の一人です。
ストーリー
太郎と親友のヤスシ。クラスでは底辺にいる二人が過ごす日常を描いています。
太郎は谷村さんが好きで、ヤスシは学年のマドンナ上條さんが好き。
でも、イケメンでも勉強や運動ができるわけでもない二人は告白できるわけありません。
得意なことといえば妄想?
中学時代のほろ苦い思い出がちょっとおバカに突き抜ける青春ストーリーです。
登場人物
太郎
シャイで勉強も運動もできない中学生。ドクロみたいな見た目をしている。
ヤスシ
シャイで勉強も運動もできないが、ちょっと変な中学生。頭が縦に2つに割れている。
谷村さん
太郎が好きな同級生。かわいいのに誰にでも明るく話しかける。
上條さん
学年のマドンナ的存在。藤沢と付き合っているというウワサ。
夏目くん
いつも死んだふりをしている。
細井くん
羽が生えている。超金持ち。
藤沢
サッカー部のイケメン。
魅力①おバカな青春が懐かしい!
ぼくは夏目くんが好きですね。
死んだふりって昔やりませんでしたか?たいてい人に気づかれながらやるのが前提だと思います。
でも、この夏目くんは公衆の面前で死んだふりをします。誰に気づかれようがかまいません。
『太郎は水になりたかった』には学校にいたおバカなやつのチャンピオンみたいなのがたくさん出てきます。
魅力②恋と友情が懐かしい!
子どものころって結構残酷ですよね。
小学生の頃は人に乱暴したり、虫を乱暴に扱ったりしがちですが、中学生になるとそういうことはなくなってくるかわりに、人を傷つけるような言動はまだあると思います。
『太郎は水になりたかった』ではそういった不器用さで簡単に壊れてしまう恋や友情のもろさが青春のほろ苦さを感じさせます。
魅力③トーンワークが美しい!
このマンガで青春を演出しているポイントとして注目したいのがトーンワークです。
『太郎は水になりたかった』のトーンワークは漫画家の奥田亜紀子さんが担当しています。
奥田さんのマンガは光と影の表現がトーンワークでみごとに表現されています。
大橋さんのヘタウマな絵と、奥田さんの巧妙なトーンワークが化学反応をおこしてノスタルジックな雰囲気をより引き立てています。
苦手な人は無理かも
大橋さんの絵はヘタウマともいいますが、受け入れられない人には全く受け入れられないかもしれません。
中学生男子のノリについていけない人にも無理でしょう。
そのあたりを懐かしむことができる大人が読むほうがいいのかもしれませんね。
まとめ
というわけで今回は以上です。最後までよんでくださってありがとうございました。
『太郎は水になりたかった』はちょっとおバカだけど、懐かしさがにじみ出ている作品です。ぜひ読んでみてくださいね。
このブログではマンガにまつわる様々な情報を紹介していきます。
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