1巻完結,短編集

詩野うら「有害無罪玩具」短編漫画 あらすじ一部紹介

普通の物語には飽きちゃった

という人は詩野うらさんの「有害無罪玩具」がおすすめですよ。

「有害無罪玩具」は癖のある絵ですが、

おもしろい設定がたくさんで斬新な作品です。

「有害無罪玩具」は「このマンガがすごい!2020」オトコ編10位にランクインしています。

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詩野うら「有害無罪玩具」短編漫画 あらすじ一部紹介

こんな内容になってます。

・概要

・思考実験の遊びのようなマンガ

・収録作品紹介

概要

詩野うらさんは、2008年ごろから自身のWEBサイト「チラシのウラ」でマンガを描きためてきました。

「有害無罪玩具」は比較的最近に制作された長い作品を集め、2019年2月に発売された短編集です。

詩野さんにとっては初の書籍化作品です。

2019年の8月には自身2冊目となる単行本「偽史山人伝」が発売されました。

「有害無罪玩具」には

表題作の「有害無罪玩具」

「虚数時間の遊び」

「金魚の人魚は人魚の金魚」

「盆に復水盆に返らず」

の4つの短編が収録されています。

思考実験の遊びのようなマンガ

あなたは、パラレルワールドって信じますか?

「有害無罪玩具」に収録されている短編はどれも思考実験で遊んでみたようなSF作品になっています。

たとえば、パラレルワールドがあるとしたら現実の他にどんな世界があるかとか、

時間を永遠に止められるとしたらどんな風に過ごすだろうとか、

頭の中でグルグル考えているようなことが漫画になっています。

ちょっと混乱してきますが、それがまたおもしろいですよ。

収録作品紹介

ここからは、収録作品について紹介していきますね。

・有害無罪玩具

・虚数時間の遊び

・金魚の人魚は人魚の金魚

・盆に復水盆に返らず

有害玩具・あらすじ

表題作「有害無罪玩具」

主人公の女子中学生・坂本さんが町内のさびれた博物館に1人で社会科見学に行くところからはじまります。

「有害無罪玩具館」館長の柳原さんに案内され、

「違法ではないけれど販売を中止した不思議なおもちゃ=有害無罪玩具」を紹介してもらいます。

有害無罪玩具・おもしろいところ

「多重世界観測バッジ」の話がおもしろいですよ。

パラレルワールドの話です。

主人公の坂本さんが柳原館長にもらったバッジをはずすと、

バッジが網の目のように展開して、現実以外の可能性の世界をみることができます。

ためしに坂本さんがオセロの駒を10回投げると、偶然10回とも白が出ました。

でも、バッジの中の世界は10回中7回白が出る世界や、全部黒が出る世界など、

様々な世界を見せてくれます。

作品の中では話を突き詰めて、自意識とは何か、現実とは何かまで考えさせられます。

あなたがこの文章を読んでいることも可能性の世界の一つに過ぎないと思うと、不思議に思えてきませんか?

虚数時間の遊び・あらすじ

無限に時間があるとしたら何をしますか?

「虚数時間の遊び」を読むと、無限に時間があるのも考え物だなと思いますよ。

「虚数時間の遊び」は突然時が止まってしまった夜の世界の中で、

年をとらずに何億年も過ごしている一人の女性・灯子が主人公です。

時間のすすめ方も止め方も分からず、静止した時の中で彼女は過ごしています。

さびしさをごまかすために架空の自分と会話をすることもできます。

楽器は練習し放題。

世界のあらゆる消火器の栓を抜いたり、

オリジナルの言葉を開発してみたりします。

でも結局はすべて暇つぶし。

飽きたらまた別のことをするだけです。

虚数時間の遊び・おもしろいところ

自由に時を止められたら楽しいでしょうね。

でも、時が止まったままで動かす方法がわからないのは辛そうですよ。

「虚数時間の遊び」を読んで、ドラえもんの道具「どくさいスイッチ」を思い出しました。

「どくさいスイッチ」は自分以外の人が全員いなくなってしまった世界でのび太が暮らす話です。

「虚数時間の遊び」はその話をシリアスにした感じですかね。

何億年も一人で過ごしていたら、おかしくなってしまいそうですよね。

金魚の人魚は人魚の金魚・あらすじ

「金魚の人魚は人魚の金魚」は人に作られた愛玩動物・人魚金魚を軸にしたお話です。

人魚金魚は人魚のような姿をしていますが、

空中を漂っているだけで知能が低く、話はできません。

食事の必要もなく、切り刻まれても死なず、永遠に生き続けます。

「金魚の人魚~」は人魚とそれを取り巻く人間たちなどを描いた短編の連作になっています。

金魚の人魚は人魚の金魚・おもしろいところ

永遠に死なない人魚の存在自体がおもしろいですよね。

半分人間の形をしているだけで、生物なのかすらわかりません。

「金魚の人魚~」ははじめの方の話は人間が人魚とどう関わるかというお話なのですが、

後半は人魚だけが生き残って世界の終末の中に人魚だけがいるという壮大なお話になっていきます。

だから、主人公が誰なのかわからなくなってきます。

物語なのかどうかすらわからなくなってくるのがこの話のみどころですよ。

盆に復水盆に返らず・あらすじ

年に1度、お盆の頃に大きなお盆に水を張っておくと、亡くなった人が水にのりうつって帰ってくるというお話です。

「死に水」で使った水を薄めてたらすと、水が亡くなった人の形になります。

ある女性が時間旅行をして1000年後の世界でも亡くなった親しい人がよみがえるかを試します。

盆に復水盆に返らず・おもしろいところ

タイムパラドックスがテーマになっています。

設定がおもしろいのは他の作品と一緒ですが、

ちゃんと主人公がいるし、他の作品よりも情緒的でしんみりする作品ですね。

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まとめ

「有害無罪玩具」はちょっと癖のある絵柄ですが、思考実験のような設定が癖になります。

詩野うらさんの想像力に驚かされます。

ぜひ読んでみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。

電子書籍も検索してみてください。

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