短い漫画をいっぱい読みたい!
という人には「ひきだしにテラリウム」がおすすめです。
「ひきだしにテラリウム」は九井諒子さんの書籍化3作目の短編集です。
2013年にイースト・プレスから発売されました。
短編としても本当に短めのものがたくさん収録されているのでお得感もあって楽しいですよ!
「ひきだしにテラリウム」九井諒子の洗練された超短編33!
こんな内容になってます。
・短めの短編をサクサクいっぱい読める
・ストーリーによって絵柄を変えている
・新人なのに優秀賞
・一部作品紹介
短めの短編をサクサクいっぱい読める
「ひきだしにテラリウム」は九井諒子さんが今まで発表してきた短編集よりもひとつひとつの話がさらに短くなっています。
1番短い話だと2ページで終わるものもあります。
そのかわり合わせて全33編も収録されているのでうれしいですよね。
しかし、短いとはいえどひとつひとつのストーリーの味わいがそれぞれ異なっているので全然飽きないんですよね。
「ひきだしにテラリウム」は早くサクサク読めるのにお腹いっぱいになれる短編集ですよ。
ストーリーによって絵柄を変えている
「ひきだしにテラリウム」ではそれぞれの話によって自在に絵柄を変えてるところがすごいんですよね。
「ひきだしにテラリウム」の収録作品はコメディ寄りなものもありますが、シリアスなものもあります。
そのストーリーによって、時にはホラーマンガ風であったり、エッセイマンガ風、松本零士風?、イラストチックといったように九井諒子さんは絵柄を変えられちゃうんですよね。
九井さんの絵は何にも染まってない感じが魅力でもあります。
ページをめくるたびに絵柄がころころ変わるので、話が始まる1ページ目から
「今度はどんな話なんだろう??」
とワクワクしちゃうんですよね。
新人なのに優秀賞
「ひきだしにテラリウム」は2013年に第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞を受賞しています。
九井諒子さんは「ひきだしにテラリウム」がまだデビュー3作目だったので新人賞でもよかったらしいですが、
「内容は優秀賞にふさわしい」とのことで優秀賞に輝きました。
「ひきだしにテラリウム」は異例の事態を起こすほど素晴らしい内容っていうことですよね。
一部作品紹介
ここからは「ひきだしにテラリウム」の収録作品を一部紹介していきますね。
・恋
・えぐちみ代このスットコ訪問記 トーワ国編
・遠き理想郷
恋
「女性型アンドロイドが男性型アンドロイドに恋をしたら…」というSFです。
ストーリーとしてはよくありそうですが、なんと2ページで終わります。
そぎ落したストーリーは美しささえ感じます。
「2ページでこれやっちゃうか!?」
っていうほどよくできた作品ですね。
えぐちみ代このスットコ訪問記 トーワ国編
「作品によって絵柄を変えてる」といいましたが、「えぐちみ代このスットコ訪問記 トーワ国編」は作品の『中』で絵柄を変えるという離れワザをやっています。
導入は、漫画家・えぐちみ代こが「トーワ国」という架空の国に旅行に行ったエッセイマンガという体で話がはじまりますが、
ページをめくらぬうちにリアルな絵柄が変わって、滞在先のホテルで下働きしている少年の視点になります。
「えぐちみ代こ」がホンワカした様子で旅行を描いているのに対して、
少年は日本人旅行者を疎ましく思っているというギャップがおもしろいんですよね。
「人によって世界のとらえ方って全然違うんだ」って気づかされる作品です。
遠き理想郷
「遠き理想郷」は中学生のクラスが小学生のために「いじめ・迫害・差別」を伝える紙芝居を作るという話です。
小学生にもわかりやすいように「うさぎじん」と「ねずみじん」というかわいいキャラを使って話を作ろうとするのですが、
だんだん話が盛り上がってしまい世界史の教科書みたいになってしまいます。
お笑いのコントみたいですが、すごい想像力だなと感心しますよ。
まとめ
「ひきだしにテラリウム」はすごく短い短編がたくさんつまっている上に、
ひとつひとつの作品のクオリティーが高いのでマンガ短編集として満足度の高い作品です。
作品によってコロコロ変わる絵柄も楽しいですよ。
読むたびにお気に入りの作品が違ってくるんですよね。
「Webメディア・マトグロッソ」で一部の作品が試し読みできますよ!
「ひきだしにテラリウム」ぜひ読んでみてくださいね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
コメント