どうもこんにちはきたはちです。
5巻以内完結や短編集など短いマンガをこよなく愛しています。
タナカミホさんのマンガ『空飛ぶ馬』が4月24日に発売されました。おめでとうございます!今回は、マンガ『空飛ぶ馬』を紹介します!
『空飛ぶ馬』は北村薫さん原作のミステリ。「ミステリー」と言うよりも「ミステリ」と言いたくなるようなちょっとレトロな雰囲気をもっています。
ミステリーというと殺人事件がおこって、探偵が出てきてみたいな展開がありがちですが、『空飛ぶ馬』には探偵も殺人も出てきません。
やさしいミステリと形容するのがふさわしい物語。タナカミホさんの絵もやわらかく、物語とマッチしていますね。
『空飛ぶ馬』ってどんなマンガ?
文学部の大学生<私>と、噺家・春桜亭円紫(しゅんおうていえんし)が解き明かす、日常にひそむ謎と不可思議。見られるはずのない夢・大量の砂糖を入れられた紅茶・幼稚園から一晩だけ姿を消した木馬…。人が生き、触れ合うことで生じる明暗を描く五つの物語。本格推理小説であり、一人の女性の成長を捉えた爽やかな青春物語でもある”誰も死なない”ミステリの記念碑的作品、初漫画化。
『空飛ぶ馬』 Amazon詳細ページより
原作は北村薫さんのミステリ小説。ぼくは原作小説を読んだことがありませんが、北村薫さんのミステリはいくつか読んだことがあります。北村薫さんの世界観がよく表現されている作品でした。
「やさしいミステリ」と表現しましたが、誰も死なないからやさしいのではなく、探偵役の円紫の解決の仕方や物語の展開にやさしさを感じました。
とはいっても、人の悪意みたいなものも感じられて一筋縄ではいかない物語です。
嫌じゃない後味の悪さというべきでしょうか。やさしい味の中にも渋みや苦みを感じる、まさに紅茶のような物語ですね。
『空飛ぶ馬』収録作品
織部の霊
砂糖合戦
胡桃の中の鳥
赤頭巾
空飛ぶ馬
空飛ぶ馬
幼稚園のクリスマス会があった夜。小町さんの奥さんが幼稚園の前を車で通ると、昼間にはあった木馬が消えていた。
グリム童話の「空飛ぶ木馬」のように、木馬は空を飛んだのか?
その謎にはやさしい嘘がかくされていました。
魅力①やさしい絵
タナカミホさんのやさしい絵がすてきですね。
原作小説の装画の雰囲気をのこしつつ、モダンにアップデートされている感じがします。
どこか80年代っぽさも感じますね。時代設定も少し昔なので、レトロな画風が物語によくあっています。
魅力②やさしい物語
ストーリーもやさしくていいですね。
ストーリーによっては謎を解き明かすだけではなく、謎を謎のままにしておくという展開もあります。表現もわかりやすいものではなく、「これってどういう意味だろう?」と読者に考えさせる時間を作ってくれます。物語自体に奥ゆかしさを感じますね。
魅力③オムニバスストーリー
オムニバスストーリーになっているところもいいですね。
一話完結なのでテンポよく読めます。主人公の女子大生の「私」と探偵役の円紫だけが共通していて、ほかの登場人物や舞台は変わっていくので一話ごとに切り替えて読むことができます。
うれしいボリューム
262ページと大ボリュームなところもうれしいポイントです。
6話分収録されていて262ページなので一話一話ゆっくりとたのしむことができますね。
まとめ
マンガ版の『空飛ぶ馬』はやさしい物語を絵でも表現しているミステリです。
紅茶を飲みながらゆっくりとたのしんでください。
マンガ『空飛ぶ馬』はリイド社・トーチコミックスから発売されています。ぜひ読んでみてくださいね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。きたはちでした。
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